ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:手記

手記

夫婦間での価値観の不一致やスレ違い・いわれのない劣等感でお困りの方へ

2014-07-06 Category:手記
カサンドラ症候群(カサンドラ愛情剥奪症候群)】をご存知でしょうか?
最近の言葉なので馴染みがないかもしれませんが、パートナーに自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の傾向がある場合に、その特性が原因となってのすれ違いが夫婦間やカップル間に起こり、様々なストレス症状を引き起こしてしまうものを言います。
特にASD男性と定型発達(いわゆるふつう)の女性の場合に多いとされています。性質上、相談しにくいタイプのすれ違いや違和感が多く、自分を自分を責めたり抱え込んでしまう傾向があります。
先日、とある女性から家庭での相談を受けている時、それまでの経緯や心境などから、その方のパートナーの自閉症スペクトラム症(アスペルガー症候群)の可能性を感じ、一冊の本をお贈りしました。
相手は70代と高齢の方でしたので、若輩の私の言葉なんかより、専門的な視点からの編集が入っていて、それでいて読みやすい本の方が伝わるかもしれないと思ったのです。
結果はほぼ完全一致。
生じていたすれ違いの理由、そうなった時に『私が悪いのかもしれない』など自分を責めていた経緯、そして今まで読めなかったパートナーの心理が理解出来るようになったそうです。
今まで40年以上も、結婚生活で渦巻いていた何かがスッととれました
と喜んでいただけました。
あくまで素人判断なので、実際にそのパートナーの方がASDであるかどうかは定かではありません。しかし、そうであろうとなかろうと、原因と理由が一致し、それにより対応が考えられるようになるのなら、それには価値があります。
今回は私がその女性の相談を受けていた時に、パートナーの方のASDの可能性を感じたポイントと、私なりに伝えたアドバイスを合わせてまとめてみたいと思います。
もし、今、夫婦間でのすれ違いに悩みんでおられる方に、何かしらの手がかりにでもなれたのなら光栄です。
※ちなみにお贈りしたのはこちらです。
【アスペルガーのパートナーのいる女性が知っておくべき22の心得 著:ルディ・シモン スペクトラム出版社】
以前書いた書評はコチラ⇒恋人・夫(妻)がアスペルガーもしくは傾向ありの人にお奨めの本

話を聞かない・会話にならない

・すぐに自分の話にしてしまい、こちらの話ができない
・“お前の話は長くて難しいから聞きたくない”と言われた
もし自閉症スペクトラム症もしくは、なんらかの発達障害などがあった場合に、言語から情報を汲み取るのが苦手な場合があります。複数の意味合いが絡んでいたりする場合は、最初の方の言葉ばかりが残ったり、話の展開についていけずに困惑してしまう可能性があります。
特に自分から延々としゃべり続けるのでないのであれば、こちらからの話題は、【1話題1テーマ】を心がけ、なおかつ【言語での説明や意図を汲み取らせるのを抑えた話し方】を意識すると良いこと。何かしら紙に書きながらとか、目に見えるもので説明すると飲み込みが速い可能性があるとお伝えしました。

肌の触れ合いを極端に嫌がる

・結婚当初からあった。一度問題にして依頼、余計に拒否するようになった。
・その他にも聴覚・視覚・味覚などに過敏なエピソードあり
おそらく感覚過敏かと。スキンシップにも消極的で、辛い時・悲しい時に心身ともに抱きしめられた記憶がないとのことでした。一度問題にして以来、余計に拒否するようになった理由は、問題になってしまったことへの不安と恐怖、その項目に係る体験を否定的にとらえた可能性を感じました。
ただし、肩こりや腰痛へのマッサージは応じるそうなので、意図の判明しているスキンシップには抵抗がないようでした。無理のない範囲でそういったマッサージの時間を考えてみてはどうかと提案。

贈り物を喜ばない・文句をつける

・素直に喜んでもらえたことがない。贈ってもしまったまま。
・あげたものに対して、“~~に合わない”などクレームをつける
興味がないものを贈ると眼中になく、お礼もない。興味がありすぎると、今度は“こういうのは~~じゃないと”といった、否定的な反応が返ってきてしまうそうです。
ここには様々なパターンがあると思われますが、【想定していなかった贈り物だったので戸惑った】【発送にない物だったので、否定的な反応からそれが自分に合っているのかを探っていた】【興味がありすぎたために、嬉しさなどのレスポンスより、こだわりの気持ちが前に出てしまった】ことが考えられます。
この反応を【否定】と捉えるよりは【人からの贈り物を受け入れたり喜ぶにも時間と納得が必要なのだ】と捉えていたほうが楽になりますし、最初から“~~のお店の売り場で、~~を買う”と決めて、一緒にその売場の中から選ばせたほうが喜びを出しやすくなるかもしれません。
ひとつ引っかかったのは、【そういった態度を返していい】となってしまっている可能性です。意地が悪いのではなく、ストレートに反応しているだけなので、実際は『そう思ったとしても、ありがとうって言ってもらえると嬉しい』など、相手の行動を否定せずに歩み寄れる点に誘導する必要があるのではないかと提言。

親族の集まりや旅行で不機嫌になる

・女性側の親族や友人などの集まりや宴の席で、仏頂面になったり『いつまでやるんだ』とイライラしている
・旅行先では何かしらイライラしていて、電車の乗り遅れなどのミスや予定変更で癇癪を起こす
親族の集まりなどでイライラしていたのは、3つの原因が感じられました。
一つ目は大勢の人間の会話が氾濫する中、聴覚が過敏なため聞き取りにくく、また不必要な音をカットして聞くなどが苦手なために疲労していた可能性。
二つ目は、一つ目の疲労から誰と話していればいいのか、何を聞いていればいいのか不安になり、自分が小さくなるようなみじめに感じるような不安を覚えた可能性。
三つ目は、本当に『いつまでここにいなくてはいけないのか』などの、スケジュールを理解できない不安が、疲労に合わせて大きく膨らんでしまった可能性。
大勢と会う場合は時間を決めて、短めに切り上げることを考えたほうが良いかもしれません。
また、そんな中でも【大人なのだから、社交的に振る舞うのも勤め】などの常識はすて、顔を見せてあいさつをしてくれただけでも【凄く大変だったのかもしれない】と伴侶の責務を認めることだと提言。また、会話にも助け舟を出すつもりで、要所要所の表情を気にかけておくと良いともお伝えしました。

※参考動画【感覚過敏シミュレーション】

お祝いごとや行事などで癇癪・体調を崩す

・お祝いや家族行事では何かしらイライラしている。
・家にめでたいことがあった時などはいつも熱を出したり、体調を崩している。
やらなきゃいけない行事や祝い事を理解はしていても、実際に次に何をすればいいのかなどの段取りを、頭の中で組み立てておいて動くのが苦手なので、スケジュール進行が苦痛に感じやすい。行事日程が近づくに連れて、『何をしなければいけないのか』と追い立てられて、オーバーワークを起こしている可能性を感じました。
カレンダーでも、紙にでもいいので、スケジュールや工程表を文字にして、視覚化することをおすすめしました。もし、ASDの特性であるならば、視覚優位にあり、言語から意味合いや意図をほんとうの意味で汲み取れていない場合があるからです。

デパートなどでの買い物でイライラしている

・買い物途中に無口になり、段々と不機嫌を表に出していく。
・体調不良や疲れを訴え、すぐに帰りたがる
もし自閉症スペクトラム症やなにかしらの発達障害があった場合、親族の集まりでの不機嫌と同じく、聴覚情報・視覚情報が氾濫しているデパートなどは、苦痛を通り越して混乱する様な状況かもしれません。
そういった大きい店舗などでは、明確に必要なものと、回る売り場を最初に明確化しておいたほうが良いこと、無軌道な売り場めぐりはリスクが高過ぎると進言。

※参考動画【自閉症の内側】スーパーでのシミュレーション

その他のお伝えしたこと

・いきなりの癇癪は理解できないことや不安へのパニック
・困惑やパニックが起こると極端な行動を取りやすい
・人から与えられた選択に悩むと否定的になることがある
・自分の苦手意識が起因となっている時は反応が顕著になる
などの項目は、原因が分からなかったり、これらの意図が把握できていないと、自分を責めてしまう人が多いということ。
そして何よりこういった時は、パニックになっているだけで、【あなたを否定しているのではない】ということをお伝えしました。
失敗や問題などが起きた時、自分の能力や存在自体を否定するような、自己評価に関わる両極思考を取ることがあるので、そういったことに関わるのを本気で嫌がることもあります。
そして、そういう時の気持ちや想いを、言葉にして伝える発想は、いきなり自発的に行う可能性は極めて低いともお伝えしました。
また、
こういった夫婦は稀有なのではなく、潜在的にもっといると思われること。
そこに悩んでいるパートナーは、慈しみ深く真剣な方が多いので、自分を責めがちであること。
問題はお互いの責任や能力ではなく、特性として混乱しやすい事柄の多い社会通念が多く、補助的な考えや習慣をはさめば対応がとれることなども。

まとめ

今回の女性の場合は、結婚生活が私の人生よりも長い方です。
自分の子どもや、これから長くパートナーと歩んでいく若い夫婦とは、ゴールも目標も少し異なるでしょう。
定型とASDのカップルや、親子関係の場合は、このASDの特性を理解しているかどうかで、相手への印象も関わり方もグッと変わってきます。
彼女の場合は相手を知り、すれ違いへの自分の捉え方を知ることで、今までの人生とこれからの関わりに対しての想いを少し軽い物にできたわけです。
これは上手くいけば、パートナーの方にとっても、初めて【理解してもらえる安心感】を得られるのかもしれません。
ASDパートナーとのすれ違いを、ただただ理解できずに自分を責めていると、関係の悪化ばかりか自身の自己評価が下がり、抑うつ状態や感情の低下などを含んだ【カサンドラ症候群】になりかねません。
もし、今お悩みの方でしたら、まずは【あなたはひとりではないこと】【あなたと同じ気持になっている人が存在していること】【すでに自助会など動き出している人たちがいること】を憶えておいてください。
私は定型夫で妻がASDパートナーと、ちょっと比率的に少ないパターンですが、同じように問題の本質が見えないまま自分を責めたことで、破裂寸前のパッツンパッツン砂利ボーイになっていたわけです(?)
お互いに自分を自分で追い詰めるのではなく、なにが起きているのか、どうしてそうなるのかを冷静にみつめ、問題が起きたら問題を恨み、人は恨まないようにすることでうちは楽になりました。
さらに【まあ、うちは変わり者夫婦ってことだし】と肩の力を抜き、お互いの長所を活かせる関係になれば、出会ったふたりだからこその利点も出てくるかもしれません。
まずは問題を感じている方が理解して、押し付けにならないよう、そこにある不安や苦手を明文化していくのがおすすめです。

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タグ:カサンドラ症候群

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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