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手記

気がつくとケンカになっている│AS的口論のポイント

2014-12-02 Category:手記
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の当事者と会話をしていて、急に全てを否定されたり、無言になられてしまったりという事が時折あります。
関係性によっては、最初からこういった接し方であったり、その逆にひどく距離を置かれてしまうケースも。
今回は当事者と周囲の人の目線に合わせて、そうなってしまうポイントと、対処法をまとめて見たいと思います。

※この記事はズブズブの素人がまとめていますので、科学的根拠もありませんし、データとして信頼性のある人数からリサーチしたものでもありません。あくまで私の周囲という狭い範囲での記事です。
また、これに当てはまるからといって、ASDである事の根拠にはなりません。

いくつかのパターン

ケンカや口論になってしまったり、険悪なムード、またよそよそしくなってしまうなど、関係性が悪化しやすいのは、それぞれに特性・性質が絡んでいる気がします。
並べて上げれば、両極思考・自己評価低下・パワーゲーム思考・フラッシュバック・パニック・シングルタスク・シングルフォーカス・感覚過敏・不安症・離人症……などなど。
これらは様々な苦手や障害などから来ていて、そのひとつひとつへの対処と考えると難しくなりますが、【そういう時に何を感じているか】や【本当は何を問題にしていたのか】、また【それらはなぜ問題とされたのか】を拾っていくと、ASD当事者も周囲の人間も対処が取りやすくなる事があります。
人間関係悪化に関わる反応には、ざっくり分けて以下の5つに別れるのではないでしょうか。
ナチュラル型
正義感型
パワーゲーム型
自己防衛型

会話成立不安型

以下、それぞれの説明と対処法を挙げてみたいと思います。

ナチュラル型

悪意も何もなく、思ったことを口にした事で、相手がザックリと傷付き、その反論や感情的なやり返しにパニック。そこから他のパターンに派生していく初期的なパターンです。
悪意も何もないので、淡々と【なぜその手の事を言ってはいけなかったか】を解説されるとここで食い止められる可能性が高くなります。
行動様式と衝動対策などがそろうと、その一種類の言動は比較的短期間で表面化しなくなります。

正義感型

例えば何らかのジャンルの事柄や考えに対して、批判的な考えや印象を持っている場合。話している相手がそのジャンルを好んでいると分かると、否定的な事を言わずにはおれなくなる。また、相手がそのジャンルを好んでいなかったとしても、会話中にそれを口にされると、まるで相手がその申し子であるかの様に攻撃に出てしまうなどがあります。
また、相手が自分の強く愛着がある物事に対して、自分と比べて【やや知らない~不理解】であった場合にも起こる事があります。
【◯◯だからダメ】など論調は理論的ですが、相手との関係性や前後関係などを踏まえるなどは挟まないため、衝動的なタイプの行動カテゴリーと言えるかもしれません。
これらは仕事の進行や、集団での規則などでも起こる事があり、そこに応じないとなれば本気でぶつかったり、余計な捨て台詞を吐いてしまうので、今まで友好的な関係であっても、一転してその時だけ【敵】の様な状態になってしまいます。
このパターンは一度感情的になると使命感に駆られ、つい【これも言っておかなくちゃ!】と追撃をかけてしまう行動にも流れやすい気がします。
では、実際に相手を【敵】と認識しているかというとそうではなく、大抵は自らの定義や理論へのとらわれが強く、関係の上での立ち位置を見失っていて、相手の人間性批判や否定には陥っていません。
感覚的には相手がそこにいないが、自身のコンビネーションや戦略通りに動くシャドーボクシングのようなものです。現実の相手には関係性を踏まえた上での怒りなどは展開されていない事があります。
ここが相手が戸惑うポイントで、また本人が後で後悔しやすいパターンである様です。

パワーゲーム型

正義感型と方向性は似ていますが、自分がその物事に対し造詣が深いかどうかは問題ではなく、相手との会話に勝つことに集中してしまっている状態です。
無意識での覇権争いなので、言葉はキツくなりがちで、また論点をズラしたり、関連のない相手の非を持ち出したりも。
これは特定のレベルの人間関係をもつ層に対して起こる傾向があり、それぞれ依存相手・親密な相手・さほど重要でもないが共にいる相手・初対面など、性質によって偏りがあるように感じます。
自己評価を守るためであったり、相手からの否定を受けない様にするための行動とも取れますが、本人にその意識が無いことも多いのが特徴です。
正義感型と違い、後に自分の言動が記憶に残らなかったり、後悔が生まれにくい側面があります。

自己防衛型

何らかの困惑を抱えていて余裕が無かったり、相手からの提案などが理解しにくかった時など。急激に自己評価が下がり、それに対応するために否定的になったり、逆にその失敗で足場を失い、石のように固まってしまうなども。
その際、善悪の尺度などが両極端に偏ると、反応が強くなる傾向にある様です。
否定に出る場合は、何から自分を守っているかは明確ではないので、論点も移ろいやすくパワーゲーム型と似た言動になりがちですが、どちらかと言うと勝つ事より“その会話を終わらせる・視界から外させてない事にする”など、防衛のために行っている傾向があります。
固まってしまうタイプには、受動的に相手に合わせる事で社会性を保っているタイプもいて、その場合は合わせていた相手がふと【否定に聞こえる】言動をした事に反応していて、フリーズしている原因はそこでの会話の主題とは関係がなかったりもします。
ちなみに、否定的ではなくても、予想外の言葉や刺激の強い情報を得た時に、【あ】と今までの意識や思考が瞬間的に離れ、現実感を取り戻しにくくなっている場合もあるようです。
ここで周囲の人間が読み誤ると重くなりやすいのは、この防御は本人の自己保身や社会的ステータスなどの物理的・現実的なものではなく、認知のズレやオーバーワーク状態の自分の心を守るための、半ば本能的な動きであるということです。
物理的・現実的な保身と考えると、打算的な印象を持つことがあり、計画的意識的な行動のように思えてしまいますが、思考が一点集中もしくは満杯状態での退避行動とすると色々と状況が見やすくなります。

会話成立不安型

会話のルールが飲み込みにくくてストレスになり、イライラした口調や態度になってしまう。
相手の意見が嫌なのでも、相手が気に喰わないのでもなく、会話の運び方や、相手との会話の流れに合わせて自分の話をうまく伝えるなどの、ややこしい場面に苛立っています。
場合によってはこのイライラを、相手へのイライラと混同してしまったり、人と話すことでイラつく自分を責めることで自己評価が下がり、防御的な反応になっていることもあります。
また、騒音で聞き取りにくかったり、空調が効きすぎていて気になるなど、選択的集中のためにメモリを奪われ、無意識のうちに苛ついている場合もあります。

対策の考え方として

上記のパターンから外れると分かりにくくなるので、上記パターンにさらに行動カテゴリーを当てはめてみたいと思います。
ナチュラル型
⇒想定不足・衝動的
正義感型
⇒衝動的
パワーゲーム型
⇒衝動的・防衛的
自己防衛型
⇒防衛的

会話成立不安型
⇒想定不足・防衛的

ナチュラル型は“こういう時は口にしない”などの社会通念のルール付けが足りていない【想定不足】が考えられます。社会通念は定型発達者(いわゆるふつう)の場合、一度に認知できる範囲が広く、『1を聞いて10を知る』と言った認識の仕方が出来ます。それに対し自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の場合、『察して理解する』事は苦手です。
しかし、ひとつひとつを理解していくことで、『6を聞いて10を知る』といった具合に、経験と概念がつながる事で、そのジャンルを把握することが出来ます。
【衝動的】な部分は、反復とキーワード付けがポイントになります。反復は起こしてしまった後の事でも遡れますし、なるべくならその場で指摘され、『ああ、この事か』となると理解が速いようです。
キーワード付は感情が高ぶっている時にも思い出しやすいように、明瞭で簡素、語呂のいいものや強い印象のある言葉にすると可能性が上がります。
例えば人の趣味趣向に対して、自分の意見を通そうとしてしまう時や、立場を忘れて強い指摘をし易い場合には【人を正せる立場じゃない】とか【人を否定する権利はない】などをキーワードとして、頭のなかでつぶやけるように訓練する方法があります。
パワーゲーム型や自己防衛型に共通する【防衛的】な行動は、そこにある事実の良し悪しや状況の悪さと言うより、それを理解・受け入れられない自責から、自己評価を守る行動とも取れます。
特に強くなるのは、“何を感じているか・本当は何を問題にしていたのか・それらはなぜ問題とされたのか”が自身の中で明確で無い時です。
“分からない”が不安に変化し、しかし、自分が何に対して“分からない”となっているかが“分からない”など重なることで、強い不安症状やストレス対応に出ているのかも知れません。
今のところ私の周囲では、このタイプは【何を不安に感じたのか・どんな時に不安が湧いていたか】を、本人に理解してもらい、周囲はなるべくそうならないように、クローズドな会話運びを心がけてもらったり、“1話題1テーマ”と一つ一つの会話を明確に切るなどの工夫で改善が見られました。
環境や個性にもよるでしょうが、一定期間続けると、会話に対してリラックスを見せるなど、一度不安の矛先を認識し実感すると和らぐ傾向があるようです。
会話成立不安型は、例えば『話しながらだと考えがまとまりにくい質だから、ちょっと5分位まとめて話していい? その後じっくりそっちの話を聞かせてよ』とか、『ひと通りこちらの話をまず聞いてくれる? 話しながらだとブレそうで……』など、小刻みで論点が流れやすいキャッチボールを大局的な流れに変える工夫などが考えられます。
分かりにくい会話のルールに合わせて行くより、無理の無いルールを選んで相手に理解してもらう方が速い場合があります。ナチュラル型の【想定不足型】の対応と同じく、明確なルールや法則を押さえておいて、パターン化するなどの方法があります。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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