ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:手記

手記

軽度アスペルガー妻と定型夫の場合のカサンドラ症候群

2014-04-07 Category:手記
カサンドラ症候群といえば、ASDの比率的にAS夫と定型妻の話が基本ですが、妻がASDで夫が『誰にも言いにくい不安』を抱えている場合もあります。
うちの場合、妻の度合いは軽めで、かつACのひとつ『いい子でいなくてはならない』が強いため、お互いにぶつかることはありません。
しかし、現実に【微妙で些細なズレ】が続くために、こちらがもんやりと抱えることで、低いところへだんだんと落ちていくように疲弊していきました。
現在は対応策と進むべき指針があるため、以前に比べて非常に楽に過ごしていますし、むしろお互いの得意分野を発揮できています。
今回は私と妻との具体的な事例を元に、カサンドラ症候群に陥りやすいASDと定型のズレと対処をまとめたいと思います。

定型パートナーが不安になる瞬間

返事をしない、
生返事が続く時

定型が気にしやすいポイントです。

私からみて頻度が高くなると
納得していないの?
嫌々反応しているのでは?
となり、不安とまではいかなくても、心になにかが残ります。

実際は:

妻は特に不機嫌なわけでもなく、何となく考え事をしていたり、その前の話題を反芻しているだけだったりします。
提案に従うが表情が硬い時

休日のおでかけなど、提案に応じるのですが、どこか表情が硬い。
表情が硬い理由を尋ねても、本人は『別に…?』と流す。

これは私からすると
納得していないの?』となりますし、
何か他に思っているのでは?』と思うことも。
実際は:
これもやはり考え事だったりします。または『疲れのようなもの』を感じていたり、体調の変化や環境の変化に気が行ってしまい、オーバーロード気味だったりすることも結構あります。
まず否定から入る時
何か新しいことの提案をした時や、代替案を提示した時に、まず否定から入るパターンがあります。これは否定までいかなくても、言葉の端々に嫌そうな雰囲気を出したりします。しかし、実際ことが進むと非常に喜んだり楽しそうにしたりします。

私からすると
なら、最初から否定しないで切り替えたらいいのに
どうしていつも否定するんだろう

などと思ったりします。

実際は:

否定している真相として、自分の『予定が変わってしまった』ことへの焦りやパニックがあったりします。人によってはこの焦りが大きいので完全否定にも。
急に不機嫌になったように無口になる
さっきまで楽しく話していたのに、ふとした瞬間からむっつりとした状態になったりします。
私からすると
なんか悪いこといっちゃったかな?
など会話を振り返ることになったり。
実際は:
眠いだけだったり、会話で思い出した他の事に気が行っていたり。場合によっては体調の変化を感じ、そちらの情報収集に集中しているだけだったりします。

ASと定型パートナーのズレの原因

アスペルガーの場合
・身体の感覚の鈍麻による『不安感』
・『不安』や『こだわり』による言葉や記憶の反芻
・『0か100か』による会話の答えの検索中
・予定が変わったことへの『焦り』や『不安』
定型の【ズレの原因になる】ポイント
・会話中の相手の反応で感情や自分の評価を考える
・コミュニケーションがテンポの良いラリーじゃないと落ち着かない
・流すこと、突き詰めることの切り替えが早く鮮やかである
・複数同時に情報処理できるので、予定変更も楽しみのひとつ
などの特性によって、ASパートナーの場合は、通常のコミュニケーション時よりリアクションへのタイムラグが起きていたり、支障をきたしていたり。
特に【不満だから無反応】ということはありません。真相としてはそれがむしろ少なく、進むべきポイントを考えている状態が多いようです。
つまり、自身でそういった表情やリアクションを取っていることは、考えに夢中なので気がついていなかったりします。そして表情などの表層的なコミュニケーションの装飾品はとりたてて『今大事なことじゃない』わけです(というか、そこまで気が及んでないってことの方が…)。
逆に定型パートナーの場合、例え中身のない会話でも表情などのリアクションに評価を求めるために『不安』を感じてしまいます。場合によってはASパートナーの『今大事なことじゃない』が、定型パートナーにとっては『人間関係の基礎でしょ!』となったりします。
つまりはお互いの特性の違いと、大事だと思い込んでいるポイントが違うということ。
ASは『一つのことを大きく深く』。定型は『小さなことを同時複数うまく』と、お互いに特化する部分が違います。

わが家が上手くいった起点

まず、妻がASであることを理解したことです。これはお互いが同時に理解したことが大きい。
そして、妻の苦手とすることを徹底的に調べ、私が憶えたこと。
その時にどうしても問題となる状況がある場合は、その問題となった状況ごとまとめて、お互いに話し合ったことです。
この話し合いの場合でも、『なぜそれが問題なのか』が、お互いの立場からの視点で成り立っていなければどちらかが傷つきます
例えば、フリーズやとらわれから、家の判断が出来ず停滞が生まれている場合、それはお互いにとって『不利益』なわけですから、そうならないポイントを二人で考えれば自ずと答えは出てきます。
この時、どちらかがASを理解できていなければ、ASパートナーが感情的になったり、どうにも出来ないことで定型パートナーが感情的になったりしてしまいます。
これをなるべく軽くするには、ASの理解はもちろん、お互いが異なる特技をもつ夫婦であることのメリットを打ち出すことが大きな起点となります。
ASは『一つのことを大きく深く』。
定型は『小さなことを同時複数うまく』。
ASの場合はその特化がある分、小さくても複数の問題を抱えれば、全体的な能力低下に繋がりかねません。そして、一点集中特化の能力はあくまで『少数派の一つの意見』を前提として練ることで、周囲との衝突を避けながら大きな結果につながります。
定型の場合はその特化がある分、そして自身が『多数派』である分、ASパートナーが同様に処理できないことを勝手に『問題』ととらえてしまいがちです。しかし、多くの問題解決に向いている定型ですから、ASパートナーを理解できれば、その能力をお互いに引き出せるかもしれません。
わが家の場合、自宅開業で夫婦でデザイン業。一般的な家庭環境から言えばすでに【変わり者】です(同様の方には失礼ですが、これは私の自虐ネタと流してくださいね)。
【変わり者】ならば、そもそも【普通の家庭】を目指す意味が無い訳です
うちはうちなりにカミさんが能力出せて、
私が能力出せて、喧嘩にならなきゃいいや。
脳天気な締めですが、ここがわが夫婦のポイントです。
意外と突き詰めたら、ものすごく理想的な夫婦の形があるかもしれません。
将来に期待が持てて初めて夫婦のメリットがあるってもんじゃないでしょうか?

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タグ:カサンドラ症候群

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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