ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
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手記

依存・受動傾向でのフリーズとASD的な失感情症(アレキシサイミア)

2014-09-01 Category:手記
わが家の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の当事者3人には、自分の気持ちを言葉に出来なかったり、気持ちに気がつく事が出来ないなど、失感情症(アレキシサイミア)のような特徴があります。
実はこの失感情症的な特性が、人間関係やストレス対応に様々な問題を作り出していたりします。
今回は受動的で愛着や依存傾向が見られる、わが家のASD当事者の失感情症的な反応と傾向、対策をまとめてみたいと思います。

外ではほとんど問題がない

基本的には相手の出方や、リアクションに合わせての言動に偏るため、周囲とは目立った摩擦は起きません。むしろ、『優しい』とか『空気読める』『しっかりしてて落ち着いてる』『感じがいい』と、評価が高かったりもします(一定距離を超えると問題が発生するが……)。
しかし、表現すべき自分の気持ちを、相手に合わせているために、知らず知らずに憤りを溜めていたりすることが見受けられます。また、否定的・反発的な行動がないため、起きる問題は少なくても、自分の境界線を引けずに無理していたりするので、ある日急にパニックに陥ったりすることも。
外で溜めたフラストレーションは、愛着・依存がある相手やそれに近い人物には、時に強くぶつけて来ることがあります。信頼し切って、預け切っている相手が、思い通りにしてくれない時や、自分の気持ちを分かってくれない時です。
溜めた分は家で表面化させることが多いので、帰って来るなり不安定だったり、それ以上合わせる体力がなくてフリーズしていたりも。
今思えば上二人の子達に見られた、夕方の長引く黄昏泣きなどの背景にはこういったものもあったかもしれません。
わが家の場合は、この【自分の気持ちを分かってくれない】がしばしば非常に大きな着火原因になりました。
なぜならその【自分の気持ち】とやらを彼ら自身が把握していないからです。これだとどんなにこちらが合わせてみようとしても、解答がないために泥沼化していきました。

依存相手への緊張

わが家のASD当事者3人によく起こり、最も関係性の悪化・長期化したパターンは、本人のパニックや失敗から始まる、依存相手へのフリーズに陥った時です。これはこちらが怒ったかどうかによらず、自身で【やってしまった】となった瞬間から、こちらの気持ちは抜きに【怒っている】と飛躍して急発進してしまいます。
そいった事情はうかがい知ることは出来ないため、こちらからは失敗を引きずり、顔色を伺いながら必要以上に評価を気にしている様な、オドオドした反応にしか見えないなど、毎回同じ固まった状態に陥ってしまいます。
この間はどんな言葉をかけても、どんな対応をしても効果は薄く、何らかのきっかけがなければ、解決にいたることはほとんどありませんでした。それが最悪数ヶ月も続くと、今までの関係性から大きく自信が揺らいでしまいます。
では、実際にこういった時に彼らがクヨクヨとループしていたのかと言えばそうではありません。
彼らは『ああ、〜〜をしてしまった。どうすればいいのだろう』や、『まだ、怒っているのではないか』『今度は上手くできるだろうか』など、こちらと『上手く合わせる手がかりを失った』事での倒錯です。実際は思考する先を定められていないために、ほぼ思考停止していて、過去の解答例を繰り返し口にするだけに陥ったりします。

依存を形作る失感情的特性

普段は考える必要もないほど上手に人に合わせられていても、依存相手には【合わせる】と言う形で、自己評価・正解・自分の気持ちなど、【自分】を預けてしまっているので、余計に自分のその時に感じている気持ちが分からなくなってしまうのです。
この関わり方は、こちらとの友好関係や繋がりを、彼らが大切に感じてくれているからこその『衝突を避けた、継続寄りな思考方法』とも言えます。しかし、ここで自分の気持ちを理解出来ないと、何がズレているのかを見失い、【最も関係性が見えなくなる】ドツボにはまる危険性をはらんでいます。さらに自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者としての、相手の【真顔が苦手】だったり、【否定的な事が苦手】な特性があるために、こちらが【怒った】という事実が一度でもそこに発生してしまうと(本人の取り違いも含む)、一発で大きな動揺を生み出してしまい、より事態は難しくなってしまいます。
常に失感情的なのかと言えばそうではなく、特定の条件下で自分の気持ちを見失うのは、相手の出方に合わせる受動的な姿勢が大きいのかもしれません。

依存相手に固まるメカニズム

なぜ、愛着・依存するほどの相手に、わざわざ関係性を壊す様な、極端なフリーズを繰り返すパターンを作るのか、最初は全く分かりませんでした。しかし、繰り返し気持ちを聞いてみたり、他でのパニックへの対策を続けるうちに、ある仮定が浮かびました。
【相手に合わせる事に特化し過ぎて、“どうしたい”がないからパニックを起こしている】
人の気持ちを汲もうとしたり、想像することはある程度できるので、ふだん合わせることはできます。しかし、相手の合わせるべき場所を見失ったらどうでしょうか。思考はそこで止まり、原因となった問題発生から時が止まる様な状態になるのではないかと考えたのです。
一般的に多くの場合、問題が起きて相手と摩擦が生まれた時に必要なのは、【相手とどうなりたいか】という自分の目的意識が必要となります。相手が見えない時こそ、自分が相手とどうなりたいかという、自発的な働きかけがないと進まない状況になります。
しかし、この目的意識にも【あの失敗をしたのが恥ずかしい】とか、【出来なくて悔しい】などの、自分の気持ちがなければ立ち位置すら浮かばないのではないでしょうか。
【自分の気持ちが分からない】事と、【相手の出方に合わせる】という姿勢に偏りがある場合、いつまでも“問題と相手の悪感情”という、忌むべき事柄にとらわれるパターンになっているのではないかと。

わが家での対策

完成形とは言えないかもしれませんが、わが家では上記のような【相手に合わせ過ぎているからのパニック】に対しては、まず次のような対策をとりました。
⇒状況を把握させるステップ
・【なぜそれが問題なのか】【どうしてそうなるのか】【どうすれば回避できるか】を完全に理解するまで説明し切る
・説明後、紙に【何をして・何が起こり・どうなっているか】と、【どうすればいいのか】を自分の言葉で分かりやすくなるまで何度も書かせる
⇒自分の気持ちを知るための練習
1:毎日【よかったこと/わるかったこと】の二極の一行日記を書く
2:見た後は前日~数日分を振り返るために読み返す
パニックを起こさせない訓練や対策と合わせて、【“わわわわわ”ってならないように・なってもリカバー出来るように】という目的も毎度伝えながら、気長に気楽に続けています。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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