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Category:アスペルガーな娘

6歳:【発表会練習】アスペな娘のわかったフリ│保育所と家庭でのズレ

2014-12-09 Category:アスペルガーな娘
保育所のイベントの中でも、長い練習期間と緊張を強いられる【発表会】。内容は演劇と合奏。自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の娘には、負担になる可能性が非常に高い類のイベント。
毎年この時期に娘が不安定がピークを迎えていたので、このイベントも大きな要素を持っているであろうと、今年はさらに保育所と連携を強くさせてもらえる事となった。
実際、家に帰ってきた時の娘の様子は、疲れているのか眠いのか空腹なのか、それとも不機嫌なのかパニックなのか。ただ硬い表情でソファに沈み込んでいる様子が増え始めていた。
ところが、先生方から練習の様子を伺うと【娘ちゃん、他の子よりやる事が解ってるくらいで、本人も楽しそうにやってます】。失敗や苦手に見える点は【いざ始まる時に、違うことに気が行っちゃってるみたいですけど、近くの子達と注意しあってるみたいだから大丈夫です】との事だった。
どうも家での様子と、保育所での様子が咬み合わない。
今までのパターンから行けば、こういった沈み方は、本人も無自覚のうちに何かしらの【未解決事案】がメモリを食っていて、それを解決しない限り通常の生活は戻ってこない。これは長男も妻も同じである。
理由が分かったのは、帰宅後、妻が日課の【マルな事、バツな事日記】の中で、【バツな事】⇒『今日、なんか我慢した、注意された、よく分からなかったなぁって言うのある?』と聞いた時だった。
娘『じぶんのでばんが、よくわからない……』
ふと思い出した。【分かっているフリ】が激しかった頃の娘を。
■今だから分かること
以前まで猛威を振るっていた娘の【分かっているフリ】。家庭で起きていた大半のパターンは、【知らない=失敗・悪】などの両極思考から、聞き返したりする行動に不安を憶えて平然を装う防御のパターン。また、話している途中で【ああ、わかったわかった】と早合点をし、それ以降の話を聞こうとせず、現場でパニックを起こすズレのパターンが中心でした。
これらも自閉症スペクトラムの特性と言えば、説明がしやすくなる部分があります。
今回の保育所で起こっていた【分かっているフリ】は、家でのパターンとは少し違ったように思えます。これはかつて妻によく見られた【未解決な問題の先送り】が原因だったのではないかという事です。

先生に言葉では答えられていた

何度か出番のタイミングを失敗した時、先生が彼女に『自分が出る時がどんな時か、わかる?』と尋ねた所、娘はほぼ完璧に先生が以前説明した通りに答えられた様です。
しかし、いざその時になると明後日の方向を向いていたり、小道具に興味を持って行かれたように集中していなかったとの事。
先生は『気になる物があるから、そっちに気が行ってしまうんでしょうね』と。
これは家族や親しい人物で、彼女の特性を知らなければ、見抜くのは至難の業でしょう。彼女は【答えを知っているが、答えが分からなかった】のです。
つまり、答えを“音”として言葉で復唱する事は出来ても、その言葉から意味を汲み取ったり自分の事とイメージするまでには及んでいないという事。そして、その問題関してはその時だけ問題になり、誰かがポンと押してくれるので、自分で理解しようとするほどの案件になっていなかった可能性があります。
言葉で正解を言えるから、分かっていると思っていたのに、実際には全く行動に移さなかったり改善しようとはしない時のパターンです。

視覚優位を利用する

娘の場合は自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)に見られる特徴の一つ、【視覚優位】が強く見られることがあります。これは言葉からの理解が苦手で、代わりに視覚(図やイメージなど)からの理解や推理などに突出するなどの偏りが見られるものです。
一説では“聴覚からの情報処理が苦手だから、視覚での情報処理に長けるようになった”という考え方もあります。
ではいつも娘は【視覚優位】で、言葉での説明が一切通じないのかと言えばそうではありません。彼女の場合はその時のコンディションが強く影響することは、今までの言動からでも明白です。
保育所にもそういった特徴については、軽くお伝え位はしていましたが、今回の様に『本人が困っていないから分からない』と言う点において、まず娘が『本当は出番のタイミングが分からなくて少し困っていた』というのは察知不可能な状況であったと思います。
先生に【マルな事、バツな事日記】で浮上した娘の本心をお伝えし、その上で『文字でも絵でも構いません、反応が鈍い時は書いてみてください。次から手が掛からなくなると思います』とお手数をお詫びしながら進言させて頂きました。

結果

それまであった大事な場面での集中力低下や、他への目移りが激減。それまでも特に、大きな問題になるほどの問題こそ起こしてはいなかったものの、明らかにブレがなくなり、表情にもさらに余裕が見られるようになったとの事でした。
娘が先生にしていただいたのは、【文字で“~~ちゃんが動いたら、次”などの一覧メモを渡した】と言うもの。
“たったそれだけ?”と思われるかもしれませんが、これは以前、お年を召されたご夫婦へのアドバイスで、ASDパートナー(おそらく)に予定をメモした紙を渡して出かけて頂いたところ、いつもはすぐに不機嫌になっていたのが起こらず、帰宅時前で気分の低下が起こらなかったというご報告とも一致します。(※あくまでこの2件のケースでの結果です。必ずそうなるというものではありません)
その2日後に本番となりましたが、それまででも娘はやや安定していく様子が見られ、イベント終了とともに家庭での沈み込みは解消されました。やはり、『よく分からない』のが【未解決事案】となってメモリを浪費していたと思われます。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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