ASDでACの妻と
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定型夫の研究帳を公開します。

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手記

【WISC-Ⅳ】アスペルガーな娘が知能テストを受けて分かったこと

2014-06-27 Category:手記
娘がWISC-Ⅳ(ウィスク・フォー)を受けてきたので、ご報告までにわかったことをまとめてみたいと思います。
以前、田中ビネー式知能検査は受けていたのですが、初診時よりも年齢と理解力が上がってきたので受けることにしました。
今回はその様子と簡単な流れ、そこからわかったことをまとめてみたいと思います。
※記事中に自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性などに触れていますが、あくまでわが家のケースです。全てのASD当事者に当てはまるものではありませんし、同じ性質を持っているからといって自閉症スペクトラム症であるという根拠にはなりません。
また、WISC-Ⅳの解釈は個人個人で違いがあります。

テストの流れと指標の意味

やや年齢的に難しいと思われる部分があることと、所要時間が長いことから、本人の集中力を考えて2回に分けての進行となりました。
詳細な内容は他の受検者の方を考慮して伏せますが、複数項目のテストを受け(うちは10項目)、そこから言語理解・知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度の指標を算出。それらから相対的な水準を算出して、全検査(ESIQ=いわゆるIQ)を表します。
各指標の簡単な説明はこんな感じ。
言語理解
言葉からの理解力や表現力、また言葉から想像するなどの推理力。
知覚推理
言葉以外の絵や図を見て、イメージしたり理解や作業をする能力。
ワーキングメモリー
一旦頭に止めた情報から、考えたり作業するための能力。
処理速度
いかに早く情報を理解し、処理できているか
結果はうちの場合、検査終了からすぐに、解説とともに受け取りました。
このテストの結果は、厳密な数字にこだわるのではなく、相対的な部分から得手不得手や個性を掴んでいくことにあるようです。

6歳娘の受検中の様子

実際、うちの場合はウィスク4の結果以前に、ここでの娘の態度や受け答えが、彼女の苦手や傾向をうかがえる状態で、もうなんかテスト結果を見なくても分かるような……。
そんな典型的な動きと、彼女の心理を垣間見ました。
やや問題に対して彼女の年齢が低いために、心理士さんが出題文を噛み砕いて説明してくださるのですが、それを“わからない”と少しでも感じたら、もう理解しようとする素振りもなくなってしまい、聞き流そうとしたりふざけて返そうとしてしまいます。
『こうしてればいいんだ』と自分で思い込んでしまうと、もう戻ってこれなくなってしまうので、など数回声を掛けてその度に意図を思い出させました。
これは君がステキな大人になれるようにするために、
君の分からないことを探すテストなんだ。

とか
今日の目的は先生のお話を聞いて、君が答えること。
それ以外に気を引こうとかしなくていい。

などです。
初回がやや難しく、戸惑ったせいか(出題の意味を理解するのに時間がかかった)、二回目は最初から斜に構えたような、集中する姿勢がない様子。ここでも数回、意図を思い出させることで何とか現実に引き戻して対応しました。

結果から見えたこと

娘の場合、知覚推理と処理速度が平均以上。ワーキングメモリーは平均。言語理解は平均より低くギリギリ境界域。トータルでFSIQは平均となりました。
噛み砕いて解説すれば、知覚推理と処理速度が高いので、ぱっと見たものや浮かんだことに関してすぐに処理できるものの、言葉からの情報には弱い。
という感じでしょうか。
娘の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性を強めてしまっている、独特な性質をそのままなぞったような結果です。
そして、これは心理士の先生にも指摘されましたが、結果がどうこう以前に、彼女は出題の意図が汲み取れず、一度曲解したものをなかなか修正できない所に問題が多々見られました。
今、わが家が彼女に対して感じている、違和感や不安の根本にあたる原因だと思っています。
視覚からの情報は、もう一度見ることで修正できるので、ある程度余裕があるが、言葉の場合は維持しておくことに必死なのでとらわれてしまう
聞いた言葉から情報を整理する部分に難があるわけですが、自分の頭に残っている音声データに集中しすぎて、聞き返したり修正を聞こうとできずにパニックを起こしている状態なのではないかと。
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の性質にある視覚優位は、言語情報よりも視覚での情報が通りやすかったり、言語からの説明は非常に苦手だったりとそれぞれの個人差があるものです。
しかし、娘の場合はそれに上乗せして、先入観にとらわれる傾向が強く、考えなおしが利かないという弱点があったということです。
確かに今まで言葉でのみの説明になってしまう場面で、余計な先入観や曲解を生まなかったケースでは、すんなりと飲み込むことができていました。
今回、WISC-Ⅳを受けるにあたって浮上した新たな課題はこんな感じでした。

【関連記事】

6歳:言語評価テストの結果│アスペルガーな娘

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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