ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:アスペルガーな娘

5歳:父に懐かない・部屋にいるだけで硬直│フラッシュバックと囚われ1

2014-04-30 Category:アスペルガーな娘
自閉症スペクトラム障がい(アスペルガー症候群)の診断がつき、5歳を目前にした頃あたりから、娘の『よそよそしさ』が爆発した。会話にならないどころか、私がいるだけで硬直し、座ろうともしない。私が動く度に意識をし過ぎて、ビクッと体をこわばらせたり、泣きそうな顔で青ざめていたりする。
話しかければ目がうつろになり、返事や相づちはだいたい正確に返すが、反応しているだけで本心ではない。30分ほど静かにしていると、調子が良い時はややリラックスして遊びだすが、トイレに行ったり、おもちゃを取りに行ったりで退出すると再開。
まるで虐待された動物のように、これ見よがしに私を避けて通る。
その度に過去に叱った事や、手を上げてしまったことが思い起こされ、私がこうしたのではないのかと追い詰められていく。
■今だから分かること
当時、この彼女の行動は全く理由が分かりませんでした。
酷い時は1~2ヶ月、早くても1~2週間はこれが続き、ある日突然『お父さんお父さん』とハイテンションでベタベタしてくる日が訪れます。このベタベタ期間は非常に短く、半日の時もあればもって3日といった具合で、逆にこれが来るとこちらが困惑してしまいます。
このベタベタは応じてしまうと、翌日辺りから激しい『試し』が始まります。こちらをチラチラ見ながら、わざと怒らせるようなイタズラや、過去に注意されたことを思い出せる限り・時間のある限り続けます。そう、こちらが本気で怒るまで絶対に終わらせません。
行動や表情は『恐怖』にしか見えず、妻にはふつうに話しかけたりしているので、私にとってはどう考えても『お父さんが怖くて近寄れない』としか思えませんでした。そして、手のひらを返したように好き好きしてくる日以外は、徹底的に避けたり、必要以上にこわばろうとします。
それまでもこういった行動を取る時期は、4~7月のクラス替え時期などに見られましたが、この時はちょっと規模が違いました。
これが
約9ヶ月間、なんの理由も分からないまま、唐突に理不尽に続けられました。
そして私には、激しい怒りを彼女にぶつけることでしか止める方法はなく、人間の尊厳もなにもない暮らしに追い詰められて行くことになります……。
まずこちらが本気で怒りを見せないと止めません。
手加減などしようものなら、言葉など彼女の耳に届くことは一切ありませんでした。
結局、力づくで話を聞くように押さえつけ、フリーズしようものなら叩き、目を開かせまた押さえつけ……
互いに心傷つけあう毎日でした。
そこまでするとようやく、初めてこちらに目を合わせ、ちゃんと言葉に耳を傾ける数分間がやってくるのです。目に光が戻り、口元のニヤつきが消えて自分の言葉を言おうとしたりも。
そうするとしばらくは、私をあからさまに避けるような態度を取らなくなり、だんだんとリラックスできそうな雰囲気に近づきますが、それも持って数日のこと。なんの前触れもなく唐突に私を避けるようになこわばりを見せるようになります。
もう、彼女のいる時間は『苦痛』でしかありませんでした。
背景に色々な理由があり、恐ろしい程の『斜め上発想』でのズレと目論見が彼女にあったことが後にわかってきますが、今回はこの【一度持ち直しても、部屋の出入りでリセットされる】現象の背景について解説します。
実はこれ、フラッシュバックと言われる自閉症スペクトラムの特性のひとつが大きく絡んでいました。
本来は【嫌なことや思い出が突如鮮明によみがえり、気分障害に陥ったりパニックになる】などの症状が起こる事をいいますが、わが家の娘の場合はその【嫌なこと】がふつうの範囲ではなかった。
お父さんが自分を一番最初に見てくれないこと
お父さんが笑顔でわたしを見てくれないこと
お父さんが優しく“遊ぼう”と誘ってくれないこと
などが当時の彼女にとって最上級の嫌なことであり、思い通りに私が動かないことが彼女にとって、受け入れられないどころか恐怖に感じる程であったこと。やがて、それが仇となり、私に激しく叱られるようになると、一瞬だけ正気を取り戻すが【もうひとつの嫌なこと】を思い出して硬直することになります。
お父さんに褒めてもらえない
おもちゃをとりに子供部屋に行った時、リビングに戻れば私がいるのですが、彼女にとっては『今、なにか悪いことはしていなかっただろうか?』という大きな不安に陥ります。また、トイレやお風呂の場合は、もっと幼い頃にそこらでのいたずらが激しく、よく注意された記憶があるので戻った瞬間にフラッシュバック。
そして、一度固まるとさらに私に近づけない悪循環に陥るわけですが、そこから戻るための彼女の手段が『怒られないか試す』行為でした。
いい子は叱られない・怒られない
これを壮絶に曲解し、逆に『何やっても怒られなければ凄くいい子』と言った具合の【屁理屈のような突飛な発想】にとらわれていたことも判明します。そしてその間、彼女は一切こちらの表情や気持ちは考える事なく、自分の中の理想の答えを実現するために毎日を費やしていたということも。
……道理で無視すると逆効果になっていたわけです。
なぜなら彼女にとっては『いい子は叱られない・怒られない』なわけですから、明らかに怒られるというデータのある行動をとって無視されるのは、『自分はいい子である』というプライドのくすぐりでしかなかったのですから。
私が叱責し強い刺激を与えた時に、一瞬我に返り自分の発想が遠のくのですが、思考法が変わっった訳ではないので、結局ぶり返していたわけです。恐ろしいことに、その発想にとらわれこちらの心情を無視している状態の記憶は、彼女にほとんど残っていませんでした。虐待まがいの毎日に私が心を痛めても、彼女にはその前からの記憶がすっぽり抜け落ちていたのです。
つまり最終的に手をあげるまでに話していた説明も、この9ヶ月の期間内の私からの言葉やコミュニケーションは、彼女に一切届いていなかったということに……。
まあ、実際はゼロではなく多少の睡眠学習の様に、虚ろに音だけで憶えている所もあったようですし、私以外にはふつうなので知識の激しい遅れなどはありませんでした。
ただ、人との距離感を知るべき時期に、彼女は自らの発想に縛られていたため、この間の【他者と自分の違いや距離】などは全くと言っていいほど成長していません。
この彼女の『壮絶な勘違い』が終わる頃、今まで耳を塞いできた分の学習が始まりますが、その速度は驚異的なものがあり、人間の脳の不思議さを再認識させられました。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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