ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

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手記

衝動対策以外にも有効な子どもへの鎮静方法【10秒ルール完全版】

2014-07-30 Category:手記
道路での飛び出しや、お店での駆けっこなど、様々な衝動対策として以前【抱きしめて、10秒ゆっくり数えさせる】方法をご紹介しました。
(※過去記事⇒子どもの衝動性(飛び出し防止・自制心強化)わが家の対策3つ
この方法は応用が利きやすく、単純な衝動性だけでなく幼児期の突発的な【思い込みからの混乱】や【グズグズかまってちゃん状態】にも有効な場合があります。これらの衝動や欲動の心理は、幼児期なら誰にでも起こりうるものですし、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)に限りません。
今回はイヤイヤ期の定型(いわゆるふつう)の次男にも効果が高かった、“衝動性対策”としての【10秒ルール】と、“欲動対策”としての【抱きしめる10秒】をまとめてみたいと思います。最初におことわりしておきますが、『子どもはとにかく抱きしめましょう』みたいな啓蒙ではなく、私の汗と血反吐にまみれた実践テクニックですのでご安心を……。

道路での飛び出し・買い物中の瞬間的行方不明

子どもに限らず、衝動の多くは非常に表面的なことが多く、実は心がそっちに奪われても10秒程度気をそらされると、けっこう簡単にしぼんでしまうものです(禁煙にも有効です)。
子どもの場合は特に衝動に駆られやすいタイミングが分かりやすいものです。パターンとしては
・車から降りた時
・公園や大きい広場についた時
・大型量販店などに入った時
・おもちゃ売り場に近づいた時
・家や敷地から出た瞬間
・人の多い場所や珍しい場所についた時
・大騒ぎした直後
などが衝動的に飛び出したり、タガが外れてしまう鉄板コースです。言葉で通じれば良いのですが、たいていは否定的な親の言葉に反応し、地団駄・雄叫び・床でとれたて鰹踊り状態になるのがありがちなパターンではないでしょうか(わが家のASD当事者の長男と娘の幼児期は、そこで癇癪こそ起こさないが、静かにパニックを起こしていて数日おかしくなった)。
これはふだんからも【10秒ルール】を習慣づけておくと、先回りした対策が取れるようになります。
【10秒ルール】のやり方
家の門から出る時や車から降りた時など、何かしら衝動的になりがちなタイミングの直前に、親の体に顔をうずめるようにして抱きつかせ、こちらもしっかり抱きとめながらゆっくり一緒に10秒数えます。その際カウントに合わせて、ゆっくりやや強めに、手のひらを背中に押し付けるようにしてポンポンすると効果的です(面積広めの強めポンポンは、ASDの感覚過敏な子にも嫌がられにくい)。
顔を親の体に埋めさせるのは、視覚情報を奪い親の匂いや、背中の感触に気を向けさせるためです(ほーら打算的)。
これを先に挙げたような【衝動に駆られやすいパターン】で、先回りして繰り返すと習慣化しやすく、そのうち【自分がそうされる状況】を理解し始めるので、徐々に衝動性にセーブを掛けられるようになっていきます。
具体的なタイミングは、
【公園の入り口に立った時にチラ見せしたらすぐ】【門を開ける直前】【車から降ろしたその時】【スーパーの入り口の脇で】【おもちゃ売り場に本人が気がついたら】などです。ちなみに大人の場合も目を閉じて額を10カウントに合わせてマッサージしながら、その感覚に集中するようにすると、ちょっとした衝動は流せることがあります。

『もっとしたかった!』などの欲求で癇癪

楽しませようと寄ったペットコーナーとか、ちょっと気晴らしに乗らせたブランコだとかの【もっと!】や、繊細なワレモノを扱っている売り場での【ぼくもわたしも】衝動など、キリがなかったり諦めて欲しい場面での鎮静方法です。
この場合は同じ10秒でも、ちょっと応用した【抱きしめる10秒】が有効なことがあります。
【抱きしめる10秒】のやり方
その場で視界を奪うように抱きしめ、顔を埋めさせて視覚情報を奪います。そしてゆっくりと10秒以上、そのテンポに合わせたような穏やかな口調で、『~~だからもう帰らなくちゃいけないんだよ』など、【今、止めることの意図】をしっかり説明します。
要は“止めさせられる・我慢させられる”事を感じ、そのメリットが何もないまま強要される状態から、その理由を【納得させる機会と時間を与える】ように変更するということです。
ふだんから“欲動対策”としての【10秒ルール】が浸透していると、より効果が発揮しやすくなります。我に返るとケロッとするタイプの場合は、時折最後の仕上げにくすぐるなどの変化を入れてみるのも、本人に軽い印象を付けられるのでお勧めです。

かまってちゃん状態

人がいっぱいいて、“人気にあてられた疲れ”や、自分以外に注意が向いているのが寂しくて、グズグズしてみたり困らせるような行動を取る場合です。
大きく分けて3パターンがあると思います。
A・気を引きたくてグズグズ
B・注目を浴びる欲求にとらわれている偽グズグズ
C・人見知りや疲れからのSOSグズグズ

【A・気を引きたくてグズグズ】

“あれして、これして”の手間を掛けさせるための要求が増えるパターンや、“イヤなことされた・イヤだった”などの告げ口同情釣りパターンなど、直接的に気を引くためのグズグズが続くパターンです。
【抱きしめる10秒】をしながら、シチュエーションごとに台詞を合わせて、その欲求をつく方法が効果的です。例えば【差し向かいで、ただ親の気が引きたい時=『そんな事しなくてもちゃんと見てるから大丈夫だよ』】や【来客中などに始めた時=『今大事なお話してるからね、ちゃんと君のことも見てるし、そんな事しなくても好きだから安心してね』】など、気を引きたくなった欲求の根源をハッキリ指摘するといい感じです。
また、これらの行動が間接的なもので、真の対象が他の人に向いている場合もあります。そんな時も台詞を変えて対応すると良いです。

【B・注目を浴びる欲求にとらわれている偽グズグズ】

本人が別で遊んだりできる環境が整っているにもかかわらず、ただただ【大人が構ってくれなかった】に心を奪われている場合は、癖になりやすいので注意が必要です。そういった意図が読み取れた場合には、【抱きしめる10秒】をしながら、『今、大人同士の難しい大事な話中だから、終わるまで遊んであげられないし、君が入ってくるとその分終わる時間が遅くなるよ。~~で楽しく遊んでて、そうしたらこっちも早く終わるから』などと説明すると効果的な場合があります。
ポイントは、【こちらが本人の目論見を把握していて、それが逆効果であることを教え、代替として良い提案を伝える】ことです。

【C・人見知りや疲れからのSOSグズグズ】

単純に電池切れです。大人しくなるようであれば10秒と言わず、ずっと視界を覆うようにして抱きつきさせておくのも手です。また、状況によっては別室に休ませるなど、感情的になる前に対処しておく方が素直に受け入れてもらえます。

まとめ

衝動も欲求も、自分から【10秒ルール】などの対処を求めてくるようになれば、かなり終わりが見えてきていると考えても良いと思います。衝動も欲求も「ふっ」と沸いてきてしまうものですが、それが激しい癇癪や“視点のとらわれ”になるかは、自分がどういう時にそんな気持ちになるかを把握しているかいないかで大きく変わってきます。
そういったタイミングに合わせて習慣化する事は、状況にも自分の気持ちにも気がつけず、ただただ突進しようとする反応にワンクッションおく訓練になります。そこから経験や親の言葉を思い出せるようになれば、自律ある思考の習慣につながる可能性があります。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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