※自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の娘、その5歳の頃の特徴的だった、フラッシュバックとタイムスリップについて3回に渡ってまとめています。
5歳になってもたそがれ泣きに近い状態は未だ顕在。しかし、今までとちょっと違うのは
【自分でもなんでこうなるのか戸惑っている】
といった様子が見られる様になったこと。しかし、それも特に抵抗したりアクションを起こすことなく、結局、そう思い込むようにして、落ちる気分に任せてグズグズを開始。
箸がお茶碗に当たって音が出ただけで、真っ青な顔で私を見て硬直したり、
『食べきれない』と悟るだけで泣き出す。
『食べきれない』と悟るだけで泣き出す。
そんな時、少しでも私が声をかけようものなら大声で泣く。感情が『泣き出す』ことに過敏になっている状態になる。
■今だから分かること
5歳まで続いたたそがれ泣きも、ようやく終わりをむかえることになりますが、3歳後半以降の原因は『フラッシュバック』と『タムスリップ』、そして『とらわれ』が強かった様に思います。
結論から言ってしまえば、彼女がこのたそがれ泣きを繰り返していたのは、『2~3歳の頃に食事中に注意されたこと』を驚くほど鮮明に覚えつつ、しかもその当時の自分が感じた『なぜ怒られているのか分からない恐怖』にまで入り込んでいたために起きていました。
この『なぜ怒られているのか分からない恐怖』は特に激しく怒られたことはありません。当時の彼女は『訂正される・注意される・叱られる・怒られる・否定される』が全て同等であり、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性である、『0か100か』の両極思考で自分の評価も決定していたのです。
例えば『ほら、食べ物は手で遊んじゃいけないよ』と注意した場合、当時の彼女は『否定された!』となり、癇癪泣きを起こしていたということ。『残さず食べよう』すらも訂正なので『否定された!』となっていたようです。
これが何度か繰り返されただけで、彼女の中に鮮明な『否定された記憶』として焼きつき、夕食時にフラッシュバックを起こしていた訳です。このフラッシュバックは彼女の気分が落ち込んだり、『この時間は嫌なもの』と思い込めば思い込むほど起きやすくなっていました。
人と合わせる時間にストレスを感じやすく、『疲れ』と『不快・不安』の違いに対して鈍麻で、夕方になれば毎度嫌な感覚に自ら陥ろうとする。やがて、実際は疲れていなくても、『この時間は嫌なもの』と思い込んで不快になっていけばフラッシュバックは起こる。そして、一度失敗すれば自己評価はゼロになり、癇癪泣きを起こし、父親に別室で休まされる。
彼女にとっては『別室で休まされる』が終わりであり、気楽に休めるゴールになるのですが、自分でその提案をするところにまで考えは及びません。自分のこれらの心の動きを一切理解していないからです。
これがわが家の娘の【たそがれ泣きの正体】だったのです。
『不快な記憶』にとらわれる⇒
思い込みから気分が低下しフラッシュバック⇒
3歳児と同様な認知力まで低下し泣き出す⇒
収集不可能になり親に『終わり』にしてもらうのを願う⇒
別室に隔離され終了
思い込みから気分が低下しフラッシュバック⇒
3歳児と同様な認知力まで低下し泣き出す⇒
収集不可能になり親に『終わり』にしてもらうのを願う⇒
別室に隔離され終了
この繰り返しが、5年間、わが家の夕食の団欒を奪い続けた構図。
わかればなんとバカバカしいことか─。
もちろん本人は必死ですが、『0か100か』の思考は別にしても、自ら思い込もうとさえしなければいつだって立ち止まれた訳です。それをしなかったのは『解決をしてもらう依存心』が大きく、自分でなんとかしようとは思っていなかったのでしょう。
わかればなんとバカバカしいことか─。
もちろん本人は必死ですが、『0か100か』の思考は別にしても、自ら思い込もうとさえしなければいつだって立ち止まれた訳です。それをしなかったのは『解決をしてもらう依存心』が大きく、自分でなんとかしようとは思っていなかったのでしょう。
わが家でとった対策は、
1:まず、これらと同様のフラッシュバックや、タイムスリップが起きているであろう状況を全て書き出し。
2:それらが近づく度に、毎回過去の彼女の失敗を事細かに話し、注意された理由を説明。同時に教えるための『注意』であり、彼女の存在を否定する『怒り・拒絶』でないことを解説。もう『終わった過去のこと』だと強調を付け加えます。
3:2を理解できるようになるまで何度でも繰り返し、『こういう時に不安になったりするのは?』と質問すれば『ちっちゃい頃に~~して失敗したから』と答えられるまで習慣化。
4:もし、それでもその気分に支配され、落ち込もうとし始めたら『ええ~、やっぱり赤ちゃんになっちゃうのぉwww?』と全力で小馬鹿に(わが家の娘は【お姉さん】であることにこだわりがある。『赤ちゃんみたい』は【バック・トゥ・ザ・フューチャー】の主人公で言うところの『腰抜け』に近い効果がある)。
出来ても『当たり前のこと』なので褒めません。せいぜい『今日はふつうに食べられたな』と事実を言うくらい。というのも、わが家の娘の場合は、褒められるとそこで増長してやらなくなったり、他への努力をしないことの理由にまでするからです(これはあくまでわが家での手法です。褒めて伸びる子はガンガン褒めてあげてください)。
また、4の対応も性格によっては異なると思います。
また、4の対応も性格によっては異なると思います。
この繰り返しと、『人との距離感』を認知できたことで、娘のたそがれ泣きは終息を迎えました。
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中の人
夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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