ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:軽度アスペ・ACな妻

アスペ妻の記録~夫の限界~

2014-03-15 Category:軽度アスペ・ACな妻
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必要とされていない感覚

その頃、私は妻に対し、何度目かの抗議申し立てした直後で、申し立て内容は『子どもの教育に関わって欲しい』だった。
長男と娘の問題行動の原因に、あきらかに父母の逆転の影響が出てきていたから。
妻の答えは
『こんなに色々やっているのに、これ以上どうすればいいの?』
感情的になりそうな自分を抑え、車に乗り近くのスーパー銭湯に逃げ込んだ。
理由は手続きなしで泊まれる施設が他になかったから。もうホテルの従業員とすら会話する気力がなかった
考える力が出てこない。
愛も責任も経済的問題も何もかも、ただただぐるぐる頭を回った。
『どこかへ行ってしまいたい』
『あの頃に戻れたら』
『どうして俺ばかりこんな目に……』

……
………。
なさけない、もう限界か?
深夜2時を回ろうとした頃に、ようやく冷静な考えが浮かび始めた。まずは家に帰ること。妻が心配してパニックを起こしているかもしれない。探し回っているかもしれない。
家に着くと妻はぐっすりと眠っていた。
そう言えば私が出て行く時に、彼女は止める素振りもなかったし、メールのひとつもなかった。
『むしろ妻のほうが怒っているのか?』
同棲を始めたばかりの、あの上の空だった妻との2ヶ月間が思い起こされた。再びあの頃と同じ『必要とされていない』感覚に襲われ始める。

死の恐怖のない3日間

あの日以来、夫婦生活が明らかに冷めていた。
妻から話しかけてくるでもない、
私から話しかけるでもない。
怒りでも悲しみでもなく、必要とされていないのだから、自ら関係を保つ必要もない。
増え気味だった夜の酒量がさらに増えだした。
朝、嘔吐。昼過ぎても浮遊感が回復しない日が続く。
そしてある日、腹部に違和感が起きた。
もともと弱っていたところに、大量のアルコールとストレス。いつかはこうなって当たり前だったのかもしれない。
まず、胃痛が2日ほど続き、薬が一切効かない。食事も喉を通らない胃痛。そしてそれは段々と下がり、下腹部を握りつぶされるような痛みへ。大きな波のような激痛と共に下痢と嘔吐。高熱も出始め、明らかに身体が今までの病気と規模が違うことを告げている。
死が頭をよぎった。
時折来る激痛の大波で、息が止まるほど力まなければならなかった。それでも私は病院にも行かず、妻に悟られないようにした。もうどうでも良かった。
『これで終わるなら……』
家族とのコミュニケーションが通じず、やる事なす事裏目にでて、将来の希望が持てない。
長男は私を意識しすぎて硬直する。娘は私を意識しすぎてパニックを起こす。妻は私や家族を必要としていない。
家族すらまともに抱えられていない。
長男誕生から5年。
愛でも責任感でもなく限界を迎えたその時、
妻が口を開いた。
『ごめんね』

人間味を取り戻す

大腸炎。白血球数は19000を超え、CRP16。炎症は腹膜にまで広がり、普通に自分の足で診察に来たことに驚かれた。
一週間の入院。24時間点滴と絶食となった。
妻も流石にこたえた様で、子どもの事での苦悩にようやく理解を示してくれた。病院に診察に行くことを決めたのは、妻から『事を進めようとしてきた』から。どこか他人事だった妻の表情が、『妻の顔』に戻っていた。
久しぶりに妻に会えた気がした。
妻が私を必要としていること、家族で幸せになりたいと思っていること。
そして、子どもたちの歪みを知っていて、避けていたこと、それが怖かったことを告白してくれた。
見ないようにしていた弱点を認め、受け入れた。
これなら未来がある。
感覚が戻って来たとたん、壮絶に激痛を感じ始めたが、どこか入院を『お泊り』的に考える余裕が戻ってきていた。
【そうだった、俺、こんな深刻な事考える人間じゃなかった】と。
1週間の入院予定を聞いても、ちょっとした休暇だと思えた。
リビングに入る度に感じる違和感(子どもの硬直や過剰な意識)がないだけで、こんなにも心は軽いものなのか!

仕事の客先以外、だんだんと避けるようになっていた人との会話。

でも今は隣のベッドのおじいさんとの会話も楽しめている。夜回りの看護師さんに小声でギャグを飛ばし、迷惑を掛けられる要らない余裕まで。
入院後半まで痛みは激しかったが、明らかに以前のポジティブな自分に急速に戻って行くのを感じていた。
■今だから分かること
妻の行動は単に『自己中』で『冷徹』な人間性だったからなのかと言えば、むしろ逆であったと今は言えます。この頃は本当に妻の考えや気持ちが解らず、また本人も私とすれ違ってしまうことで、非常に混乱していたのだと段々分かるようになっていきました。
冷たく聞こえる言葉にも、ちゃんと総表現した理由があると分かるのは、ここから数年後のことです。
これを書いている時に妻が背後に現れ、思わずモニターを隠しましたが、本人はすでに色々乗り越えて受け止めているので『やっちゃってくれ』とのこと。
私自身も追い詰められ、安直に人生の終わりを願おうとした自分を恥じていますが、あえて正直な気持ちを書くことにしました。
家族のすれ違いはどんな小さなことでも、積み重なると非常に大きな傷となったり、活きる希望を失わせることもあります。
もし、同じような状況で悩んでいる方が、ここを読んで『ああ、こう思っている人、他にもいたんだぁ』と楽になっていただけたらと思い、包み隠さず当時の想いも書きました。
あの頃、妻と子供の3人が自閉症スペクトラムとは知らず、自分と同じ境遇の人はいないものかと、毎晩ネットで探しまわっていました。
あの時、同じ境遇の人が見つかっていたら、この後の数年間、もう少し楽になっただろうな……と思っています。
つまり、苦悩はまだまだ続きます。やや重かもしれませんが、この際ですからまるっと書き残していこうと思っています。
と言うのも、我が家がここまでで辿り着いた解決方法などは、こういったことの連続から生まれてきたことで、解決策だけで話したのではわかりにくいからです。
少しずつ『手記』に解決策を書いていこうと思っていますが、解決策自体は誰もがサクッと読めるよう、短く簡潔にしておきたいので、注釈をここの記事のような奮闘記にリンクすることで補充していこうかなぁとか考えてダラダラ書いてます。
誰かのお役に立てれば夫嬉しいです。

【つづき】⇒~子どもと向き合う決意~

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中の人

  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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