ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:軽度アスペ・ACな妻

アスペ妻の記録~袋小路~

2014-04-11 Category:軽度アスペ・ACな妻

娘の問題行動

3歳になってからの娘は、ただのイヤイヤとは違う、独特な問題に直面していた。
コミュニケーションがとれない
それは知性に遅れがあるからではない。不安定すぎて、会話になる時間がないということ。
保育所では元気。やや、衝動的だったり、へそを曲げて一人になろうとすることはあったようだが、それも保育士の先生の報告では『ふつう』とのこと。
しかし、家に帰ると一変。
父親である私がいると激しく緊張し、動作や仕草がぎこちなくなり、やがて青ざめ震えだしたりパニックに陥ったり。酷い時は帰りの車から出るのも嫌がり、グズグズと泣き続け、私がリビングに入室すると背中を向けたり、私を避けるように部屋の反対側の壁を擦りながら歩いて出て行ったり。
そして、止まらないたそがれ泣き。まともに家族団らんな夕飯など、彼女が生まれて以来摂れていない。
それ以前に、平穏無事・余計な距離感などの心配なく、ただただ家族がいるだけのリビングなど一度も経験はなかったのだが……。

母親成分不足

妻は以前に比べれば教える・注意・叱るなどの、教育に関わる行動を取れるようになっては来たが、それでもこの娘の『緊張』にはフォローに回れるほどにはなっていなかった。
例えば一般的な母親像としては、こういう時、
・一声かける/あらかじめ声をかけておく
・娘と別室でゆっくり抱きしめる10分を作る
・時折、娘とふたり特別な日を作る
などの対応をとると良いと言われている。
妻の場合は娘の異変に気がついていても、フォローや状況を変えるための具体策をとることはなかった。
方法を事前に教えたり、目配せしたりもするのだが、その場で困惑するだけ。妻がまごついているうちにタイミングを逃したり、オドオドしながらやってしまうため、娘の予期せぬ要求などで返り討ちにあってしまう。
それがまた妻の自信を奪い、前に出なくなる。
放置すれば、娘の沈み込みが激しくなる。
結局、私が注意とフォローを同時にしながら、
自身で意識されすぎる要因を作りかねない悪循環に陥っていた。

心理士の『娘』の観察

それはふと私が保育所の所長さんとの会話で漏らした一言が発端だった。『もしかしたら障害だったり、とか思うこともありましたよ』なんのことはない、井戸端会議でのちょっとした子育て愚痴合戦の一言だった。
数日後に妻が保育所にお迎えに行くと、所長さんから
『いや、娘ちゃんはないとは思うんですが……、一応、心理士の先生に聞いてみます?』
と、呼び止められた。
妻もその場で承諾。今までの経緯を説明し、日取りを決め、保育所での様子をみてもらうこととなった。
(もしかしたら、きっかけになるかもなぁ……)
と、非常に淡い期待感の中、私もそれを承諾した。
そしてその日、初めて専門家の所見が下された。
『おもちゃの取り合いになれば、自分からあきらめて渡したり、行動がすごく大人びている
年齢にしては、その場に合わせた行動をとれていて、問題はない』
『やや、その場にそぐっていないような戸惑いが見られるが、キャパがあるので大丈夫』
今は幼すぎて判断がつかないので様子をみる程度で大丈夫でしょう』
予想通りというか、すでにその答えは過去に私の中に想定されていたもの。
問題が起きているのは家庭内。外や保育所での生活には妙に『いい子になろう』とするので、年齢的には問題として浮上することはないだろう。そして、もし、何かしらの障害があったとしても、それは娘の場合、限りなく黒に近いグレーか、グレーに近い黒であろう。
つまり、今、彼女に何かしらの手立てや診断を下す専門家はいないだろうという想定内の答だった。
同時に私が最も聞きたくない答えもセットとなって……。
お父さんが、かかわり過ぎなのでは?

ゆっくりとゆっくりと歪む

私が関わらないように妻に任せれば、過去の経験から一気に妻をなめ、父親と母親の前で行動を極端に変えだす長男と娘。これは私の言葉や行動ではどうしても変えられなかった。
そして、妻に『叱れる母になって欲しい』と願っても、彼女自身がフリーズしてしまったり、オドオドしてしまうために、完全に逆効果になる。
妻に強く出れば出るほど、反動で私への緊張を作る。結果的、まだ、『妻に任せられるほど、妻は進んでいない』─。
お父さんが、かかわり過ぎなのでは?
……それは何度反芻し、自責に苦しめられた言葉か。これは心理士の先生に言われたからではない。
過去に長男の『試し』が酷かった時、実家の母からかけられた言葉と同じだったからだ。
では、誰がやると言うのか? ……いや、やはり、私が原因なのか?
娘も妻も社会的に支障があるほどの何かがあるわけじゃない。それでも、彼女たちに出来ないことは当たり前のように家庭内に存在している。
それは問題なのか、苦手の範疇じゃないのかという、葛藤。
『問題にすべきなのかどうか』
『苦手にしては多すぎないか』
『いや、問題意識をもつ私がおかしいんじゃないのか?』
と、ギリギリのラインを波縫うように、日々ただただ、少し歪んだ問題が通り過ぎていくだけ。
介入しなければ停止して、介入すれば荒れる。この危機感自体、私の勘違いだとしたら……?
そして何よりの私のジレンマは、
パートナーである妻自身に、深刻に悩んでいる様子がない
ということだった。
実際に問題がおきていて、それは大きな問題ではなく、ギリギリ微妙な問題。それを問題視することが問題とされる。
おかしいと思う私がおかしい。妻の態度の答えはそういうことなのではないか?
確かに聞けば問題だと思っていたとは言う。しかし彼女から相談されたことは一度だってない。相談しあおうにも結局困ったような顔でたたずみ、私のひとりの話題、視点になってしまう。
結局、答えが出るはずもなく、私一人わだかまりを募らせながら、心理士の先生の観察は3回行われ、妻が面談を受けた。
そして三回目が終わった時、心理士さんから提案を受けた。
『市の児童課に専門家が待機していますので、保育所を通して相談されてみてはいかがでしょうか?』
それは私が今回唯一期待していた言葉だった。
次のステップにつながるきっかけが欲しい。今のままでは手がかりがなさすぎる。
しかし、疲弊していた私には、その時、もうその提案にすがる気力がなかった。ゆるやかに激化していく娘を抱えながら、児童課に相談に行くのは半年後のこととなる。
それは、良く言えば破綻のきっかけ、悪く言えば自滅。まだ、自分がなにと戦っているのかさえ、私はわかっていなかった。

【つづき】⇒~人の壊れかた~

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中の人

  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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