ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

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手記

ゲームの順番が待てない・会話が被せ気味な子どもへの対策

2014-05-27 Category:手記
例えばすごろくで遊んでいる時に、自分だけ連続して進めようとしてしまったり、他の人の順番を意識できずにすぐやろうとしてしまう。
順番待ちなどは出来るのに、遊びに夢中になるとゲームの順番が待てなくなってしまう。
会話でも、思いついたことを一方的に喋るが、相手が話している間は聞いていない感じだったり、会話に被せるようにして話しだしてしまう。
わが家の娘はこれらの傾向が強く、4~5歳のお友達と遊ぶことで社会性を身につける期間に、ちょっと問題になりかけました。その時にわが家で一定の効果を出した方法をご紹介します。
※一応ですが、あくまでこれはわが家での成果であり、どんな方にも通用するとは限りません。トライ&エラーの一選択肢くらいの薄い参考にしてください。
また、わが家の娘はASDですが、今回の条件に当てはまるからと言って、それが自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)であるという根拠にはなりませんので悪しからず。

トランシーバー作戦

最初は長期休みで暇そうにしていた長男に与えたおもちゃだったのですが、このトランシーバー(うさぎが可愛い某ベビー用品・子供服専門店のおもちゃ売り場で千円くらいだった)が思わぬキーアイテムになりました。
簡素なおもちゃのトランシーバーは、構造的に話す時にボタンを押してしゃべり、聞く方はボタンをはなした状態でないと会話が出来ません。基本的にボタンは押さないでいて、話したい方がボタンを押しながら話すことで音声を伝えることが出来ます。
この構造は、子どもが衝動的にボタンをガチャガチャ押していると、相手の声が届かなくなるということ。
いつものおもちゃならボタンを押せば音が出たり、楽しいことが起こりますが、トランシーバーの場合は自分が押さず、相手がボタンを押すことで楽しいこと(声)が起こるのです。
ボタンを押しっぱなしで一方的に喋っても、効果が無いためにつまらない。
相手からの話に反応してボタンを押し、返答をすることで成り立つ遊びです。
自閉症スペクトラムの子どもに有効とされる、『ルールに従わない時は無視をする』が簡易的に再現できる遊びと言えるのではないでしょうか?
また、このおもちゃの遊び方を教える過程は、どこか『会話のキャッチボール』を擬似的に教えている感じに近いものがあります。実際、直接子どもに会話のキャッチボールを教える場合、『聞く我慢』がネックになりますが、遊びながらだとあまり『我慢』を意識しなくて済むこともあります。
ポイントは
『~~です。どうぞ♪』の構文が絶対ルール。
この【効果を待って、合わせて返答】の呼吸は非常に新鮮だったらしく、わが家の娘も最初は戸惑っていたものの、遊びたいがために必死で遊び方を憶え、このキャッチボールを習得しました。とくに『どうぞ♪』はキーワードだったようです。レスポンスを待つ概念を獲得できたのか、直後から遊び方に『自分が自分が』を感じさせる強さが緩和されました
利己的に感じたり、自己中に受け取れるような態度の裏には、こういったレスポンスの概念の薄さがあるのかなぁと感じました。こういう風に娘の行動の真相を見ることで、『悪意があるわけではない』などの、先人の言葉と自分の娘とがようやく合致する気がしたり……。
もちろんこれだけで全てがクリア出来るわけではないので、新たに入手した『どうぞ♪』をキーワードに、ゲームの順番や遊びでの『自分が自分が』的な欲動をただの我慢ではなく遊びとして受け止められるように活用しています。
まあまあ、ここで“どうぞ♪”ってやれば、待ってるのも楽しい遊びになるよ』とか、その時にトランシーバーをやるジェスチャーを入れたりすると、楽しい記憶とともに受け止めようとします。楽しい想い出を、小さな成功体験の想起の呼び水にする感じが娘の場合はよく効くようです。

意外な副次的効果

まず、順番意識やレスポンス意識が出来るようになったことで、キャッチボールの態勢がとれるようになりました。そしてその感覚は、意外に多くの効果を生んでいたようです。

1:ちょっとした注意などでのいきなり癇癪が少なくなった

これは成長途中だったこともあるかもしれませんが、このトランシーバー遊びを始めた辺から減少しています。
もしかしたら、投げかけられた言葉を、いきなり極端な区分けにしないで、ちょっと吟味してとらえる感覚が身についたのかもしれません。

2:会話の被せが減った

一方的に喋るが、人の話を聞かない裏には、相手が話している時にそれからインスピレーションを受けて自分が話すことをまとめるのに夢中になっていたり、相手の話のどこかに引っかかって思案している事があります。
このレスポンスは考えこむほど表情も少なくなり、会話の幅が広がりにくくなります。
遊びで軽いレスポンスを実体験することで、極端な話の移動や熟慮の必要性が低くなったのかもしれません。

3:電話でのレスポンスと距離感

遊び方に慣れるまで、お互いに見える距離で練習し、その後別室からの通信など距離をだんだん開けていきました。受信機から聞こえる距離は変わらないのに、実際の距離は開いている。この感覚は良い刺激だったかもしれません。電話でのレスポンスも上達したのですが、受話器の向こう側の相手を想像するような様子が見られるようになりました。これはまだ未知数ですが、新たな認知の芽生えではないかと期待しています。

兄弟がいる場合の利点

わが家の場合、トランシーバーは娘(5歳)と次男(3歳)がメインで遊んでいました。彼らは一度遊び方を憶えると、分かりやすく夢中になるのですが、3歳の次男はまだ幼いため、やっぱり時々暴走してマシンガントークを展開、そういう時は娘にもわざと聞こえるように『ほら、自分ばっかりで順番守らないと面白く無いんだな、これはふたりでお話を楽しむ“大人”の遊びだからね、順番に話すと楽しくなるんだよ』など、次男に聞かせているようで白々しく娘に伝えたりしています
というのも、娘の場合は正されたり訂正されることを『間違い・失敗・拒絶』など、極端に処理してしまう特性があります。遊びの中では特に興奮しやすいので、この極端な処理が強く働いてしまうことも。
同時に彼女には『人と自分との違い』が薄く、他人が言われていることも自分の事のように受け止める特性があります。そしてその時の方が、自分に言われている時よりも理解が出来たりするという、ちょっとユニークな点があります。この白々しく嫌らしい方法は、思いの外彼女には響きやすく、すぐに受け入れていました。ついでに“大人の遊びだからね”は、彼女のゾクゾク系キーワードなので、それもガッツリ入れてます。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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