テレビを見ている間、他が気になればすぐにどっかへ走って行く。
途中のCMで自分のおもちゃに似たものがあれば、すぐ駆け足で確認しにいく。戸棚の絵本が気になれば、すぐにそっちで開き、また放り捨ててテレビに戻る。
気がつけば、彼の周りは放置された物だらけ。
外食に出かけても、今度は他のお客さんやお店の人が気になる。気になりすぎて、ご飯を見ていないから食べられない。時間切れか、グズグズでアウトかが続く。そして最悪、変な飲み方してつっかえて吐く……。
また、食べられてもそっぽ向きながら食べようとするので、床に散らばる。倒す。落とす。
あまり酷いので、外食する時は彼を拭くだけでなく、お店を掃除する用のウェットティッシュを持ち歩いていた。
■今だから分かること
注意障害の一つで、今回の場合は『転動性』が現れている例です。
多動は『座っていてもモジモジそわそわ』『立っていてもクネクネきょろきょろ』とジっとせずに無駄な動作が多くなっていること。
転動は『注意がすぐにそれる』『他のことが気になっちゃう』こと。
多動と転動はADHDに多く、転動は広汎性発達障害に多く、アスペルガーにはあまり見られないとしているサイトも多いです。
うちの当事者の子どもふたりはアスペルガーですが、ガッチリその通りの分け方になるわけでなく、状況や環境により注意障害や衝動性なども散見されます。成長の段階ごと、行動性・社会性の部分でそれぞれ、ややひっかかる点があるのですが、その配分が社会性へのウェイトが大きく、またいくつかのポイントからASの診断がつきました。
私個人としては、あまり区分けにこだわらずに、行動・社会性として問題があれば対処し、教える方針であること。そしてうちの長男の場合、これらは保育所や小学校での授業やイベントなどでは、ほとんど起きずに集中できていることから、家庭内だけでの対応で済んでいました。
具体的には、
【放置だらけ・ひとつに集中できない】対策
『本』『おもちゃ』『ブロック・積み木』『テレビ・DVD』などでカテゴリー分け。
ひとつのカテゴリーを楽しんでいる時に他が気になった場合は、今遊んでいるものを片付けてから。
『本』『おもちゃ』『ブロック・積み木』『テレビ・DVD』などでカテゴリー分け。
ひとつのカテゴリーを楽しんでいる時に他が気になった場合は、今遊んでいるものを片付けてから。
『今は~~する時間』『今やること』を確認してから集中する。
これらを短期間に徹底。同時に
『テレビは今しかやらないから見逃すと二度と見れないよー』
『今開きっぱなしにしているのは本。本は大事にしないと頭良くならない』
『おもちゃは寂しがりやさんだから、遊んでない時はおともだちのいる家(箱)に帰りたがってる』
『今開きっぱなしにしているのは本。本は大事にしないと頭良くならない』
『おもちゃは寂しがりやさんだから、遊んでない時はおともだちのいる家(箱)に帰りたがってる』
など、ちょっと昭和な論法で認知への関連付けをアプローチ。
今触れているものへの注意・意識を強くする方法を試したところ、効果てきめんでした。
今触れているものへの注意・意識を強くする方法を試したところ、効果てきめんでした。
【人が気になって外食できない】対策
まず、普段から『やる時はやることをやる』のキーワード付けを行い、全体的な『切り替える感覚』を覚えてもらい、今は何する時間なのかを把握出来るようにしました。
まず、普段から『やる時はやることをやる』のキーワード付けを行い、全体的な『切り替える感覚』を覚えてもらい、今は何する時間なのかを把握出来るようにしました。
そして外食時は、入店前までに
『今からご飯を食べるだけ』
『店員さんや他の人とは遊べない』
『おまけのおもちゃは帰りの車の中で』
と、彼の注意が飛ぶ箇所を先回りで指摘。
『今からご飯を食べるだけ』
『店員さんや他の人とは遊べない』
『おまけのおもちゃは帰りの車の中で』
と、彼の注意が飛ぶ箇所を先回りで指摘。
この前置きをするかしないかで全く結果は違いました。
これらを繰り返すうちに、だんだんとお店でも集中して食べられるようになり、5歳の頃には、前置きなしで私とふたりきりで『人気のラーメン屋さんでごはん試験』を見事パス。現在は料理がメインで雰囲気を楽しむ所までいけています。
当時は『ちょっと厳しいかな……』と挫けそうになりましたが、一度ゆるめた時に長男は自制できなくなり、我に返った時に大きなショックを受けていました。これを見た時に奮起。
ちょっと昭和の匂いのするわが家の実践型SST(ソーシャルスキルトレーニング)を徹底しました。
ちょっと昭和の匂いのするわが家の実践型SST(ソーシャルスキルトレーニング)を徹底しました。
ちなみにまだ診断もついていない頃なのでSSTなんて言葉も知りませんでしたが、これらのトレーニングやキーワード付けが、その後のさまざまな場面で効果を発揮しています。
※注意障害の対処については、こちらのサイトで詳しく紹介されています。
⇒注意の転動が激しい子どもへの対処法│ペンギンくらぶ
⇒注意の転動が激しい子どもへの対処法│ペンギンくらぶ
※正しいSSTの分かりやすい例はこちらのサイトが詳しく紹介されています。
⇒SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)│ユースアドバイザー養成プログラム
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中の人
夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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