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Category:軽度アスペルガーな長男

長男

小学1年生:自分からいじめの原因を作った仕組み│アスペルガー長男の特性

2014-06-26 Category:軽度アスペルガーな長男
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保育所の後半から思ってはいたが、どうも長男はふざけあっているうちに、冗談で叩き合いになり、最後は一方的にやられていることが多かった。本人はヘラヘラ笑っているし、相手も毎回違うが、おふざけで軽くやっているので、特にこちらも動くことはなかったが……。
小学校入学のその日も、彼はすでに隣の席の女の子から、おどけては叩かれてを繰り返し、やがて意味なく何度も叩かれ続けていた。元々明るい性格で、知らない土地でもすぐに友達に囲まれる特技があるのだが、この辺から何かが変わりだした。
遊んでいる時、彼の周りは常に何かしら乱暴な事が起きている。
本人は笑っていて規模も小さいのだが、【これは……?】と大人がみていると一瞬立ち止まるような、ギリギリの暴力が氾濫する。
本人にそれとなく聞いてみても、
友達いっぱいできた
友達と楽しく遊んでる
学校たのしい
などのポジティブな答えが返ってくるばかり。
しかしその一方で、彼の所持品の壊れていく頻度が、日に日に高くなっていた。
※記事中に自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性についてあげていますが、わが家の長男の特性でのことです。非常に個人差と範囲の広いことなので、こういった構造になることもあるとしてお読みください。また、ここにある特性に似ているからといってASDである根拠にはなりません。
■今だから分かること
二年生の中頃には、毎日小さなスリ傷やアザ、服などが汚れて擦り切れるなどの目に見える状態に悪化し、事態の解決に動くことになります。しかし、そのギリギリまで彼はそれを【いじめられている】とは感じておらず、問題にしていなかったために初動が遅れてしまいました。
彼の性質を考えれば早く動くべきだったのかもしれません。
しかし、逆に体も規模も小さくて済むこの時期に問題化したことは、ある意味で予防線や免疫作りには良かったのかもしれないと思うと複雑な気持ちになります。

遊びの目的がズレる

まず、環境が変わったり、同世代の子どもがいると調子に乗りやすく、テンションが振りきれて正常な判断がつかない興奮状態になる性質があげられます。大人や年上の子もしくは小さい子と遊んでいる場合は、穏やかにのびのびと遊んでいる事が多いのですが、同年代の子供同士で遊びだすと暴れる・口が悪くなるなどの行為に傾いていたようです。
興奮するにしたがい【どこまでやっていいんだろう?】と漠然としたモヤモヤに向かってしまい、本来の“楽しく遊びたい”と言う意図から、どこか自分の“自由”をただ突き詰めるような感覚に過集中していたのではないかと思われます。
大人や年上の子どもがいる場合は、この【どこまでやっていいんだろう?】や【なにをすればいいんだろう?】などの、彼の思考能力を奪う漠然とした目的意識に、一定の制限を与えてもらえます。逆に相手が幼い子の場合は、頭の中にあるいくつかの対応方法や、自分の遊んだ過去の経験があるので動けます。
彼が同年代の子以外の時に、安心したようにのびのび遊んでいたのは、そういった条件が整っていたからでしょう。
同年代の子との場合は、意図が“楽しく遊びたい”から、【どこまでやっていいんだろう?】などの自分では見えない境界線に向いてしまっているために、彼は遊んでいて肉体的・精神的に疲れても、満足を得ることはありません。悶々と『まだなにか足りない』『今日はおもしろくなかった』と認知のズレを蓄積していきました。
結果、【どこまでやっていいんだろう?】や【なにをすればいいんだろう?】を与えてくれない、同世代の子供同士の遊びの時、最初から足りなかった部分を埋めようと、無理やり騒ぐところからスタートしようとします。
これが第一の問題でした。
子ども同志の遊び、特に小学生ともなれば、口調や言葉遣いは荒くなりやすいものです。それは成長の過程で自分の社会的位置を確認したり、能力の高さを正しく自覚していくには必要なことだとも思っています。しかしそれらの強がりは、周りの雰囲気にあわせて自然発生し、状況に応じて強弱をつけていくものです。
無理やり騒ごうとしたり、テンションをあげようとした場合、まず変化が起きるのはこの【口調】でしょう。
“挑発・けしかけ・からかい・強がり”これらに偏りすぎれば、相手の反応にも偏りが生まれてきますし、行動もそれに沿ったものになるのは自然なことです。それが“闘いごっこ”や“叩き”を誘うことになっていた可能性が高い。
彼は知らず知らずのうちに、周囲の子どもの衝動性や暴力的な部分を刺激していたと考えられます。

裏側にある“小パニック”

毎度毎度元気よく他のことじゃれ合い、叩かれ蹴られてもマンガやアニメのようなリアクションを返して笑いを誘い、いつも誰かに囲まれている。
ぱっと見、コミュニケーション能力が高く、人気者で楽しく遊んでいるようにしか見えません。本人も“遊んでいる”ので、辛くは感じていないのです……その時は。
彼自身、本当に心から望んでそうしているのかといえば、恐らく違ったでしょう。
彼は単純に遊びに対して目的を見失い、【これさえやっていればいい】【こうしていたら“遊び”になる】と、自分の手の内を繰り返していたに過ぎません。
当時の担任の先生に様子を聞いた所、『教室では元気で人気者。みんなと楽しく遊んでいます』と言うものの、休み時間以外の移動教室や、何かしらの待機中などの空き時間の様子を聞くと『ひとりでボーっとしていることが多いです
意図を見失い、ひとつのやり方にとらわれて繰り返している時は、ほぼ高確率でなにかしらの不安を抱えている時なのは今までの経験からも分かっています。
実はこの頃、ほぼ毎日、学校にいる間は常に『小パニック』だったのではないかと。だから休み時間以外の【なにをすればいいんだろう?】の時は、恐らく離人症に似た、自分が小さくなったような閉塞感の中にいたのではないかと思われます。

自分の“嫌だ”が分からない

段々と周りが適応し始め、自分が挑発しなくても“いつも通りの関わり方”として、乱暴な行為を受けることが増え始めますが、彼はやはり笑っていました。
そんな事が続いていたある日、彼はスイミングスクールの帰りのバスから降りた時に泣きだしました。理由は“一緒に乗っていた、とある友達が叩いてきたから”とのこと。
私『その子にはどうして叩かれたの?』
長男『うーん、遊んでて戦いごっこみたいになって、みんなで叩き合ってた』
私『それ、君も相手を叩いてたってこと?』
長男『うーん、最初はちょっと。でもその後はみんながぼくを叩いてた……かな』
私『じゃあ、みんなに比べて、その子が強くぶったってこと?』
長男『いや……、特別ではないよ。でも嫌だった』
私『その子に叩かれるのだけが嫌だったの?』
長男『うーん、その時、嫌になった』
私『……それ、本当はもっと前から嫌だと思ってたのに、やっとそれに気がついたのがその時だったってだけじゃない?』
長男『………あ。そうかも!』
彼はこの時まで、自分が嫌だと感じていたことが分かっていませんでした。
よく分からない『胸のモヤモヤ』や『頭の中が乾いてチリつく』ようなものを感じていても、それが『叩かれて嫌だ』と理解できていなかったのです。
とはいえ、こういった遊び以外の生活では、ふだん思い違いやズレはあってもちゃんと【嫌だ】を言えていたのに、なぜこの場では言えなかったのか?
彼の特性や認知のクセから推測すると次のように考えられます。

・叩かれることに【嫌だ】を深層では感じているが、【遊んでいるうちのひとつ】と誤認していた。
・そもそも小パニック状態だったので【どこまでやっていいんだろう?】が感情より大きかった。

ではなぜこの時、急に嫌になったのか?
様々な要因が重なって、スルーできるほどの体力が残されていなかったか、あまり馴染みのない相手であったために余裕がなく刺激になってしまったなど、こちらの理由は些細なものだったと思われます。

本人の気持ちを待つ

完全解決は2年生の中頃になりますが、まだまだ幼い一年生のうちは、環境になれるだけでもいっぱいいっぱいだったので、問題になっている部分を確認するに留めました。
・楽しい気持ちになれるのは騒ぐことだけじゃない
・“戦いごっこ”に誘えば叩かれる。叩かれるのが嫌じゃない人はいない。
・叩かれてもふざけて痛がってたら止める人はいない
・毎回叩いていいなら、誰だって叩くようになる
・ルールがハッキリある遊びはだいたい安全
低年齢の子供同士の関係は、時に大人の手が必要になることがあります。
この時期の場合は規模的にも非常に微妙ですし、なにより本人が問題視していないことがあり、状況を見守ることとなりました。
こちらから動いても良いのですが、そうしてしまうと彼本人が【嫌だ】とハッキリ感じ、それを自分の中で感情を知るためのきっかけするというチャンスを奪う事にもなります。さらに今後の友だち関係の形成にもどこか自信を持てないままになるかもしれません。
放っておいても、自分でそのうち分かるだろう
いくつか認識のズレで躓いていたり、意図を理解できない時、彼にはこれが通用しません。これは彼の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)としての特性の一つです。
しかし、いきなり全てを教えても理解できるわけもないので、状況がそろい、自分の気持ちと合致しているであろう時に伝えるしかない時もあります。今回がまさしくそれで、彼はやはり自分の【嫌だ】を認識したり、表に出す事は考えていませんでした。
彼がどう感じてどうしたいと思うのか?
それを今後得ていくためにも自分の【嫌だ】を正しく認識し、自分から周りを観察しようとする姿勢を、この時はまだ待つ必要がありました。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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