長男
【どこまで】度合いや裁量が課題
学校でのマラソン大会や課題など、チャレンジしていく系統のイベントで、大きく安定感を欠くなどの浮き沈みが見られました。ふざける場合も自分で自分を止められなくなったり、嫌だということに『これは嫌なのかな?』と考え続けている間にストレスで潰れるなど、ボーダーラインが状況に応じてどんどん押し上げられて行ってしまうことが問題になりました。
特に度が過ぎていたのが、これから本番に向けて練習しているものなどに、くよくよくよくよ体調を崩すまで考えこんでしまうこと。
何をしている時でもそれが頭をかすめているため、生活に対する余裕がなくなり、思考能力もまともに発揮できていませんでした。結局ストレスから体調を崩して入院するまで自分を追い込み、その辛い体験をするまで彼は考えることを止めようとはしませんでした。
退院後は具体的な経験が出来たため、少しセーブが出来るようになりましたが、地道に『プロになるためにやっているんじゃない、楽しめればいい』『目的は体を動かして、その運動を憶えること』など、具体的な度合いを教え続けるしかありませんでした。
退院後は具体的な経験が出来たため、少しセーブが出来るようになりましたが、地道に『プロになるためにやっているんじゃない、楽しめればいい』『目的は体を動かして、その運動を憶えること』など、具体的な度合いを教え続けるしかありませんでした。
環境適応
小学校入学当初は授業を受ける事や、掃除や着替えなどの意図がつかめず、宙ぶらりんになってしまい、そこから転動が起こったり先生の話を聞かずに後追いで皆の様子から行動を合わせるなどが目立っていました。
ひとつひとつを分かるまで【なぜそれをするのか?】の意図を説明することで、少しずつ安定していき、自主的な動きがなかったものが気がつけばクラスで一番早く行動できるなどの成長が見られました。
ここで意外と大きかったのは、先生が出している【全体への指示は、自分にも関係のある話だから、みんなの前で話している】ということが理解できたことかもしれません。
ただ、やはり大型のイベントなどで、いつもと違う学校生活になる場合は興奮状態になり、刺激を求め続けて収まりがつかなくなったり、自分の動揺に気が付かず、体調不良と混同するなどの混乱が見られました。これらは早め早めに『~~って気持ちになってない?』とか、『今日は~~したんでしょ? 疲れてるんじゃない?』と自分の変化に気がつけるように指摘することで困惑を抑えることが可能になりました。
友達付き合いでのつまづき
小学校1年生の後半から、最も大きな問題だったのがこれでした。学校へ慣れてくる頃から、だんだんとやんちゃな行動が出てくる時期でもありますが、長男の場合は興奮すると自分で終わりを設定出来ないために、まだ“ほどよく、おふざけ”が出来ませんでした。
人との心の距離感が、年齢に対してややバランスが危うい彼の場合、『自分は自分、人は人』との区分けが曖昧なために、極端に失敗や人と違っていることを恐れて隠そうとするところがあります。これは一見、周囲の大人からは『しっかりした大人な子』とか『周りがよく見えている子』などと取られますが、内実は【人に合わせてズレないようにしている】だけな時もあります。
“合わせられている”こと自体は、コミュニケーションスキルがあると考えられなくもありませんが、彼の場合は合わせようとして失敗した場合に小パニックを起こしたり、困惑からフリーズに陥ることがあります。この反応は親しいものでないと、まず見分けがつきません。
結果的に問題視するのは親だけとなり、周囲の大人に理解を求めることも難しい状況になります。
結果的に問題視するのは親だけとなり、周囲の大人に理解を求めることも難しい状況になります。
“合わせている”ために、自分の気持ちをストレートに伝える事が難しくなり、だんだんと本人でも見失いがちになっていきました。そのために明確な拒否や要求、気持ちを伝える努力に向き合うことに頑なになっていったようです。やがて断り切れずにブースターの様な役割になったり、自らに攻撃が向かう仕組みを自分で作り上げることになってしまいました。
本人はそれを理解できなくても、人とズレていることや思い通りにならない事への不満は募らせていて、知らず知らずのうちにストレス症状が起きているのが見受けられるようになっていきます。特に大きく出ていたのが夜驚症と、週末ごとの発熱です。
本人はそれを理解できなくても、人とズレていることや思い通りにならない事への不満は募らせていて、知らず知らずのうちにストレス症状が起きているのが見受けられるようになっていきます。特に大きく出ていたのが夜驚症と、週末ごとの発熱です。
勉強に見られた特徴
主に文章に関わる【取り違い】や【勘違い】が見受けられました。文章問題からの意味の抽出や、出題意図の理解に苦手があるようで、先入観や意図を近いしないままの見切り発車で解こうとするのが目立っていました。
意外な盲点は、テストなどに描いてあるイラストにとらわれてしまうことで、問題文を読まずにイラストから情報を得ようとしていたことです。はっと目を奪われると、そのイラストに集中してしまうため、式も出題意図もぶっ飛んでしまいました。
この傾向は実は【どの問題から解いていくか】などの順番にも現れていて、目についたところから手を付けていくために、出題傾向を読み取れていない様子が見られました。
この傾向は実は【どの問題から解いていくか】などの順番にも現れていて、目についたところから手を付けていくために、出題傾向を読み取れていない様子が見られました。
これらは問題に対して目を通す順番とその意図、重要視していく事を見つける練習を繰り返すことでクリアとなりました。
運動能力
入学当初はやや運動能力に不安があったものの、体の成長と適度な運動のおかげで、極端な遅れなどは見られませんでした。気持ちが盛り上がっている時や、疲れている時、そこに心あらずな時に現れる独特なクネクネした歩き方なども、この頃から自然と消えていきました。
運動にはどうしても“勝敗”の要素が含まれているため、彼の場合は失敗や遅れを気にする事が多くなります。これはそのまま強迫的な不安につながることがあり、足や手が止まってしまうことがあったようです。
最初のうちは家で練習に付き合うなどして、自信を持たせるようにしたりもしましたが、結果的には【競うんじゃなくて楽しむのが目的】と、小学校で体育を習うことの意図から説明することで緩和していきました。
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中の人
夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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