ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:軽度アスペルガーな長男

長男

小学3年生:否定に敏感過ぎる│アスペな長男のふとした自信喪失

2014-12-03 Category:軽度アスペルガーな長男
とある夕方、長男が学校から帰り、自分でお湯を沸かしておやつのカップ麺を食べた(茶碗に味付き麺を入れてお湯を注ぐタイプ)。最近、妻から一人でのガスレンジの使用を許可されたのだ(今までも親がいる時なら、ハムエッグ程度は作っていたが、一人ではガスレンジの使用はさせていなかった)。
私がリビングに顔を出した時はすでに、彼が食器をキッチンカウンターの上にかたづけ、宿題の準備に差し掛かった所だった。部屋にはカップ麺の香ばしい匂いが薄っすらと漂っている。
長男『お父さん、この家でね、お父さんとお母さんと、あともうひとり、お湯をわかせる人間があらわれたんだよ……』
私『……ほほう?』
長男『それはね……』
私『それは……?』
長男『ぼくだよっ!(エコー含)』
驚愕に打ち震えるリアクションを放ち、笑い合う。上機嫌になる息子。
私『それは凄いな。うん、もうしっかりしてるし、火を使うのも大丈夫だろ』
長男『えへへへ……』
私『うん、あ、そうそう。ついでに、こういう匂いの強いのを食べたあとは、シンクに置いて、水を少しかけておいてくれると助かるな』
長男『……え、ああ、そうかぁ、ごめんなさい』
ややテンションが下がる長男。本人はそのまま宿題の準備を始めるが、表情に極わずかな【硬さ】が伺える。4~5歳の頃ならフリーズを起こしていたであろう独特な空気が彼の周りに立ち込めていた。
■今だから分かること
この時、彼が感じていた感情は、【もっとほめて欲しかったのに、もっとやらなきゃいけないの?】だったのか、それとも【それをやってなかった!】だったのか、がポイントだと思います。
この二つは似ているようで、少し着地点が異なると考えています。

もっとやらなきゃいけないの?

これは娘によく見られた反応で、同じく自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)としての特性を持つ妻も、初期の頃は同様なとらえ方や言動がありました。この方法で安心できると思った矢先に、その道はまだ進む先があると分かると、急に打ちひしがれたり絶望してしまう傾向があったのです。
すでに何らかの不安に、揺らいでいる時に目に入った方法であったり、思いついて飛びついた方法の時に起こりやすく、また、自分の意見に対して【失敗することもある】などの“あそび”がなくなっている場合が多いのが特徴でした。
この時の感覚はどちらかと言うと、今まで自分がやった事まで、まるごと否定されているような状態に近いものがあります。また相手に否定されて恨むという反応よりも、できなかった自分への自己評価の低下から、感情が揺さぶられている様子があります。
そして状況判断が難しくなり、今まで出来ていた事自体が、難しくゴールの見えない難問に錯覚していきます。
これは、出来なかった事への【困惑】と言えるのではないでしょうか。

それをやってなかった!

初めて聞いたやり方やコツなど、注意されたわけでもなければ、間違っていたわけでもないのに強い自責を感じてしまう時があるようです。この時も【もっとやらなきゃいけないの?】の時と同じように、まるで全てがダメだったかのような不安感を感じている傾向があります。
これらは本当に“ふとした時”に起こるようで、その前後のやりとりや人間関係などは、その状況が悪ければ増幅させるケースが多いようです。ASDの特性として、心理状態により【どこまで】などの境界線を見失い、“0か100か”や“全か無か”などの極端な思考にジャンプしてしまう部分も影響しているかもしれません。
“ふとした時”の確率が上がるのは、悩んでいるという程でもないが、決着のついていない先送り課題が脳裏にある時など、何らかの課題が完全に凍結し切れておらず、知らず知らずに余裕を奪われている時に起こりやすい様です。
つまり、軽いパニック状態などであれば、これに陥る可能性は非常に高くなる事が多く、その想定もある程度出来るようになります。
これは、出来なかった事への【自責】と言えるのではないでしょうか。

この時の対処と流れ

『ごめんなさい』と言っているあたりは、【自責】に近いと感じられたので、【それをやってなかった!】のタイプだろうと思い、その方向でつついてみました。ダラダラ長いですが、その時の流れをまずはダラっと
私『あー、“悪い事した”気になっちゃってない? どうしてやらなかったんだろうって』
長男『あ……うん。ぼく、やらなかったから』
私『例えば君、ポ◯モン好きだけど、初めからモンスターボールで捕まえる方法を知っていたっけ?』
長男『……いや、わっかんなかった。お父さんに教えてもらって分かった』
私『あの時、お父さんも知らなかったんだよ、やったことなかったから。でも、説明書を読んでやり方を知ったから出来た。君も教えてもらって分かったからやり方を知ったし、今じゃ考えなくても出来るでしょ?』
長男『うん。かんたんだもん』
私『じゃあ、知らなかった事を教えられた時は、“悪い事した”にはならないんじゃない?』
長男『ああ、そうか。そうだね』
私『それにさ、教える方も“出来てないのが悪い”なんて思ってなくて、自分の周りに同じく出来る人が増えたら助かるから教えるんだよ』
長男『たすかるの?』
私『だって、みんな自分の力で出来るようになるし、逆に自分ができなかった時にかわりにやってくれる人が出来るでしょ? モンスターボールだってお父さんが毎回代わりにやってたんじゃ面倒……ゲフン、大変じゃない。君だって次男に毎回変形ロボットの変形をやってって言われたら大変だろ?』
長男『ああ……、うん、あれか……』
私『本当に嫌だったんだな……。まあ、いいや。それ次男が憶えてくれたら助からない?』
長男『うん、助かる!』
私『だね。ちなみに、さっき君が知った“匂いの強いのを食べたあとは~”って奴は、それをやると母さんが喜ぶ』
長男『えっ、そうなの?』
私『だって、温かい物を食べた後って匂いがなかなか取れないし、乾きやすいから器にこびりついて洗う時に大変なんだよ。だから、君が器に水をかけておくことを知ってくれると助かる人がいるんだ』
……と、こんな感じで話し、結果的に次回も意識的に行動をとってくれるようになりました。おそらく少し前の私では、この彼のショックが分からず、フォローは出来なかったでしょう。そして、彼も次から自分でカップ麺を作ることに、躊躇するようになっていたと思われます。
(実際、こういうやりとりでのズレで、急に彼が手を出さなくなった物が幼いころは多かった)

要約すれば

知らなかった事を教えられた時は、“悪い事した”にはならない
教える方も“出来てないのが悪い”なんて思ってなくて、自分の周りに同じく出来る人が増えたら助かるから教える
という概念を身近な物事や、実際にあったやりとりなどから分かりやすい物を切り取り、引き合いに出した形です。
“ふとした時の自信喪失”は、周りからのフォローの力が大きく、かつ、意図を正確に理解することで消える事が多いのも特徴かもしれません。

【もっとやらなきゃいけないの?】への対応

これは娘も妻も、同様に不安定になりがちだった初期の頃に多くありました。これらは生活で触れる物の中で、【何となく分からない事がある】物を出来る限りハッキリと理解し、またそれに関わる立ち位置などを理解した時に、自然と減っていきました。
分からない事から生まれる不安と、理解できない自分への自己評価の低下がごちゃまぜになりやすく、例え小さな“分からない”でも、直接自己評価の低下につながっていたため、自分がどこまで頑張ればいいのか見失っていたのかもしれません。
【それをやってなかった!】時と比べ、一つの知識や概念で超えるというより、これらの概念が重なっていき、メモリの確保が可能になった時、段階的に余裕を得ていく感触があります。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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