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Category:軽度アスペルガーな長男

長男

軽度アスペルガー長男6歳:年長から小学校入学までの頃まとめ

2014-07-03 Category:軽度アスペルガーな長男

小学校への準備開始

6歳になり子供同士での遊びで社会性を育み始めた長男。
ふだんの生活や会話には、かなり彼の考えが出始め、印象としては落ち着きのあるしっかりした感じになっていきました。
しかし、新しいことへの挑戦や、ふとした不安などに弱いのは相変わらず。保育所のイベントや出し物関係では、抱え込みすぎたりすることはなくなりましたが、その分今度は【小学校への不安】に加速度的にとらわれていってしまいました。
特に彼本人が心配していたのは
・勉強についていけるのか
・先生が保育所とは違って叱るらしい
・自分でやらなきゃいけないことが多くなるらしい
ということで、こちらからみれば取り越し苦労でも、彼は毎日のようにこの不安を口にし、その度に落ち着かせたり説明したり練習したり。
小学校に上がるまでの精神的な部分の準備は、彼の場合は3つポイントを注意して進めていました。
「やればできる」「やってみたらなんてことない」感の獲得
⇒少しの努力でクリアできる遊びなどで達成感を得る
話を聞くふりではなく、話を聞いて理解する姿勢
⇒聞いていない時の表情を読み取って指摘、その時の感覚を認識させる
体調や気持ちを言葉にする能力
⇒言いにくさからの回りくどい行動を取った場合の対応。拒否されることを極端に捉えない正確な認識と、言わなければ伝わらないことの学習
などです。

自己肯定感を上げた自転車練習

【「やればできる」「やってみたらなんてことない」感の獲得】に最も効果が高かったのが自転車練習でした。自転車の裏ワザ練習方法を調べ、以下のように訓練。
・かすかな傾斜のある真っ直ぐな道を選択
・ペダルを外し(左は逆ネジ注意)、サドルをつま先が着く高さに設定
・トーントーンと蹴って進み足を離す時間を伸ばしていく
・停まる時はいつもブレーキで停まる練習
・10秒近く両足を浮かせられたらペダル装着
ポイントは親が支持しないこと・足元を見ずに数十メートル先を見る・少しの下り坂を利用して推進力をつける・ハンドルでバランスをとる感覚を憶えさせるというところです。
……自分の血と汗の自転車練習を思い出すと、非常に虚しいのですが、彼はこれで1度も転ぶことなく2日間で補助輪なしの自転車をマスターしました。やや難航したのはペダルを強く踏み込む、思い切りの部分でしたが、傾斜のお陰でそれもちょっとのこと。
今までと比べて一気に移動距離が広がったことは、彼にとって世界が広がったような感覚だったのでしょう。本当に嬉しそうにしていました。
後日、完全に乗れるようになったところで、他の友だちの練習の応援に。
どうしても【いい気になろうとする】彼に、【君だって最初はこわごわやってたじゃん?】など、自分の行動や気持ちを思い出させ、素直に人を応援する練習に移行させました。
大分自由に乗りこなせるようになった頃合いを見計らって、小学校まで自転車を押しながら歩き、帰りは乗って遊びに行くのを何度か続け、小学校までの道のりに肯定的な印象を付けさせることにも自転車は一役買ってくれました。
現在もちょくちょく、新しいことに対して必要以上に戸惑っている時は【ほら、自転車だって最初は乗れる気しなかったけど、一度覚えたら今は何も考えずに楽しめるでしょ?】と、挑戦する楽しさを思い出させるようにしています。

ランドセルや体操着などの専用ブース設置

伸縮自在のハンガーラックセットと、そこに掛ける吊り下げ式収納を購入。
小学校に使うものは全てそこにまとめ、自分で把握できるようにしておきました。そうすることで彼自身が必要なものを把握でき、準備などを依存することなく、一連の動作を習慣化できると考えたからです。
これは意外と効果が高く、後に小学校での【着替え】や【給食の準備】など、生活行動の意図を見失って小パニックを起こした時、
【家ではちゃんと帰ってきたら着替えるし、しまう所にしまえてるでしょ? 学校もおんなじだよ。同じように体育用に着替えたり、給食用に準備するだけだから、その通りにやることをやるだけ。考える必要もないよ】
という言葉を打ち込むことに成功しました。
後はひとつひとつの動作を聞いて、その意図を分かるまで説明しただけで済みました。
この頃は【~~と同じ】の説明がよく効いていた様に思います。
彼の場合は生活行動を理解できないのではなく、ひとつひとつの動作を理解していても、今何をするべきなのかを一瞬見失うことで、小パニックに陥っていたようです。
立ち直りが早くなるようになったのは、これまでの成功例や積み上げた習慣を、いちいち言葉に変えて認識させてきたのが良かったのかもしれません。溺れたのなら、つかむワラを大量に用意しておけば、結構陸に上がりやすいという物量作戦です。

話を聞くふりの対策

これは娘にもあるのですが、上ふたりの場合、少しでも“わからない”と感じたら返事だけして意図的に聞こうとしなくなる時があります。
もちろん混乱して言葉がループしてしまい、フリーズ状態になっている場合もあるのですが、彼らの場合、そういう時は表情から違いがありました。
意図的な場合は、目で演技する仕草や、演技がかった相槌、オーバーな言い回しが多くなるが意識は音を聞いて返事することだけに集中している状態です。
混乱の場合は、眼の焦点が合っていないのは意図的な場合と同じですが、眉間に力が入り表情は固く、返事もどんどん小さくなっていったり、うなづくが声が出ていなかったりします。
特に興味のないことでの説明には、意図的な聞き流しのパターンにハマることが多く、その場で質問をすれば正解を口にする物の、演技を辞めた途端に忘れます。
そんな時は毎回それに気がついた時に、
あ、聞いてるふりは止めて。本当に分からなくなるよ。分からないなら分からないって言って
と、通じなくてもいいから“そうしていてはいけない”と自覚させるようにうながしました。
対策としては
学校で、ひとの説明や話を聞くのは義務
という絶対的なルールづけと、
誰が、いつ、何を、どうするのか?
その会話からこれらを拾うのを意識させる事でした。
この項目を紙に書き、模擬的な指示を出して、それをメモする練習も少しだけ入れました。

体調や気持ちを口にする練習

体調の変化でパニックに陥ったり、違和感にとらわれてフリーズを起こす性質の彼の場合、自分の体調を口にできないのは致命的な弱点でした。
口にできない=それ以上の理解ができない
例えば頭が痛かったとして、それがどれくらいの痛さで、どんな響き方で、いつからなのかを説明できればある程度の対応が取れますし、そうやってまとめることで的確な把握につながります。
彼は意外と的確に把握しただけで、リラックスを取り戻すことが多く、この作業を自分でいつ起こせるようになるのかが問題でした。
実はこの体調を言えない問題と、気持ちを言えない問題には、ひとつの共通点がありました。
どう言えばいいのかわからない不安
この不安は【0か100か】の両極思考で、失敗を必要以上に恐れる彼にとっては、結構大きな問題だったようです。
対策としては
A【親の方から意図的に彼に相談する回数を増やす】
B【少しでも体調が悪そうな時や疲れてそうな時は、普段から全部言葉にさせる】
A】は例えば休日どうすごすか、晩御飯は何食べたいか、今度チャンスがあったら何をしてみたいと思っているかなどを意図的に彼に相談することでした。
その際、『おとうちゃんってばさ、~~だから、~~したいなぁって思ってんだよね』とか、『この前は~~したし、次はちょっと頑張って~~しようかって思ってんだわ』など、具体的・クローズドを意識した文章で彼に話しかけていました。
解決を相手に丸投げしない相談方法の、お手本を示した感じです。
言い方がわからないから止まるのではなく、“それ”を言おうと努力する視点が必要だと考えたからです。
笑いがとれたりすると、本人もその言い回しを憶えていたりするので、彼が言い出せずにいる時にはそれを思い出させたりしました。『ほれ、あの時おとうちゃん、思ってることをまるっといったろ?』など。
毎度【気持ちは言わなきゃ形にならない】などの言葉を投げかけてはいましたが、総仕上げとしてこういった方法を取りました。

座っていられる練習とLD疑惑対策

これは当初失敗しました。
ドリルなどで集中していられる時間を伸ばしていこうなどと思っていたのですが、本人が小学校を意識していくに連れ、そこへ過剰に集中してしまいドリルを見ると不安が浮かび、転動(注意が激しくそれる)もしくはボヤーんとしていく状態に……。
一旦そこから撤退し、彼の気持ちを休ませる方向へと判断したのですが、これが読み違えていました。
彼は小学校への意識に潰れていたのではなく、【勉強する意図】をつかめていなかったために、着地点が分からず小パニックを起こしていたのです。
取った対策は以下のとおりです
・小学校へ通うこと自体の意図
・小学校で習う各教科と、それを学ぶ意図
・それぞれの教科をマスターするとどんな可能性があるのか説明
そして、今家でやっているのは、授業をちゃんと最後まで受けていられるようにする練習で、このドリルもしっかりやっておくと小学校で凄く楽になるという説明も付けました。
彼が入学後、教科ごとの集中力のムラをなくすきっかけになったのは、これらの意図の説明のうち、
【学校って、興味ないものの中からでも、面白いこと見つける練習の場所でもあるんだよ】
とテーマを振っておいて、各教科のスペシャリストができることを、中二病を煽るようにしたのが効いたようです。
入学後、環境の激変から一時的に小パニック期間に突入した際も、こういった意図を思い出させることでスムーズに馴染めました。グッと社会性を身につけていくチャンスの塊のような時期でもあるので、【説明しなくてもおいおい分かるだよう】とは考えず、先回り先回りして意図を伝えていきました。

ここまでにあきらめたこと

入学するまでに不安にかられたり、卒園式練習が始まるにつれ、どうしてもその空気に飲まれていった長男。
もうこうなると何を言っても言葉は届かず、気をそらすことも出来ないので、要所要所で放置していきました。かえって触れることが【助けられてる=不安な状況】と関連づいてしまうためです。
どうにも潰れそうになっている時は、とにかく早く寝かせたり、歩き慣れた散歩コースをだらだらと二人で歩いたりしました。
結局卒園式の数日前から、悩みすぎて体調を崩し、式は常にへの字口の最悪な思い出となりましたが……。
※過去記事⇒緊張し過ぎた卒園式・写真はみんなへの字口│アスペルガー長男の不安症対策
私の卒園式の記憶は
んー、よくわからないけど、やってればなんとかなるんだろうな
といった感じの流れに任せる姿勢だったので、そりゃあドキドキはしましたが、ネガティブに抱え込むことはありませんでした(今もそんな捉え方が多い)。
長男の場合はあらゆる想いに対して、真っ直ぐに受け止めてしまうので、苦しんでいるように思えました。これは経験を積んでいかないと、獲得不可能な部分なのだろうなと、彼を見ていて痛感した次第です。

【関連記事】

0歳:軽度アスペルガー長男の赤ちゃん時代まとめ

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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