長男
書いてある内容をちらっと
『違い』と『ルール遵守』の受け入れ
4歳での『自分と他者との違い』の理解が非常に大きく、無駄な癇癪やパニックが激減しました。
意見の違いを耳に入れられるようになったことで(納得まではいかなくても聞き流しはできたりする)、少しずつでも情報が頭に残るようになったのだと思われます。
意見の違いを耳に入れられるようになったことで(納得まではいかなくても聞き流しはできたりする)、少しずつでも情報が頭に残るようになったのだと思われます。
わが家の長男の場合は、ややルールに対するこだわりが強く、それによって他者を攻撃することはなくとも『静かに傷ついて』いたり、自分がルールを守れない時は落ち込んだりしていました。
このルール遵守へのこだわりは一時期強く出てしまい、保育所での他の子の言動に静かに打ちひしがれていたり、自分が調子に乗ってやり過ぎた時などは、数日間、劇画タッチで沈んでいました。
このルール遵守へのこだわりは一時期強く出てしまい、保育所での他の子の言動に静かに打ちひしがれていたり、自分が調子に乗ってやり過ぎた時などは、数日間、劇画タッチで沈んでいました。
この沈み方も段々と軽減されていき、安心していたのですが、実は『多少のルール破りを受け入れた』のではなく、『沈んでるのを表に出すと周りに迷惑』と思い込み、表面を取り繕っていたようです。これは後に問題化しますが、この頃はまだ気がついてやれませんでした。
あきらめの速さ・気持ちが言えない
人前に出るのは堂々としていても、自分で決めることや自発的な意見や気持ちの明言、練習などの努力を求められるものが苦手でした。
例えば保育所の発表会などでは、練習が始まると顔色が悪くなるまでクヨクヨ、口癖のように『ぼく、うまくできないかもしらん…』と劇画タッチの毎日。食欲も落ち、下痢を起こしたりもしていました。【子どものイベントってこんなに親が支えなくちゃいけないものだったのか?】と、当時は頭を抱えたものです。
しかし、本番当日では迷いのない目で確実にこなし、しみじみ拍手を噛み締めている5歳児とは思えない姿(あれだけ沈んでりゃあ、他の子に比べて達成感でかいべさ)。
また、この頃はテレビで見たスポーツなどに挑戦しても、最初の数分で上手く行かなければ、一発で諦めました。一度諦めると再燃が難しく、しかし好奇心は強いので色々興味を示しては、『NGスポーツ』が増えていきました。とにかく努力や練習を諦めようとするのです。
これらの正体は【成功か失敗か】の両極思考が大きく影響していました。
あまりに白黒でとらえるために、練習が練習と思えず、本番につながるものだとも把握で着ていなかったようです。最初から諦めることが良いか悪いかは別として、マイナス思考とも言えるこの思考方法は、自尊心を守る防御策ともいえます。
あまりに白黒でとらえるために、練習が練習と思えず、本番につながるものだとも把握で着ていなかったようです。最初から諦めることが良いか悪いかは別として、マイナス思考とも言えるこの思考方法は、自尊心を守る防御策ともいえます。
この両極思考は他にも『おねだり』や『相談』など、自分の気持ちを相手に伝える段階にも猛威を振るい、拒絶や失敗を恐れすぎる状態を作り上げていました。
気持ちを伝えることに関しては、この両極思考だけでなく、『自分の気持ちの把握』や『認知のズレ』がいくつも絡み合っていたので、この頃はクリアしきれていません(今もだが)。しかし、練習が必要なスポーツ等は、優れたスポーツ選手の失敗映像や練習映像を見せながら、連続した失敗の先の成功と、失敗を楽しむものでもあることを教えることで、気楽に受け入れるようになりました。
要は『そんなことでは自尊心は傷つかない』と、守るべきプライドの適切な位置を示すことだったのかもしれません。
要は『そんなことでは自尊心は傷つかない』と、守るべきプライドの適切な位置を示すことだったのかもしれません。
優柔不断・おもちゃ屋パニック
複数の選択肢がある場合、煙が出るまで悩みます。
おもちゃ屋さんでは、買ってもらえることが決定している時だと挙動不審になり、自分の気持ちとは微妙にズレたものを買ってしまったりも。
おもちゃ屋さんでは、買ってもらえることが決定している時だと挙動不審になり、自分の気持ちとは微妙にズレたものを買ってしまったりも。
これは両極思考と似ていて、『完全な選択』を行おうとし過ぎていたり、『これはまた次でいいや』などの将来につながる可能性が皆無で、人生唯一無二のチャンスのように全身全霊で臨んでいた点が大きかったのではないかと思われます。
ファミレスのキッズプレートの『AかBか』で全身全霊ですから、コントロールの要求される物欲の化身『おもちゃ』では、ありとあらゆる思考がフルで持ち上がり、オーバーワークを起こして挙動不審になり、声がけにも反応が鈍くなります。
優柔不断というよりも、全ての選択肢が【漢の決断】レベルの難易度になっていたわけですから仕方がないと言えます。
いくつかの方法を積み重ねた上で、『1度きりしかチャンスがないものもあるが、いくらでもチャンスがあるものの方が普通(こういうのはいつでも買えるから、今日買えなかったら次のお楽しみでいいんじゃね?)』などの他にも使えそうな認識を含ませた言葉をかけながら、選択への過集中を回避できるようキーワードづけていきました。
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距離が近い・よくぶつかる
近い。とにかく近い。
距離感をつかむのが苦手なのか、他の意識に気を取られて注意力散漫なのか。
距離感をつかむのが苦手なのか、他の意識に気を取られて注意力散漫なのか。
話しているうちにどんどん距離を詰めてきて、もう私を突き抜けるいきおいでしたし、『ぶつかる・たおす・こぼす』などのミスが頻繁に見られました。ただ、ずっとそうというわけではなく、何かに夢中な時であったり、興奮している時であったりと法則が見えてはいました。
これは妻にも見られることで、外食時にコップを倒すことが多かったり、何かしらぶつかって痣を作ったりしています。しかし、毎回というわけでなく、長男と同じ法則があります。
近づくのは過集中が大きく、結局本人もわかりづらくなり、余計に近づく。
ぶつかる時や倒すのは、他のことに気を取られての『メモリ不足』と、次の動作に向けた段取りの悪さにあるのではないかと感じます。
ぶつかる時や倒すのは、他のことに気を取られての『メモリ不足』と、次の動作に向けた段取りの悪さにあるのではないかと感じます。
近づきすぎなことに関しては、適正な距離を具体的に示し、そのメリット『話しやすいでしょ? 見やすいでしょ?』を納得させることでクリア。
ぶつかる・倒すは、まずこちらがそれを起こす時のパターンを把握、起こりうるパターンがきたら『こういう時に君はこうしやすいんだよ』と先に意識づけておきました。食事中の食器配置などはおかずが変わっても、ぶつからない配置などを取らせるように練習しています。
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フラッシュバック・タイムスリップ・不安症
過去の嫌な思い出が鮮明に思い返され、どんどん嫌な気分になったり、自信喪失につながってしまう状態が【フラッシュバック】。
過去の体験でも、急にその時の状況が鮮明に蘇り、自分がそこにいるかの様な錯誤をおこす【タイムスリップ】。
この2つは自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)に見られるという特性です。
長男の場合、イメージ力が強いためか、一時期フラッシュバックで苦しんでいたようです。タイムスリップはほとんど見られませんでしたが、娘には起こっていました。
長男の場合、イメージ力が強いためか、一時期フラッシュバックで苦しんでいたようです。タイムスリップはほとんど見られませんでしたが、娘には起こっていました。
例えば遊んでいてふと疲れを感じた瞬間に、同じような気候の時に叱られた思い出などが蘇り、そこに気持ちがとらわれてしまうなど。通常は嫌なことを思い返してしまっても、『うはっ』など瞬間的なもので終わりますが、表層的なものに気を奪われやすい彼には相性の悪い相手だったかもしれません。
特に【成功か失敗か】にとらわれやすい両極思考の彼にとっては、気持ちが沈むまでとことん失敗を思い出す作業に没頭することになります。
また、失敗した時に関連した失敗を思い出して、そこからフラッシュバックにつながることもありました。彼はそれがなぜか外食時に起こることが多く、それがふつうに外食で食事ができない原因にもなっていました。
今思うに、外食に大きな失敗があったわけではなく、ただでさえ転動(注意がすぐにそれてしまう)で集中するメモリがオーバーしている所に、その転動での失敗をフラッシュバックし、ド壺にはまっていたのではないかとも思えます。
【成功か失敗か】にとらわれている彼は、日々の小さな成功体験より、失敗の方が遥かに刺激が強かったのでしょう。そのショック状態や不安から葛藤がどんどん大きくなり、不安障害のような状態になるまで落ちていくことが多い時期でした。
これらは失敗にとらわれるクセが、発達によって浅くなってきたことで、悪循環になることが減少していきました。ただ、成長するに連れ、人は失敗の定義が変わっていくので、何かしらキーワードを持っておくことを考えるべきなのかもしれないと考えています。
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⇒5歳:外食で吐く・ごちそうでお腹を壊す│不安障害に似た反応
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他の子との相性
友達との遊びで、激しい癇癪や反発こそしないものの、拒絶に対する不安があるために断りきれずズルズルと押し負ける時期が続きました。拒絶に対する不安の多くは【嫌だって言ったら、遊べなくなるんじゃあ…】と言うもの。
自分が何かを断られるのが【拒絶】と感じて恐れてしまうように、他人にも拒否が別離につながる極端な【拒絶】になると思っていたのかもしれません。
彼にとって相性が悪いのは『衝動性の強い子』になります。
ふつうの子はある程度嫌なことをされれば怒ったり、その場を去ったりしますが、彼の場合は拒否することを恐れていたのでヘラヘラと受け止めてしまいす。押し切られて自分と一緒に行動してもらえるのは、衝動性の強い子にとっては嬉しい事です。
ふつうの子はある程度嫌なことをされれば怒ったり、その場を去ったりしますが、彼の場合は拒否することを恐れていたのでヘラヘラと受け止めてしまいす。押し切られて自分と一緒に行動してもらえるのは、衝動性の強い子にとっては嬉しい事です。
他の子だったら断ったり、ふだんの彼なら『いけないことだ』と踏みとどまることでも、押し切られて遊び始めるとその刺激に夢中になります。
結果、その後に自責の念に押しつぶされて、激しく沈み込んでしまいます。まだ、ようやく善悪の判断がぼんやりとついてきた所に、『どこまで人に合わせればいいか』の新たな葛藤がたされ、許容範囲を越えてしまった状態。
残念ながら、この時は本人に言葉で教えた程度で、これを自発的にコントロール出来るだけの認識を付けさせることは不可能だと判断しました。この頃くらいではまだ大人が介入するしかありません。『ダメなものはだめ』を徹底させました。
元々他者への正義感での干渉はない子だったので、これでOKでしたが『ダメなんだよ!』の強い子には【人のダメは言わなくていい】と付け加える必要があります。
元々他者への正義感での干渉はない子だったので、これでOKでしたが『ダメなんだよ!』の強い子には【人のダメは言わなくていい】と付け加える必要があります。
しかし、この辺りの問題は非常にデリケートな部分で、大人の入り方も難しい場合があります。さらに長男は人との距離感や【拒絶】の考え方が抜けず、後に小学校でいじめ問題に発展することになってしまいました。
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定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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