ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:手記

手記

同じ過ちを繰り返す・気まずさで立ち止まる│自閉症スペクトラムの負の連鎖

2014-09-06 Category:手記
一度失敗した事に対して、何度も同じ失敗の仕方をしてしまったり、特定の人に何故かうまく立ち回れず、苦手意識をもってしまう。
わが家の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者の中でも、長男と妻の場合はこのパターンが多く、これを繰り返すと“苦手なものにすぐフリーズするクセ”が常態化してしまう傾向があります。
周囲からは“わかってるのなら対策を取ればいいじゃない”とか、“考えこんでないで動けばいいのに”と指摘を受けたりしているようですが、実は本人もそう思いながらハマりこんでいるのが実情です。つまり対処法が全く発想にないわけではなく、【何とかする意識は持っているが、対処の考え方にトラップがある】というパターンです。
こういった時のパニックの傾向として、感情的にぶつかって来るか、フリーズするかは本人の自己評価の守り方に寄りますが、問題点としてはそれほどの違いは無いようにも感じます。
今回は彼らがこのパターンにハマる過程と、自らを動けなくしている理由、それらの対処法をまとめてみたいと思います。

マイナス視点

分かりやすくするために例をあげておくと、同じ失敗や負のパターンを繰り返すのにありがちなのが、人とスケジュールを合わせる時や、お互いの意見を擦り合わせながら、何かを決めていく時など他人が関わる場合です。これは自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性として、苦手であると言われる範疇のものかもしれませんが、完全に無視することもできない部類の、社会に必要なスキルです。
妻自身は『タイミングを決めるのが苦手』だと思っていたようですが、これに関連する範囲のコミュニケーションで似たような小パニックが見られたので、細かく原因を分解してみました。
まず、ここにあった要因は【マイナス視点での想定】です。
例えば時間を示し合わせて大事な連絡を取り合おうとしている場面があったとして、彼女から電話をかけようとする事はまずありません。この時の彼女は『このタイミングでかけたら、迷惑じゃないだろうか』とか、『話すことを決めておかないと会話にならないんじゃないか』とか、『本当はこうやって時間を割いてくれるのも、合わせてくれているのではないか』などの、本人に確かめもせずに“迷惑”ばかりを気にしている事がほとんどです。
これはいわゆる【自己評価を他人に預けている】状態と似ていて、自分がうまく立ちまわれているのかどうかを、他人に評価してもらう前提で構えているため、自分の状況を自分で省みることが難しくなっている状態です。
自分の気持ちを把握する視点にないため、そもそも“自分はどうしたいのか”がありません。この状態は実感を剥離させていくため、離人状態やフリーズ状態に近い、おぼろげな意識になりやすくなります。
“自分はどうしたいのか”かが抜けていると、物事の評価を決める尺度は、相手になってきますので考える材料はおのずと【成功か失敗か】の両極思考に移行していき、特に意識を支配しやすい“不安”が内包された失敗を念頭に置いた思考に陥ってしまいます。
妻にあった“人と意見やタイミングを合わせていく事への苦手意識”は、まずこういった自分の気持ちを見つけにくくする、ASDの特性としての失感情症に似たパターンがあったようです。この時、こちらが受ける印象としては、どこか不安そうな表情が多くなるため、『あれ、気乗りしていないのかな? 迷惑だったかな?』と誘導されやすくなります。
これらのプロセスは、【前に一度失敗してしまったこと】などの、植え付けられた苦手意識に対しても強く起こりがちで、失敗してしまった要因や流れの解読ではなく、意識が不安そのものに向いてしまっている場合に多く見られます。

積極的手段の放棄

人からの評価を意識する⇒
成功か失敗かの両極思考にとらわれる⇒

失敗への不安にとらわれる

この流れからスタートすると、まずそれ以上の思考は難しくなります。そこに自分の中の有効な意見を吟味して、まずは自分の中の正解を取捨選択するという過程がまるごと落ちてしまうからです。こうして、自分から動くなどの積極的な行動はなくなってしまい、自分のペースを作り出すチャンスをみすみす逃してしまうようです。
例えば先に上げた例【時間を示し合わせて大事な連絡を取り合おうとしている場面】を想定した場合、彼女から掛けることがなくなるのは、そう言った答えを出せない状態にハマりこんでいるからです。例えばこの時、相手から『~時から~時の間で、手が空いたら電話ちょうだい』と限定されているとすんなり動いたりも出来ます。
おそらく【電話のタイミングを考える】【話す内容を考える】と言う二つの懸案のうち、ひとつが限定されて決定したことで、迷いがなくなったのではないでしょうか。
これは『じゃあ、相手がそういうふうに動いてあげればいいんじゃね?』と思われるかもしれませんが、そういうことになるのは何も理解のある相手だけではなく、仕事上での連絡のやりとりでも起こりうることです。
そしてこの時は積極的に答えを出していく事が出来なかったり、相手に合わせた答えが多くなっているため、積極的な手段や言動は少なくなってしまいます。ここで相手から『もっと積極的にやってもらえないか?』などと問われると、本人は必死で考えている分、それ以上の努力を求められているような強迫観念に陥り、フリーズしてしまう危険性が上がります。
このズレを繰り返すと、こちら側は下手に精神論的な部分に口を出すと、苦しめてしまうのではないかというジレンマを作り出すことになります。これは本人に取って大きなイメージダウンですし、実際にお互い向きあおうとした問題と、現実としてパニックにつながっていた問題がズレているという誤解は解けません。

具体的な対処方法

パニック要素があまりに大きかったり、問題が大きい場合はなかなか難しいかも知れませんが、それでも原因が分かっている分、打てる手はあります。

1:苦手な物や失敗した事を分解する

人に失敗談として説明したり、整理をつけるためにその不安を話してみます。人に話すのが恥ずかしい場合や、それほどの整理がついていない場合は、紙に書き出してみましょう。
書き出す内容は【なぜ失敗したのか・今それに対して持っている不安はなにか・不安な状態で何を考えようとしていたか】です。それを文字にして、それを見て自分がどう思ったかを感じようとします。要は問題を認識し切れていないことが、未解決問題を作り出し、メモリを奪っている状態なので、まずそれを認識する所から始めるということです。
話にしても文字にしても、自分の頭の中の物を文章にするには、一度物事を受け入れて理解し、アウトプットするという流れになりますが、それこそが正確な認知をする段階を擬似的に起こしている状態なので理解が早くなるのです。

2:迷う要素を排除する

人に何か意見を伝えなければならない場合や、人と何かを決めていかなければならない時は、不安になる要素として実問題以外に【どのタイミングで伝えるか】【何を言えばいいのか】などの葛藤の要素があります。
こういったタイプの問題に対しては、【1】の様に紙に書き出して事実を認識しながら、【いつまでに決めて、それを自分から話す】など、そのタイミングまで自分で決めてしまいます。まず、相手へのタイミングから考えると、あやふやになってしまうので、この部分を決めて掛かります。
もし、タイミングが合っていなかったら【お時間頂きたいんですけど、いつだったらよろしいですかね?】などその場でタイミングに関する事も決めてしまいます(ここでまた相手にタイミングを預けるとそれまで思考を奪われる危険性がある)。
例としてあげたのはタイミングに関することですが、要は宙ぶらりんや先送りになる物をなるべく排除するということです。その際も紙に書きながら、何に気を取られているかを見つめようとすると、意外とすんなり見つかることがあるようです。
要は同じ問題を繰り返している時こそ、問題自体の理解と自分の気持ちを見つめる事に意識を持っていくということです。それには上記のような要領で“文章に書く”という行為はとても有効なようでした。これらの対策はASD当事者本人が一人で行うのもいいですし、たまに関わる家族や人が一緒にそれを書き出す手伝いなどをすると、一層深く本人を理解したり新しい視点に気がつくことがあります。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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