ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

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手記

旅行疲れが抜けない・立ちくらみが酷くなる│アスペ妻のストレスと自律神経の話

2014-06-16 Category:手記
ちょっとした旅行に出かけて帰ってくると、数日疲れが抜けなかったり、気分が沈んでしまったり。わが家の妻は、遠出や環境の変化に直面すると、そう言った状況に陥っています。
しかもそれが2~3週間の長い落ち込みや、体調不良にまで及んでしまうので、結構致命的になってしまうことがあります。
これらは旅だけではなく、実生活でも疲れを感じると起こることがあり、立ちくらみを始めとした様々な不定愁訴が出て来たりもします。
これは定型(いわゆるふつう)の方にもあることかもしれませんし、意外とちょっとした事で改善されたので、気になっておられる方はぜひお試しください。
今回は自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性とは言い切れませんが、そこに関わっているであろう要因と、抜けない疲労感への対策についてまとめてみたいと思います。

寝ても疲れが取れない・立ちくらみが多くなる

疲労感があるので眠るが、スッキリとせず鉛のような重さや、動くことが億劫に感じてしまう。妻の場合、旅行自体が楽しいものであったとしても、帰ってきてから長いことこの症状に悩まされていました。不思議なことに、この疲れは寝ても治らず、立ち上がる際の立ちくらみが頻繁に起こるなどの特徴がありました。
病院に行っても特に診断はつかず、謎の現象の一つでした。
私もその原因が【疲れているからだ】と思い込み、とにかく休んでもらうようにしてきていたのですが、この考え方が大きく変わりました。それは自律神経と体内環境、そしてセロトニンの関係に関連していました。
自律神経の働きを極簡単に解説すると、自律神経はふだん私たちが意識していない【体温・脈拍・血圧】などの自動調整を始め、さまざまなバランスを保つ働きをしています。その中でも立ちくらみに関連すると見られるのは、脳への血流コントロールの部分です。
血液も重力で下に落ちますので、急に立ち上がると足に向かって、脳から血液が引いていってしまいます。この瞬間が脳貧血状態を起こしていて、【起立性貧血症】などと呼ばれます。ふだんこれが起こらないように、立ち上がる動作に入ると、血液が落ちていかないように自律神経が調整を掛けてくれています。
この自律神経のバランスを調整するのが、“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンです。
セロトニンは疲労やストレス、食生活や冷えなどで、脳内への供給量が下がることが知られています。
妻の疲労感と立ちくらみには、このセロトニンと自律神経の関係が、非常に顕著に現れているように思いました。
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の当事者が抱える実生活へのストレスは、二次障害としてセロトニン減少に関わる抑うつ状態や、自律神経失調症を引き起こすことがあるからです。

寝てもすっきりしない時は散歩

私自身、カサンドラ症候群として抑うつ状態に陥った時、ただただ寝ていることが余計に“焦燥感と罪悪感”を煽ることがありました。それを予防しながら、セロトニンを増やす方法があります。
決まったコースのゆるい散歩です。
日光を浴びることでセロトニン分泌を助けるとも言いますが、一定のリズムで歩くなどの運動だけでもうながされるそうです。人と会うのが億劫な時は夜でも良いので、ゆっくり歩くのをおすすめします(明るいほうが気分的には気持ちいいですが)。
決まったコースを歩くのは、余計な事を考えないように配慮しました。見慣れた場所を歩くだけでも、実は意外と色んな小さな変化があるので、情緒への穏やかな刺激になります(関係無いですが、カリスマフェロモンを出すにはこの小さな感動を多く繰り返すことだとか聞いたことがあります……)。
ポイントとしては姿勢よく背筋を延ばすことと、一定のリズムで歩くことをゆる~く意識することです。こうすることで抑うつ状態になりがちな、猫背と首のうなだれが抑えられ、少しだけ視界が広くなるような感覚を得られることがあります。

体の冷えを抑える・内蔵を休ませる

セロトニンは腸内で作られます。脳への作用もしますが、より多く使われているのは内蔵温度を保つ事や、内臓の動きのバランスに関わることだと言われています(脳も臓器であるという考えもある)。
体を冷やさないようにするのは、そこでのセロトニンの浪費を抑え、脳内により多く回すためです。
具体的には【冷たい物を飲まない・腹巻きやタンクトップ、毛糸のパンツなどで体幹の保温】が効果的です。場合によってはカイロなども積極的に使用して腸を保温していきます。
(根拠など詳しくはこちらの過去記事をどうぞ:ADHDやASDの人はお腹を温めるといい?【安定と二次障害対策】
内蔵を休ませるのに手っ取り早いのは絶食です。ただ、何日も断食とかではなく、朝食を抜き水分もなるべくとらない朝を作るなどの、前日の夕食以降18時間程度絶食する『半日断食』が手軽でした。
食事についてはしっかりやるのなら自分の体質にあったものを、毎回一口につき30回以上でペースト状になるくらいまで噛むのも、消化を助けるコツです。ちなみに噛まなくて済むおかゆなどは、唾液と混ざらないので不向きという説も。噛む行為はリズム運動にもなるそうなので、意識的に取り入れた方がいいかもしれません。
※ちなみに先日、読者の方からメールにて【遅延型食物アレルギー検査】と【食事療法】による、健康面と精神面での効果のお話をご紹介していただきました。自分の体質にあった物をしっかり把握しておくのは、こういったトラブル回避にもバッチリな気がします。ありがたい情報です。

旅が疲労に変わる理由

妻の【疲れ】を事細かに聞きながら、なぜそれが【疲れ】になるのかを、ひとつひとつ分解して見たところいくつかのポイントがありました。単純に【環境の変化が苦手】など以外の、ちょっと独特な物を挙げてみます。

☆【疲れた】という言葉で片付けていたため、詳細な理由に気がついていなかった。

疲れの認知のしかたには、実は多くの種類があります。“気疲れした・頭が重い・足がだるい・寝ていたい・まぶたが重い・体が重い”などです。これを【疲れた】の一言で流していると、思いの外、その原因を見失い気分が停滞していく引き金になることがあります。自分の感覚が分からないから不安感を生み出してしまう側面もあるようです。
これは特に認知についてや、感覚鈍麻のある自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者にとっては、思わぬ落とし穴であったりするようです。
疲れの種類を的確に感じ取ろうとすると、そこに原因や自分の捉え方などの様々なヒントが有ります。それを認知するだけでも疲労感の正体がわかり、無駄に疲れた不安定感に包まれ続けることが防げることがあります。

☆旅やイベントの結果の終わらない反省会

“もっと調べておくべきだった”とか“あれは笑われなかっただろうか”とか“もっとこうすればよかったのかも”とか考えてしまい、気がつくと完璧主義者になろうとしていることです。文字にすると大袈裟で繊細過ぎる様な印象になるかもしれませんが、意外と知らずにやっていたりするものです。
もし、あなたが旅に何かの反省を持っているとしたら、自分が【職業:旅人】ではないことを思い出しましょう。
下調べ不足で不都合があったとしても、それは次回に活かす経験であっただけで、今あなたは家にいるので致命的であったわけではありません。全てが調べて完璧に旅ができるのなら、それはすでに旅に出なくても良いのではないのかと、ふと立ち止まることをおすすめします。“失敗があったから思い出になるんだ”くらいだと笑い話化が早く済む傾向があります。

☆内蔵疲れと自律神経の相互

移動での乗り物の振動や揺れは思いの外、疲労につながることがあります。また、移動中の車内などは視神経からの刺激が多くなるので、揺れの中で情報処理をするという、高度なことをやってのけていた訳です。
こうなった時に意外とやられているのが内蔵だったりします。食欲が落ちたり、蠕動運動が低下していたりなど、腸の動きも弱まることがあります。それを自律神経がバランスを取ろうと頑張りすぎてしまいます。それがまたセロトニン浪費につながり疲労感にかわってしまう……。
旅に疲れやすい方は、移動中はなるべく内蔵を休ませ、ついた先でもすぐにがっつくのは避けたほうがいいかもしれません。また景色の良さは薄れてしまうかもしれませんが、サングラスを掛けて視覚刺激を低減させたり、古い耳栓で雑音をカットしたりすると無駄な疲労感を低減できるかもしれません。
など、妻の旅疲れや抜けない疲労感に対しては、こういった自律神経視点での対策が効果的でした。
わが家のASD当事者3人の場合は、自分の体調の変化に敏感で、そこにとらわれて体調を崩すまで考えこんでしまうことなどがあるので、結構【疲れの原因】や【なぜそう感じたか】を知るだけで楽になることも多いようです。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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