ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
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手記

オープンクエスチョン・曖昧語:【ちゃんとして】│ASDソーシャルスキル

2014-10-30 Category:手記
オープンクエスチョンとは
『最近どう?』『学校どうだった?』などの選択肢のない投げかけのこと。自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の当事者は苦手と感じる人が多い。
【ちゃんとして】を使う場面としては
・物などを出しっぱなしが続く
・ちょっとしたチェックで済むはずのケアレスミスの連続
・同じ注意が頻発した場合
がよくある感じではないでしょうか?
ちなみに、わが家の妻は、娘の診断後に読んだ本で、『AS当事者はオープンクエスチョンに困惑しやすい』という内容を読み、“なるほど”と思いながら、実は自分も困惑していた事に全く気がついていませんでした。正確な知識があっても、とらえ方にズレがある場合は、その物事に対して自分の行動を実感の伴うレベルで確認する必要があるようです。
今回はASDの家族と暮らす上で、知らず知らずに投げかけがちな『ちゃんとして』と言う、オープンな投げかけが起こす反応と、どう言い換えればいいかをわが家で取った手法からまとめてみたいと思います。

よくある情景

何度も説明したし、分かっているのか聞いてみれば“分かっている”と言う。でも、自分からは絶対にやろうとしなかったり、途中でほっぽり投げてしまうので、【ちゃんとしてよ!】と言ったが効果は無かった……。
それどころか次からは逆ギレ気味な態度が見え隠れするようになってしまった。

起きていることの整理

私たちは、正体の分かっているものに恐怖を感じ、正体のわからないものには不安を感じる
──フロイト
何をするかを質問して答えられたとしても、実は『どこをどれくらい』など範囲が分からず、途方に暮れてしまったり不安になっていて、見ないようにしようと防御している事があります。そしてどこからどこまでが“分からない事”か自覚できていないために、不安が苦手意識に移行している状態です。
ポイントは【“出来ない”のではなく、“範囲・定義・選択肢”がない不安】という事です。強い反発があったりすると、【不安】と言われてもピンとこないかもしれませんが、人間の持つストレスのほとんどは不安から来ています。
そこで【ちゃんとしてよ】と投げかけられたら、ただでさえ不安に駆られている物事に対し、“分からないから不安になっている”のに、対策のないまま目を向け、全てを解決しなければならなくなります。
この不安感に重ねて“自分が出来ていないという恐怖”が起こるため、感情が振れやすくなったり極端な返答や硬直につながるケースがあるようです。

曖昧語:【ちゃんとして】の言い換え

【ちゃんとして】と言ってしまうのは、再度同じ説明をする事での非効率を避けたり、場合によっては角が立つことがあったり“しつこい”とされてしまうことがあるために使われる言葉ではないでしょうか。
一般的には【ちゃんとして=もう決まっている物事の通りにちゃんとして】ということ。
本人が不理解からの不安を抱えているのであれば逆効果なので、ここでは言い換えというよりも、【どこからどこまで・どういうふうに】と視覚的に分かるようにもう一度説明する事が必要になります。
できればそこで生まれるメリットと、やらないことでのデメリットを理解してもらえるとさらに自発的になる可能性は上がります。
冒頭の例を元にすると
物などの出しっぱなしが続く
⇒片付ける場所の確定、片付ける際の注意点を明確にする。
例:本の片付け
『本は本棚にしまって』
『しまう時には本の背が見えるようにしないと、次に見つからなくて困るのは自分だよ』

という言葉を完全な効果として望むというより、一度目の前で片付けを説明しながら見せ、そこにある注意点をキーワードとして思い出させるようにする

ちょっとしたチェックで済むはずのケアレスミスの連続
⇒ミスしているものを具体的に挙げ、どんな時・どんな風に・どう思っていたからミスに繋がったかを明確にする。また、チェック方法などを具体的に示す。
同じ注意が頻発した場合
⇒なぜ同じミスを繰り返すのか。ミスをしないために必要な、理解できていない何かがあるのではないかを明確にする。“しなくていい事をやってしまう”のが原因の場合は、なんらかの焦りや次にやる行動などに適切な理解や、自分がやるべき事をしっかり認識できていないことが多い。

落とし穴

例えば“こたつの中に靴下を脱ぎっぱなしにされる”場合、これを毎回後になってから言っていたのでは、ほとんどの場合自発的にやってはくれないのではないかと思います。
そこでしっかりとメリット・デメリットを踏まえて説明したとしてもです。
何度もそれを続けた場合、『そう言われたってやっちゃうもんは仕方ないじゃん』と逆切れされることもあるかもしれません。ちなみにこの“仕方ないじゃん”は“ついやっちゃってるんだから、その時に言ってもらわないと困る”だったりします。後になって説明しても、その時に脱いでしまった自分の感覚も薄れているので、“失敗した”という事実だけが残ってしまうからです。
理解し認知したものでなければ、その問題を何度でも同じ手法で繰り返してしまうのも人間の特性ですので、実は起きている問題さえ抑えてしまえば先回りも可能になります。
今度やりそうな時を予想しておいて、なるべくその場で発覚させ、“今片付けて!”と自分で行動させる
と、言うように後出しでは難しいのであれば、その場で正解の行動を自分で認識してもらう方が、不安が膨らまない分スムーズになることがあります。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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