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手記

正しい事は言えるが行動には移さない│自閉症スペクトラムの認知対策

2014-08-26 Category:手記
わが家の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の当事者3人に共通している事があります。それは【なぜ失敗するかの原因を言えるのに、同じ問題に毎回つまづくパターン】です。
時折、このパターンを短期間で繰り返しすぎて、今までは特に問題にしていなかったのに、完全にフリーズするまで深みに嵌まり、身動きがとれなくなっていることがあるようです。ここには大きく分けて3つのパターンが見られました。
今回は彼らに起こっているその状況の真相と、そこで取ったわが家の対策をまとめてみたいと思います。

思考停止型

まず一番起こりがちなのがこれで、“失敗した!”と言う事実で一度頭が一杯になる経験をした後、それがフラッシュバックの様に蘇ってしまうパターンです。この時、同じ失敗をしそうな事を事前に察知したとしても、思い出した【失敗の記憶】に支配されてしまい、結局なぞるように再現してしまったり、フリーズしてしまう事になります。
多くの場合はこの段階で『わわわわわわ……』と小パニック状態になっていて、周りからの助言やアドバイス等は耳に入って返事はしていても、自分の現状と結びつけて考えられるほどには消化出来ていません。
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性として、実際以上に極端な捉え方になってしまうことと、一つの大きな思考にとらわれてしまう傾向がありますが、特に“失敗を恐れるタイプ”にとっては、【失敗】はその度合も抜きに極端に悪感情につながったり、自己評価を著しく下げる原因になりがちです。
こういう場合に近くに愛着を向けていたり、緊張を強いられる人間が近くにいた場合、さらに硬直が激しくなるケースがあります。それは【相手への恐れと、自分の失敗への恐れの混同】です。そもそも自分の失敗を恐れている状態でのフリーズが、自分の自己評価に影響を与えかねない人物が視界に入った場合、それらの状況もひとまとめに恐縮につながり、完全に呑まれてしまうケースです。
これは最悪、問題解決どころか、その時の混同を解消しない限り、相手への萎縮は長期間継続してしまうことがありました。
さっきまで仲良く平和に暮らしていたのに、突如よそよそしくなり、そこに突入していく
わが家でよく見られた光景です。このパターンを理解できないうちは、突然怖がられたような対応をされるので、『こちらが悪いことをしてしまったのではないか』とか、『自分の対応が高圧的だったり、怖がらせた過去があったのではないか』と困惑することになります。
さらに長期化すると、どんどん不快になり『そんなに嫌なら出ていこうか』と怒りや悲しみにつながることになります。
かといってここで距離を取る策を選択すると、人間関係に愛着がある場合はさらに【関係性】という目に見えないものに意識を集中させてしまうため、きっかけとは全く違う原因でのパニックが始まってしまいます。時間の連続性の認識も、余裕がなくなるとさらに薄くなってしまうことがあり、この頃にはもう【なぜ自分が相手に対して硬直しているのかが分からない】状態になり、反射的に硬直を繰り返すようになってしまうことがあります。
このパターンの最も危険な特徴は、繰り返した場合に同じ状況に陥ると、すぐに硬直を始め何の声も耳に届かない状態になってしまうことです。そしてそこに意識を集中させてしまうために、そのショックを凌駕する刺激か、何かしらの大掛かりな気分転換が必要になってしまうことです。
会話はひたすら小声でのハイ・イイエに陥り、原因解明が何一つ出来ない状態へと悪化しかねません。

認知不足型

上記の思考停止型のパターンとは、つまづきの原因は一緒でも、繰り返してしまう構造が認知不足によるものに偏るケースがあります。【どうしてそうなったのか原因を聞くと答えてくれるし、確かに正解だが、具体的な対策などは考えようとしなかったり、行動をとろうとしない時】です。どちらかと言えば思考停止型に比べれば余裕があり、正解を言いながらもどこか本人が首を傾げているような危うさを感じることが多いです。
これは単純に正解の言葉を記憶していても、意味をちゃんと理解していなかったり、自分のことに重ねて想像が出来ていない場合に起こっていることが多いです。答えた正解の意味を尋ねれば、やはりそこにも正確に答えられたりはしますが、自分の感覚とはやはり離れているので、ちょっとした引っ掛けに簡単につまづきます。
また、そこで答えられるから『自分は分かっている』と思い込み、それ以上の説明を聞いていなかったりするパターンもあります。そう言った時は大抵途中から興味なさげに手遊びを始めたり、そっぽを向くなどの行動が増えることがあります。
意味を完全に理解していなくても、正解を記憶していることで、“当然なこと”とそれ以上の解釈を深めるほどの知的好奇心を失っています。
このパターンの肝は、『その答えは本人にとって、本当の意味での正解の言葉ではない』ということです。

無覚悟オウム返し型

本人がそれを問題だとは思っていない時に陥るパターンです。問題では無いため行動を取ろうとしませんが、相手に合わせるためにバツの悪そうな表情をしたり、言葉での反省を表面的に取り繕う場合があるので現状は進みません。
ある程度リラックスしている時などに起こる傾向があります。

我が家でとった対策

まず共通しているのは【なぜそれが問題なのか】【どうしてそうなるのか】【どうすれば回避できるか】を完全に理解するまで説明し切ることです。少しでも不明な部分があると、そこに集中してしまったりして焦り出し、答えのない問いかけをループさせて思考停止する危険性があります。
また、意外と問題に対して陥りがちなのが【起きている問題に意識を集中させているが、自分が困っていることには目が向いておらず、結局問題と自分を結び付けられない】ということです。説明の際はこのポイントが起こっていないかを確認しながら進めていくことが重要でした。
こういった複雑な心理に関わるパターンは、なかなか単純明解な説明では伝えきれません。その際は必ず絵に描いたり、文字に書きながら視覚的に説明をする必要があります。先にした話と前後関係をつかめずに、今している内容に夢中になって全体を把握できなくなることがあるためです。
できれば自分で短くてもいいので文章化に挑戦してもらうと、耳にした言葉を実感なしのオウム返しにすることなく、自分の考えで言葉にしようとするので【分かった気になる】失敗が少なくなります。ここでも【自分が今何に困っているか】を触れるように促すこともおすすめします。
また、厄介なのが【失敗から硬直、周囲が本気で怒りだすまでが1サイクル】として、それをなぞろうとし始める場合です。これは5歳頃までの娘に強く見られ、人間関係のとらえ方や、失敗に対する拒否反応などの、実際の問題とは別の部分をクリアすることで発生しなくなりました。連続して起こる場合は何かしらの認知のズレがあると見たほうがいいかもしれません。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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