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アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:アスペルガーな娘

6歳:【初めて泣かずに運動会を達成!】の裏側│自閉症スペクトラムな娘

2014-09-30 Category:アスペルガーな娘
1歳:ほぼ無反応。無問題。
2歳:親を見た時からギャン泣き。
3歳:親を見た時からメガ泣き。
4歳:親を見た時からギガ泣き。
5歳:親を見た時からふてくされ、一部競技拒否。
……そして今年、初めて娘は通常の進行に問題なく沿って行動し、且つ、競技の勝敗や達成感などの本来の目標を楽しむことが出来ました。昨年末から続く彼女の様々な認知のズレの獲得や、視点の獲得があったのはもちろん、実はここには彼女独特の【平静でいられないお悩みポイント】が幾つかありました。
ようやく今までの謎も解けてきた所で、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性だけに限らず、定型の子どもの発育上にも見られる、【社会性に必要な特性の素】のようなものが分かったような気がします。一方的な観点になるかとは思いますが、明確にするためにもまとめてみたいと思います。

雑感のパンク

1~2歳くらいまで、娘が泣いていた大きな理由は、別離不安に目を奪われて【今感じていることを見失う混乱状態】だったのではないかと。直接どれが原因で癇癪を起こしているのではなく、練習していたこと・今やること・親の近くに行きたい・人がいっぱいいて不安・みんないるし自由に遊びたいなどの、多すぎる雑感でパンクした状態です。
それでも特に引き金になりやすいのは、親を見かけた瞬間の【親元へ行きたい】【行っちゃいけない】のジレンマが生み出す擬似的な【別離不安】で、これがネガティブで強い刺激なので突破口になり噴出といった感じです。
この雑感の氾濫があるため、現場から引き離そうとすれば癇癪を起こし、戻そうとすれば癇癪を起こし、ただ親に抱かれてその周辺にいることで一定の安定を取り戻します。
つまり、本人も【どうすればいいか、どうしていいのか、分からない】状態なので、これ以上説明を受けるキャパも残ってはいません。ある程度その場にいて場慣れしたり、たまたま精神状態が【盲亀浮木】的に大人の思惑にハマるといけたりもします。
命運を天に任せるとしか言いようがないと思います。
泣いている要素も多岐にわたるので、こういう場でメガ~テラ泣きくらいに到達しても、感受性が豊かなのね……と深読みせずに気楽に構えたほうがいいかもしれません。
ちなみに次男の場合は“疲れてきてグズり始めていた時に親元に行きたがって泣く”と、非常に理由が明確であったため、午後はなるべく保護者席にいさせるなどの対応が取れました。しかし、娘の様に【雑感でパンク】状態だと、親といてももう全てがヤメタラスだったりするので、保護者席に隔離が必ずしも適切とは言えない状態になりました。
ちなみに今回複数の家のお子様を、そういった観点で観察させていただいた所、【雑感でパンク】は定型の子どもにも一定数見られ、やはりその後の対処も同様でした。
次男がなぜ【雑感でパンク】を持たなかったかと言えば、おそらく興味好奇心が競技自体に向いていたことと、担任の先生が彼の性格にドハマりだったことも考えられます。

複数の不安

低年齢の頃の癇癪泣きには別離不安や【雑感でパンク】などが考えられますが、3歳以降からここにもう一つの要素が入ってきている気がします。
【家族の立場】【保育所の立場】【友達の立場】など、自分の立場に関わる視点での混乱です。
【家族の立場】とは別離不安の素と同じく、家族を見た時に家族と一緒にいる心地よさを想起させる“家族といる時の自分”です。家族用の顔というか、たいていはこちらが素顔になるのではないでしょうか?
【保育所の立場】とは保育所での生活の行事であること、自分が今保育所の子としてここにいる事を理解している“保育所にいる時の自分”です。癇癪を起こしたりすると、子どもながらに“保育所にいる時の自分”として恥じらいや悔しさを感じるので、より心の振れ幅が大きくなります。
【友達の立場】とは、友達とふざけたり騒ぐことで、いつものやや自分のペースでの楽しみ方を得ようとしている状態で、刺激を求め合って悪目立ちの原因となったりもします。
こういった“どの立場にいればいいのか”が本人の中で明確になっていない時に、自分のやるべきことを見失い、実感がわかないようなボンヤリとした不安感に突き動かされてしまうケースです。
わが家の場合、長男は一時【保育所の立場】で完璧主義に陥り、競技に不安を感じて硬直すると言う状態へ。何度も練習を重ねて分かり切っていることなのに、他の子の動きを何度も確認するようにしてぎごちなく後追い行動を取って、結局自分のペースを逃して失敗することを繰り返しました。これは後に【失敗も楽しむもの】と理解したことで、マイペースで競技に望めるようになりました。
重篤化したのは娘です。ただでさえ思いついたことが全てになりやすい、シングルフォーカスの強い彼女は、その度毎に様々な立場での欲求に突き動かされ、自分でもどうしたいのか分からなくなり【雑感でパンク】を加速させていきました。
その失敗の度に依存先である父親(私)の姿を見ると、自分の状況に絶望しさらに悪化していきました。彼女には【家族の立場】の他に【父との立場】というもう一つの仮面があったためです。それら全てに同様に完全を求めたため、自己矛盾だらけになりパニックと癇癪の渦に呑み込まれてしまいました。そのため、これ以降今年まで私は彼女の運動会に参加するのを見合わせてきました。

立場の説明

“今年は行ける!”そう確信していたので、まず、彼女には自分の立場をおさらいしてもらうことから始めました。
本番2日前
・運動会の主役は君です
・運動会で練習してきたことを成功させるのが目的です
・親や他のお父さんお母さん達は『自分の子を応援して見守る』のが目的です
・だから運動会の間は親は主役を応援するだけです
・褒めたり抱きしめたりは終わってからです
・途中、手を振ったりするのは競技前か終わって退場の時だけです

・自分の方を親や先生が見ていないからといって運動会には関係ありません

こういった事をさらっと説明した後、ややモヤっぽかったので、某海賊漫画の『ワ○ピース』に例えて追加説明し理解を得ました。
・『ワ○ピース』の主役は誰ですか?
・ル○ィは何を目的に頑張ってますか?
・ル○ィが強い敵と闘っている時、仲間は何をしていますか?
・ル○ィの闘い中に仲間が抱きしめたり褒めに来たりしますか?
・ル○ィが闘い中に仲間が見てないからって闘うのをやめたらどう思いますか?

・ゾ○の方が目立ってたからって海賊船をル○ィが降りたらどうでしょう?

彼女はこの説明を聞いた時、去年までの失敗をようやく実感として理解したようです。
『私、できてなかった……』と目に涙を浮かべました。リアルに思い出したのでしょう。この自責が悪い方に出ないか心配でした。本番当日の朝もやや緊張気味だったのですが、最初の競技でタイミングよく私たちの応援に気がついたことで笑顔を取り戻し、その後も競技と親へのコミュニケーションと分けて取り組めていたようです。

結果まとめ

大成功だったと言っていいと思います。
雑感や立場の取り違いなど、余計な思考の要素がなかったためか、体力も最後まで十分キープ。勝敗や“思い通りになるならない”に関しても、そこに余裕を奪われていないからか、一瞬立ち止まりつつもすぐに回復。それらの要素も、全体的に言えばむしろ競技に集中しつつ、家族を感じつつ、勝敗に心を動かしながら、最後までやり切るという完璧な流れを作りました。
イベントなどに参加させるかどうかの判断については、以前記事にさせていただきましたが、今回のイベントは彼女にとって良い刺激となったことだろうと思います。
問題から切り離せば対応力を失い、問題に陥れば自己評価が下がる。しかし、問題に触れなければ人間的成長はあり得ず、問題に潰されれば次の足を出せなくなる。
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)である娘と過ごしてきて、親としていつも抱えていた【社会性を取れば二次障害の危険性があり、安定を求めれば社会性を失う危険性あり】の不安に一定の区切りがついたような気がします。
私が今、ここに答えを返すならこうです。
特性による問題や二次障害の多くは、それを【正確に知らない】から起こるズレと不安が要因です。問題に関わる事実や自分の特性を知らなければ不安を感じ続けるし、そのストレスに心は対応して新たな特性や二次障害の強調を起こします。
まず、問題の対象と自分が本当に“なぜ躓くのか”を理解しなければ、それが正しいかどうかの答えさえ分からず、その不理解が周囲にまで不安を上塗りすることになりかねません。
そこまで理解してなお“恐怖”なら、【それは関わらなくていい】と確定すること。
やらせないことも、無理強いすることも、突き放すことも可能ですしどれも必要でしょう。それらと同様に【一緒に考える】姿勢もまた必要なんだと思います。
この“主役”の観点は、小学校生活トレーニングにも有効なので、ちょこちょこと強調しています。

【関連記事】

6歳:小学校入学準備とトレーニング│自閉症スペクトラムな娘の場合

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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