ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

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手記

受身な態度・問題への積極性がなくなる要因│受動型AS的な反応様式

2014-09-10 Category:手記
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の当事者に限らず、物事に対してどうしても受動的になってしまう人は、けっこういるのではないでしょうか。
またわが家のASD当事者の中でも、娘はどちらかと言うと物事に対しては積極奇異型な傾向が強いのですが、自分の身の振り方や意識改革の必要性が少しでも臭うと、突如他人事のように構えたり、ふっと気配を消すような消極的な一面も持っています。その消極的になる時の反応は、妻や長男にも非常に似ている所があります。
そして、この時に戸惑ったり、フリーズしたり癇癪を起こしている事が多いようです。
そういった彼らの受け取り方や思考を見ていて、人が消極的になる時の仕組みの一部分が、見えてきた気がします。今回はこの一見【受動的】と見られる反応を示すときのパターンと、そうなる時の心理をまとめてみたいと思います。

問題意識がない・答えを出さない

よくあるのが明らかに不便であったり、失敗に繋がりやすいやり方をしていて、実際に問題に繋がったりしているのにやり方を見直そうとはしない事。また、どうすれば改善できるのか分かっているにも関わらず、それ以上自発的に修正をかけていく事をしないなど。
周囲から見ると物事に対する意欲が欠けているように取れたり、自分の手元しか見られていない様な視界の狭さを感じたりもします。場合によっては極度の面倒くさがりとか、自分本位の進め方だと思われることもあるかもしれません。
この時本当に彼らは問題に気がついていないのでしょうか? 
それとも自分から進んで変化していく気がない?
もちろん本当に気がついていないこともあるでしょうし、変化を恐れている時もあるでしょう。ただ、わが家の自閉症スペクトラム当事者の3人を見ている限りでは、本当の意味でただただ受動的であったり、自分本位であるとは思えない一面を感じていました。
実は“問題”の存在に気が付いていて、そこに意識を向けているが、それは的確に問題そのものを見ているのではなく、そこに絡む周辺環境に“厄介なもの”を感じて立ち止まっている。
……という、予感の様なものです。“予感”としたのは、彼ら自身もそれに気がついていないことが多く、いざそこに目を向けようとすると、自分自身への不理解に気が付き動揺してしまうので、裏付けの取りようがなかったからです。

問題に対する視点の違い

例えば少し前の妻の場合、子どもが問題行動を起こした時には、ほぼ確実に動きませんでした。特に動かなくなるのは私がそこに居合わせた場合です。その時の妻はたいてい何を考えていたのか、どうして子どもに何も声を掛けなかったのか、自覚がありませんでした。本人曰く、“フリーズとまではいかないが、ふと気がつくと自分がそこにいない感じだった”とのこと。意識の薄い離人状態です。
当時はこれが何故起きているのか、全く分かりませんでした。しかし、その他の様々な特性や認知のズレを直していった結果、純粋な視点の違いが残りました。
彼女は起こっていた問題そのものに対して、感情を抱いていなかったのです。
正確に言うと、問題が起こった時に“こんな事になって困ったな、なんとかしたいな”と直接問題そのものに意識を向けず、“問題が起こってしまった。ちゃんと自分は動けなかった。なぜ”と、自己評価に意識を集中させていました。
この思考経路がどう影響するかというと
人を怒らせてしまった場合
『怒らせてしまった、許してもらわなきゃ』と直接的に動けず、『私は怒らせる失敗をしてしまった』となり、その事実に呑まれてショック状態や感情的な状態に。
子どもの問題行動を見た時
『それはイヤだな。止めて欲しいな』と直接考えず、『どうしてこういうことするんだろう。何を考えているのかな』や『こんな時、どんな説明をすればいいんだろう』など、自分の納得を待つ状態に。結果、様子見の時間が長引き、考えている気にはなるが動いてはいない。
仕事や人生観で行き詰まった時
『これは困った。なんとかしたい』と直接考えず、『私はこれが出来ない』となり、その周辺に関連する問題に目を向けようとしてしまう。
など、“問題を気にしているが、問題からズレた所を見ている”状態になります。そして、さらに問題から意識を遠くさせていたのは、【近くに自分を評価できる人物がいる時】です。問題に対してではなく、問題に関わっている自分の評価に目が移っているわけですから、そのジャッジを下せる人間が近くにいれば、問題どころの騒ぎではなくなります。
ここで取り繕えば感情的になりやすく、ここで萎縮すればフリーズです。
根本的な原因は【まず問題自体に目を向けられない】事になります。問題を受けて“はっ”とした時、【自分の評価】へ移行してしまう。こちらの方が表面的に大きな要素となるので間違えやすいのですが、これは依存や受動的な態度を助長する要素でしかありません。
こちらが“ここが問題だ”と分かっていることでも、そこに目を向けながら問題意識が違う所に向いているために、回りくどい“ひと含みあるかのように”見えるなど、お互い特に答え合わせをしないからこそのズレが存在しています。

具体的な対策

以前、過去記事にも書きましたが、【嬉しかったこと・嫌だったこと日記】で、自分の感情や気持ちの傾向を知ることが、まず基礎的な部分を整えていたと思います。
※過去記事⇒依存・受動傾向でのフリーズとASD的な失感情症(アレキシサイミア)
それらの傾向を掴んだ所で、本人も思い出しやすい過去の失敗例や陥りそうな例を元に、その時に“直接的に問題を見るとしたら、どう感じるはずだったのか”をシミュレートしました。
例えば
他に気になっている事があって、仕事が遅れてしまい、相手が怒りだした時の直接的な嫌な問題は?

(答え:まず相手が怒っていること。怒っていることが嫌だと思うこと。鎮め、代替案を出す。自分の失敗はその後に説明でよい。相手は遅れた理由よりも、実質的な被害と不快感で問題にしている)

子どもがご近所さんに失礼なことをしている。相手は怒ってはいないが迷惑そう。直接的な嫌な問題は?

(答え:子どもがご近所さんを不快にさせていること。一見ご近所さんの迷惑そうな顔が嫌なことだが、直接的に嫌なことを生んでいるのは子どもの無礼行為)

親しい人を怒らせてしまった。一度あやまりはしたが、相手の不機嫌は収まっていないようだ。会話が続かない。直接的な嫌な問題は?

(答え:相手がまだ不機嫌であること。ここで会話を続けることに目を向けると暗礁に乗り上げることが多い)

などなど、過去にあった問題をアレンジしてみたり、2~3の要素を織り交ぜながら、最もシンプルに問題を見つける練習をしました。最初の頃はどうしても“自己評価”にからめて考えるので、原因や気まずい部分に目が向いがちですが、それほど時間もかからずクリア出来るようになりました。
まだ明確に実施はしていませんが、子どもの場合はもっと単純に【Aくんに叩かれて泣いちゃった。何が嫌?】など、“~~に~~されて~~になった”の文法でクイズ形式で出すと良いかもしれません。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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