ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:軽度アスペルガーな長男

長男

6歳:人を意識し過ぎる・指示や意見の依存が復活│ASD長男のメモリ不足

2014-06-10 Category:軽度アスペルガーな長男
4歳で獲得した、人との距離感や、安定感がやや後退した。例えば来客時に相手との距離感がつかめず、不躾なことをさらっと言ってしまったり、逆に回りくどい言い方で利用しようとしたり。
私に対しても今までふつうにしていたのに、突如、カチコチになってしまったり、眼を合わせないようにしながらジッとこちらの様子を伺うような、強い意識を向けるようになってしまった。
同時に
【これでいいの? 合ってるの?】
【どうすればいいの?】

が増えるというか一辺倒になり、ひとつひとつの行動や動作が、私がいるとまともに進まなくなってしまう。
眼の焦点も合っておらず、

わわわわわわわわ……

と聞こえてくるような小パニックの毎日。

一緒にテレビを見ている時も
長男『……お、おお、おとうさん?』
私『ん? なに?』
長男『……ぼ、ぼく、トイレ行っていい?』
私『へ? いや、いけばいいじゃん?』
長男『ダダダダダダ…ッ(←前のめりで猛ダッシュ)』
私『え、なんでそんな我慢してたん!?』
また、ちょっとした用事の後で、彼とファーストフード店に入店した時、注文した品がそろって席についた辺から挙動不審が爆発。
くわえたストローがコップに入っていないことに気が付かず、しかめっ面で【これ吸えない!】と言って交換させようとしたり、きょろきょろしっぱなしのために、ハンバーガーは三枚おろし状態に。(放っておいたら、おでこで食べようとしかねない勢い)
結局ほとんど食べないまま、あっちをきょろきょろ、こっちをきょろきょろ。とうとう無言で席を立とうとしたのでレフェリーストップ。
私『今、ここに何しに来てる?』
長男『えっ!? え、わかんない……あ、ごはん、ごはん食べに行く(キョロキョロ)』
私『……今、食べてるのはなに?』
長男『……ハンバーガー(顔面蒼白)』
私『どんな味?』
長男『……わかんない』
私『ごはんを食べに来て、ごはんの事を忘れちゃうなら、作ってくれた人にも食べ物にも失礼だと思わんか? 君が一生懸命作ったごはんを見てももらえなかったら悲しいと思わんか?』
長男『(´;ω;`)ブワッ……思う』

 

軽く泣いた後は目に光が戻り、胸に手を当ててため息をついた。どうやら着地できたらしい。残りを食べ終えた後、笑顔で口を開いた。
長男『おとうさん?』
私『……うん?』
長男『ぼく、お腹すいた』
私『じゃあ、自分で追加注文してみる?』
長男『うん!』
そうして彼は上機嫌な時の微妙なスキップでカウンターに向かっていった。
■今だから分かること
彼がこの時期、挙動不審になったり、人との距離感や礼節、目的意識を見失ったのはいくつかの理由が絡んでいたと思います。
ひとつは成長して子どもたち同志の関係と、親との関係の違いに戸惑いが生まれたこと。
これは、わが家の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者の3人に共通しているものですが、人間関係においても【こうしてさえいればいい】とひとつの正解例に固執し、人やTPOに合わせて対応する際に、その固執が障壁になってしまう特性です。
学校の友だちとの関係性で【こうしてさえいればいい】を見つけた彼は、今度は親や先生、親類縁者や近所の大人などとの関係性に戸惑いを感じ始めていたようです。
通常の彼の場合、この人間関係での属性によるギャップは、数分~数十分でだいたい修正・補正を掛けてパニックにまでは陥らないのですが(疲労感は生ずる)、この時期はちょっと事情が違いました。
小学校入学から劇的な環境変化に対応していたため、メモリがそちらに占領され、今まで【こういう時はこうする】などの対応策を引き出す余力が、一時的になくなっていたようです。
わが家のASD当事者の場合は、同時進行・同時並行の際に全て同じ力で臨もうとしてメモリ不足を起こす特性があります。例えて言うと、PCやスマホでいくつものアプリを同時に立ち上げている時に似ています。
定型発達者は同時に立ち上げていながら、一番上のウィンドウをメインにメモリをあてて、他のウィンドウのメモリはいつでも作業に取りかかれる程度に凍結させてメモリ調整することで、同時進行をスムーズに行っています。
しかし、わが家のASD当事者3人の場合は、全てのウィンドウにそれぞれ必要な分のメモリを割り当てようとするため、あっという間に動作が重くなったりフリーズしたりしてしまう感じなのです。
だからほんの些細な行動ひとつにも、もう割けるメモリが残っていないために、ただただ答えを与えてもらおうとする状況に陥ってたようです。そして同時に【こういう時はこうする】が一時的に失われたために、すでに獲得していた動作ができなくなったり、卒業したはずの悪戯をぶり返したりしていました。
つまり、彼の場合【自分の意見の消失】と【外食時の転動・注意障害】は、一見別の問題のようでいて、根本の問題は一つでした。
今の生活状況を把握できていない
という問題です。
生活には様々な作業や習慣を求められますが、小学校に上がってから日の浅い彼には、まだそれらの意図や大義が浸透しきれず、小さな消化不良を起こし続けていたと考えられます。それらは漠然とした不安や、浮遊感を作り出していて、学校外での行動にも影響が出ていました。
これは以前、妻にも起こっていたことで、その時はカレンダーやメモ帳にやるべきことを書き出し、生活をスケジュール化し、全てに意図を明確にしていった事で軟化。さらにそういった生活の中で絡んでくる、彼女が抱えている独特なマイルール(面倒くさいことは、【相談をすることすら相手に迷惑】とか、【ごめんなさいは通じなかったらオシマイ】など)を、ひとつひとつ明文化して認知のズレを修正していくことで安定しました。
いわば【出来ないと思っている自分の意図も知っておくこと】です。
なぜできないのか分からないと、余計に不安感や罪悪感が増すからです。そしてそれは非常にメモリを食う。
しかし、長男の場合はあまりに多くの混乱、把握しきれていない憶えるべきことが多すぎたため、毎日毎日様子を聞き、よく分かっていない部分がある場合は分かるまで説明することでメモリの割当先を減らしていきました。
彼が理解していなかったことの例を挙げると、【給食係がエプロンと三角巾を着用する意図がつながっておらず、なぜこのややこしいひらひらなものを着なければいけないのかモヤモヤしていた】とか、【どうして朝お家で着替えて出てきたのに、学校ついたらジャージに着替えなくてはいけないのか】【掃除の時間はどこで何やってればいいのかわからない】など、ふつうの子ではあまり疑問に持たない一連の行動の途中段階などが把握し辛かったようです。これらの行動の意図と道理を教えることで、結局、“そうした方が便利”と気が付き、“引っ掛かり”が解消していきました。
小学校も一度生活を理解し慣れてしまえば、特にやることは変わらないので、学年が上がった時も明文化する事柄は少なく済むようになりました。
現在、彼は三年生ですが【シンプル思考】が功を奏したらしく、【今何をする時間なのか】を見つけるコツを覚えてきたようで、学校行事由来のメモリ不足は起きていません。
私はわが家の当事者3人の依存が強くなったり、不安そうになった場合は、まずメインの問題を見つけ、さらにその背景に抱えてる他の不安を探すようにしています。大抵は体調不良や疲れなど、体感覚の変化に気を取られた所に問題や選択肢が重なってハングアップしているか、気負わなくていい部分を重くとらえてしまっているためにバランス感覚を失っていることが多いです。

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中の人

  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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