ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
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Category:手記

手記

喧騒や騒音・大きな音が苦手│自閉症スペクトラムの聴覚過敏対策

2014-07-17 Category:手記
【人混みのざわざわした音が苦手】
【様々な音が混じった空間が苦手】

もしくは
【大きな音】【機械の動作音】【子どもの騒ぎ声】
などが苦手。
または音に対する感覚が非常に敏感で、聴力や音感などに特徴的な能力を見せることも。これらはよく言われている自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の、聴覚過敏などに関する特徴です。
わが家のASD当事者3人にもこれらの特徴は当てはまり、それぞれの性質によりその過敏の強度や、反応する音の種類は違えど、混乱したり不快そうに耳を塞いでいることがよくありました。
それらはパニックを起こすなどの、表に激しく出ることはなく、どちらかと言えば本人たちも【自分が音に敏感であることにあまり気がついていない】状態です。場合によっては音そのものに不快を感じているのに、それに気が付かずただただパニックになっていることもあったようです。
今回は彼らの聴覚過敏に関する特徴と、その時に取った対応策をまとめてみたいと思います。
ちなみに以前に書いた妻の症状、【耳鳴り】と【選択的注意困難】も、表面的には別症状ですが、聴覚過敏が背景にあるとも考えています。
(※過去記事はこちら⇒アスペな妻の耳鳴りのこと│自律神経と選択的注意とワーキングメモリ
※この記事に書かれているのは、あくまでわが家の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者たちの対策です。ASDは範囲が広く、個人差による特性の違いが大きいので、全ての当事者の方々に当てはまるものではありません。また、ここに書かれている特性と一致したからといって、ASDである根拠にはなりません。素人のおっさんの書くチラシ裏の日記くらいでお読みください。

それぞれの音への過敏な反応

長男

通常時はほとんど支障や目立つ特徴はなく、集中するとかなり小さな音まで聞き分けられるが、イベントや新しい環境などで【イベントを楽しむ】から、【刺激を求める】ばかりの状態になった時に起こります。
症状としては複数人の声や音を同時拾ってしまい、ほとんど聞こえなくなってしまうのが基本型。ハイとパニックが合わさったような状態なので、大きな音などに不快感を感じ、ストレスを受けながらその場で自分も騒ぐことから抜けられなくなります。

機械の動く音やモーター音(洗濯機・掃除機・換気扇・プリンター)などに敏感でしたが、不思議なことに彼の場合は、これらが【何のための機械で、どうして音が出ているか】や【その動作は自分に関連のあることか】などを完全に理解した時に解消されました。
動作の完了や終わり、自分の関わり方を感じさせられるタイプの機械の音に、心理的な部分でも脅迫的なものを感じていたのかもしれません。

わが家でもっとも典型的な反応を見せました。大勢の子供達で遊んでいる時に、最初は一緒にはしゃいでいたのが、数分後には耳を塞いでしゃがみこんでいたり、救急車が近くを通った時に明らかに動揺していたり。買い物でも店内放送やPOPの音、騒音が激しいところでは小パニック状態で、すぐに沈没。
特に3~5歳の頃にそれが顕著になり、一時は同世代の子どもとの遊びを『うるさい』と嫌がるなど、明らかに拒否反応を見せるようになりました。

不思議と大人の声にはあまり不快感を受けないらしく、それが保育所での演劇だと大人の声援や声に反応するが、運動会では子供らの声に混乱する原因のひとつにも(これは前回の失敗によるフラッシュバックやタイムスリップも影響が強かった)。

重なった音に不快に感じるものの、あまり表には出しません(と言うより、不快だと特別意識していなかった)。店内のいろんな売り場の音楽や音や、複数人で話している時など。不協和音で展開するような音楽を嫌う。
ダメージを受けている割に自覚症状があまりなく、気がついたら疲弊していたなど、認識がないからこその弊害が大きかったのが特徴です。

ふたつの聴覚過敏?

彼らを観察していて気がついたことは、
A・【単純に特定の大きさ・種類の音が苦手】
B・【その音が“把握できない”からくる不安】

に別れているのではないかということでした。
【A】に関しては

・その場を避ける
・そこにある他の1点の音に集中する
・ノイズキャンセリングの耳栓を使う
・“そういう音がするのは仕方がない”と説明

などの対応策でこなせますが、大きな音で驚いてフリーズしたりするのは、特性上自然なことだとも私はとらえています。(耳栓は100均のでもOK、聞こえなくなりすぎるのが嫌な場合は、封を開けてからしばらく経ったヘタった奴が良いようです)

【B】がかなり肝心で、心理的な影響から敏感に反応している状況が幾つかあり、以下の対策を打つことである程度の効果が見られました。
・音の発生源、仕組み、理由を理解させる
・その音が自分に関係あるか、どう関係するかを理解させる
・その時に何らかの行動を取る必要があるかを説明

などの“把握できない”部分を埋める対策です。

具体的な対処方法

例えば炊飯ジャーの炊きあがりのアラームに毎度敏感に反応していた長男の場合、

・ご飯が炊きあがった事を知らせる音である
・“ご飯を炊く”とは、この硬い生米を炊飯器で美味しくすること
・炊きあがったとしても何もしなくてもいい

と説明した時から炊飯ジャーのアラームには反応を見せなくなりました。

だいたい同時に鳴り、パニックを煽る原因にもなっていた、お風呂のアラームの音、

・お湯加減を見るために、一度真ん中までたまったら鳴るようにしてある
・沸くともう一度鳴る。
・目安の合図だから何か“しなくちゃいけないこと”はない
大雨が降ると硬直していた娘の場合、

・雨が屋根や地面に当たる音
・ポタポタ垂れる小さな音が一杯重なってああなってる
・そのうち止むから何もしなくていい
・どうしても気になる時は、テレビの音や雨音の中にしずくの音を探す
地味に反応が分かりやすくて、この【B】の仮説の元になったのは以下の2つの例です。

扇風機

それまで好奇心で扇風機に興味を示していたのに、テレビを見ている時や寝る時に『うるさい』と言い始める長男。気にし過ぎているだけにも思えたので、扇風機を一度止め、ファン部分の形状を見せてゆっくり回しながら次のように説明しました。
【斜めの羽が回る時に、後ろの空気を前に削りだしているんだよ】
【その羽が一枚一枚空気に当たる音が聞こえている】
【今音が気になっているのは、当たる風も同時に気にしてるから】
【風の涼しさを楽しんでいればいい】
要は音が発生する仕組みと、気になる理由、何をしていればよいかという説明です。
その日の夜から扇風機の音を気にしなくなりました。

プリンター

長男と挑戦してみようと、ペーパークラフト素材をネットでダウンロードし、プリンターで印刷している時の事、時間がかかるので他の作業をしていたら、長男は完全にそこに気を取られているかのようにプリンターを見続けていました。
【後は機械がやってくれるから放っておいていいんだよ】
まず、この一言だけで『目からウロコ』だったようです。
自分とは別の時間軸で作業が完了することが理解できていなかったのです。
後はプリンターの仕組みと、音が出る原因、そして終わった後はトレーに排出されているので待っている必要がないことをしっかり説明してからは、動作中のプリンター本体へ意識がとらわれなくなりました。
これは洗濯機でも似たようなことがあり、同じく動作の完了が自分の意思とは別の『自動的なもの』である概念を説明し、理解してもらうことに成功しました。
彼にとってはこれらの“音”に関わる情報や、そこへの関わり方を理解できない事は、胸騒ぎがするような不安感をともなっていたようです。
また、【A】の【その音が“把握できない”からくる不安】に関しても、【“そういう音がするのは仕方がない”と説明】と書きましたが、例えば消防車のパトロールの警鐘(カンカン、カンカン)の音が苦手だった娘は、それまでその音の大きさに不快感を露わにしていました。
しかし、

【遠くのみんなにまで聞かせるためだから大きいのは仕方がない】
【鐘みたいな音は、他の音より良く響いて耳に入りやすいから。仕方がない】

と、理由を説明しながら“仕方がない”を強調していたところ、表に露出する反応が少なくなりました。

これは“慣れた”というよりも、“不快な気持ちに集中するパターン”が途切れたからだと思われます。ここにも【把握】が大きく関わっており、また、他の感覚過敏に対するアプローチのアイデアにもなりました。

わが家的、対処の極意

根本的に人が【不快】を感じる物の裏には、【恐怖・不安】があります(例えば黒板を引っかく音が苦手なのは、サルの警戒音に似ているからだという説もある)。
例えとして適切かは分かりませんが、
なんでもない物を怖がる子どもや人に【怖くないよ・大丈夫だよ】と表面的な対処だけしても、次はまた怖がります。何度か繰り返して【怖くないと理解したから解消する】という、馴染んでいくためのパターンが有りますが、ASDの場合はその“馴染み”が自然発生するには条件として情報が足りなさ過ぎです。
【“把握できない”からくる不安】はASD当事者の彼らの場合、“把握できない”こと事態が把握できていないことがあります。しかし、パターンとしてそれほど広範囲でもないので、一つのパターンの裏側を把握するとすんなり“スルー”出来るようになることがあるのです。
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性があるわが家の3人の場合、同時に複数の物事を頭の中に抱えた場合、どれかひとつに焦りや不安が浮かぶと、全てが不安になってしまう傾向があります。
それは例えば【作業】をしながら、【思考】をしているような時、【その音が“把握できない”からくる不安】が来れば、全てがその不安と同列な不快感を含んだものになりかねません。これは聴覚過敏だけでなく、五感に関わるあらゆる感覚でも言えることです。
こういった対処を繰り返すうち、直面していることに対して“知らなかったから怖かった”という経験に重なると、自分から聞いてくるようになったり、現象を少し吟味してから受け取ろうとする姿勢が見られるようになりました。また、同時期から目に見えて音への敏感な場面が減っていきました。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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