ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

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手記

乗り越えても元に戻る・良い時悪い時の波│アスペルガーとAC的な部分

2014-10-23 Category:手記
─── とらえ方のズレや自己評価を下げてしまう考え方など、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)に関わる特性の部分や、本人の特質の影響による部分を確認し、そこにぶつかりやすい物事や環境などを、構造化して整理して乗り越える。そうして普段から不安を抱えていたり、静かに追い詰められていた要素を減らしていく事で、実際の出来事と自分とのつながりに余裕を持って生活をすることが出来るようになる ───。
これは今まで、わが家の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者3人に共通してきた、安定した時間を獲得するパターンです。
こうした流れではなく単に問題のみに対応してクリアした場合、その後、結構な確率で【違う問題】もしくは、【乗り越えたはずの物と同系統の問題】に直面したり、つかみ所のない不安定感が現れる事があります。この流れも3人共通でしたが、特に娘はこれが強く表面化していて、その原因が分からないうちは非常に困惑しました。乗り越えられたと思った矢先なだけにショックも大きいのですが、それは本人も同様で、場合によっては自責から一時に頑なになってしまう事もありました。
余計な事をしてしまったのかもしれない
やっぱり分かってもらえないのだろうか

結局、ただの波みたいなものだったのか

わが家ではこの連続が、お互いに“次へ向かう気力”を消耗させる一番の要因となっていた気がします。
今回は彼らが何かしらの不安定やハードルを越えた後に起こる、ぶり返しの様な波のパターンの裏側についてまとめてみたいと思います。私自身はこのパターンが理解できたことで消耗が激減しましたし、お互いにこの流れを利用することも可能になりました。

問題が表面化している時

全体のパターンを抑えるために、まず何を持って【問題】となるかです。大人であれ子どもであれ、定型であれASDであれ、複数人の人間からなる社会があれば、そこには何かしら個性差による摩擦は起こるものです。ただ、各人間の特性やメンバーの組み合わせにより、問題化するしない・長期化重篤化のするしないは大きく変わります。
ASD当事者と家族との特性差として起こりがちな問題とすれば、以下のようになるのかもしれません。
ASD当事者の特性や認識にズレや極端なとらえ方があり、またそこに対峙した時の反応も極端な表現や言葉足らずになりがちで、【お互いに何がズレているのか分からないまま、険悪な時間だけが増える】ことです。
特にここで『分かっているものだろう』という依存関係があり、どちらかが引き過ぎているもしくは、お互いに引こうとしないなどの状態が起こると、問題そのものはおろか、【なぜ摩擦に至ったか】まで手付かずのままになります。
そうすることでASD当事者側に『この関わり方で良い』や『未解決になったから、こういうことは苦手だ』という前例となったり、関係性そのものに対して自信をなくしかねません。こうした中でさらに当事者本人の余裕を奪ってしまうのが“0か100か・全か無か”などの【両極思考】というASDの特性です。
状況に対し必要以上に自分を責めたり、関わる問題を大きな問題としてしまったり、依存関係がある場合に理解されないことでの憤りを膨らませることがあります。
同時に問題を長期化させやすいのが、ASDのもう一つの特性と言われる“話の前後関係が分からない”などの【表層思考】です。場合によっては問題の原因がその前段階の些細なもの(例えば騒音が気になっていて説明が理解できなかっただけ)だっただけなのに、家族や近しい人とぶつかってしまった事で、その相手との関係にまで“憤り”を持ったと極端に錯覚してしまうことです。
相手に感じた不快感が関係の全てになり、それに対して次から問題が起こる度に、極端に攻撃的になってしまったり、逆に相手に合わせ切る事で問題を無かったことにしようとしてしまうケースがあります。
もしかしたら、これが時折、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者に見られる、自らAC(アダルトチルドレン)に陥る様に見える流れなのかもしれません。
実はぶり返しが起こる根本的な原因は、問題が発生している時期に、このAC的な構え方をする事で問題そのものはもちろん、結果的にそこでの人間関係の解決も棚上げした状態で、ただ自身の憤りに対応しているためだったりすることがあります。

問題終了後の一時的安定

問題が解決されると、目の前の“憤り”の原因がなくなるので、構える必要もなくなり下がっていた自己評価も徐々に回復していきます。今まで肩に力が入っていた分、本人の気持ちも軽く、あっさりと機嫌が良くなることがあります。【軽い時間】です。
これは特にわが家では娘に強く表れていて、急に躁に近い【やる気に溢れ、睡眠もあさくなり、自分が最も正しいかの様になる】と言った状態になるまで気分を高揚させます。彼女が幼い頃から、依存相手である私に見せていた【いつも緊張状態なのに、ある日からいきなりベタベタモード】の一端はここにあったと思います。
そしてこの【軽い時間】は、ある一定期間を経過すると自己評価が上がるために、AC的な憤り対応が消えて自分の想いへの積極性が出てきます。この時に起こりがちなのが、積極性とともにこだわりやとらわれ、衝動性などの普段本人の対応によって抑えられている特性の部分が強調気味に出てくることです。
この特性の放出が後の問題の再燃や、同系統の問題の発生の引き金になっている気がします。

流れを止める・利用する

ここまでの流れを簡単に要約すると
1:問題の原因をお互い理解しないまま衝突
2:問題と原因の因果関係が一致しないため困惑
3:不安感や憤りを守るためAC的防御態勢
4:問題のみ解決
5:AC的部分も解け引いていた部分が出る

6:問題の再燃または新たな発生

という事になりますが、1で問題に気がつけることはまず難しいので、2の段階での反応や受け答えを蓄積していく必要があります。その問題に対して衝突しようとしてのはなぜか? それはもしかしたら【いつ・どこで・何を・どこまで・何のために・どれくらいまで】など、取り組む物事に対して困惑しないようにする指針がなかっただけかも知れませんし、日中にあった全く違う問題に無意識のうちに引っかかっていて、会話に余裕が残されていなかったのかもしれません。
無意識と言われるとどうしようもない様な気がしてしまいますが、こういった本人が気にしてしまうことは、個々性としての方向性があったりします。本人が自身の特性と向きあおうとする姿勢が必要にはなりますが、こういう場合も【自分はこういう物事に対して、思考力を取られやすい】と自覚したり、今までの自分の過去の言動とつなげて認識することで、立ち止まるパターンを構築することができます。
3があまりに強い時は時としてその時の言動に意識がなく、本人に自覚がないこともあります。自己の存在を守るための反応ですから、逃げや悪気があると考えるのではなく、【そうなる程に守ろうとした自己評価は、何から守ろうとしていたのか】や【守らなければどうなると思ったのか】を見つけるチャンスであると考えた方が賢明ではあります(状況によってはなかなか難しいのですが)。
こうしたAC的な防御機構がなぜ働いているのかを元に、反応するポイントを見つけるスタンスに立っていると、反応が大きいだけにヒントは思いの外あったりします。
問題のみのクリアで対応していると、お互いに進んだ実感が無いので余計に苦しくなりがちですが、こうしてその場で解決に至らなくても、次回から問題に対してもう一段階の手が打てるようになります。
もしかして、~~になるのが嫌だって思ってる?
ああ、だからこの問題が嫌に感じたんだね?
など、問題に向けて抵抗感を持っていた部分への理解を示す段階です。
よくアスペルガー症候群や発達障害などの手引書や啓蒙書などで、『特性を理解する事が快方への近道です』といった表現がありますが、こういった部分では正にその通りだと思います。
当人が何の理由で嫌だと感じているか分からない問題に対して、大事な人との衝突が発生し、本当の理由が分からないまま精神状態の低下を本能的に守る使命感に追われていたら、それは苦痛以外のなにものでもないでしょう。
時折、特性として他との衝突を繰り返してしまう方に対し、『それだけ発散してればストレスもないだろう』といった感想を持つ方がいますが、本人はその時、本当に苦痛なのです。ただ、それを周囲が理解する義務はありませんし、周囲に強く当たることを容認されることではありません。
問題の解決に際して、問題をなくすことのみであれば、ただタブーが増えるばかりで窮屈になることは社会でもよくありがちです。問題の解決には、原因や要素を検証する時間に重きを置く方が、新しいものを生み出せる可能性があると考えれば、当然挑戦する回数は増えますし成功確率も上がります。
根気や愛情といった曖昧なものよりも、こういう考えの方がお互い“重くない”流れを作れる気がします。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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