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飲み会が苦手な人の傾向と対策│ASD大人のソーシャルスキル

2014-11-05 Category:手記
【飲み会に出るのが苦手。すぐに疲れてしまったり、何か落ち着かなくて嫌】など、ふだん一対一で話したり、少人数でいるには問題がないのに、大勢の飲み会やパーティーなどで不快になってしまう方の場合です。
※自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性に沿ってまとめていますが、この特徴と一致しているからといってASDであると断定できるものではありません。またASD当事者であっても特性は様々なので、全ての方に適切な記事とは言えないかもしれません。“そう言う視点もあるのか”くらいで読み流して下さいね。

根本的な苦手の原因を考えてみる

“ふだん一対一ならそれ程でもない”とか“少人数だと問題はない”などの場合は、コミュニケーション能力や社会性が低いとは考えず、“その場その場の物差しを合わせようとしていない”と考えた方が分かりやすい事があります。
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)は知能の遅れはありません。ただ、“話の前後をつかむのが苦手”に代表されるように、全体把握よりも表層的な思考にとらわれてしまう傾向があり、場の変化に対して困惑し、防御や反発を起こしてしまうことから、社会性に苦手意識をもってしまう事があるように思います。
しかし、そういった困惑しやすいであろう場面でも、時折すんなりと適応できていて、本人もそれがなぜなのか気がついていないなど、さらっと乗り越えている時もあるのではないでしょうか?
そう言った時のパターンは
自分がどうしていればいいのか・今がどんな立ち位置か把握している時
が多い気がします。
お酒の席などは時間が進むに連れ、雰囲気や場面が変わっていきます。
その度にふっと“自分がどうしていればいいのか”が分からなくなった時に、様々な気になることが増え始め“いつまでなんだろう”とか“人に合わせなくちゃ”という不安として煽られたりします。
また、会社での飲み会などでは“お酌に回った方がいいのかな”とか“料理を取り分けた方がいいのかな”などの、“YES/NO”や“何処まで”が明確でない自問も増えやすいかもしれません。さらにそれらの不安感情から感覚過敏にまで意識が及び、ザワザワ感やいつもと違う照明などに不快感を感じたりすることがあるようです(状況不安からの不快感発生ではないかと)。

飲み会の傾向

お酒の席の大まかな流れは、【全体⇒テーブル単位⇒複数人⇒少数(人によってはテーブル単位に戻る)】という具合に向ける意識が段々と細分化されていくという特徴があります。特に苦手意識を持ちやすいのは、【全体⇒テーブル単位】までの初期に当たる部分での『どうしていればいいんだよ』という不安感ではないでしょうか。
これは環境の変化が苦手という特性にも当たるかもしれませんが、この意識の向いている方向性に問題があるような気がします。
飲み会初期は上司やリーダーシップのある人が中心になり、『全体を盛り上げよう』という空気があり、また全体もそういった雰囲気に『ついていこう』という空気があります。ここで環境に馴染むことを焦ると、求められる答えは“全体に向けた有効な会話”となりがちなので、スタートの段階からハードルが上がってしまいます。
これは確実に“未解決な問題”となりますので、それ以外の様々な処理に影響が出てきます。例えば“音が気になって話が耳に入らない”とか“何か話さなきゃと焦る気持ちが自分へのオープンクエスチョンになっている”などです。
場合によっては自分の周りが盛り上がっていないことで、“盛り上げなきゃ”とか“たち回れない”と完璧主義に陥っていたり、する可能性もあります。

本人が出来るいくつかの対策

【全体⇒テーブル単位】が終わるまで焦らない

⇒お酌組が動き出したり、最初に赤い顔の人が出てくるまで、無理に参加したり盛り上げようと頑張らない。初期は料理を楽しむくらいでも良し。
話す相手をその時々で一人に絞る

⇒話すターゲットをその場その場で一人ずつ、頭の中で“この人と話す”と意識すると、余計なメモリが奪われずに済みます。上手くいけばその会話に自然と他の人が入ってくることも。ただ、上手くいく行かないはその時の運だと思って、“話す気がある”という姿勢を初期で見せたという既成事実を作っておくだけでもグッジョブです。
“静かに飲む人”枠もあるんです

⇒もし、自分のための飲み会であれば、盛り上げようとする必要はありません。自分が企画した飲み会であれば、注文代行やお皿さげなどの実務に徹することで交わせます。盛り上げるのは盛り上げられる人が適役です。静かにゆったり飲む人がいるのも、あなた以外の盛り上げ役が苦手な人たちを和ませていると思って下さい。
帰るタイミングを決めておく

⇒時間でもいいですし、“~~さんが帰る時に帰ろう”などでも。ただし、そこにとらわれると時間が近づく時に焦りが生まれることがありますので、“見通しを立てる”くらいの曖昧さで。
事前調査

⇒『この人はこういう話が好き』などを、普段から何となくでも気にしておくと色々便利。きっかけを作って相手に話してもらうのが、問題が少なく効率も良いものです。
大木に寄り添う

⇒盛り上げ役や単に声の大きい人などではなく、どこか相談しやすい雰囲気があったり、総務的な役割を自然と果たすタイプの人を見つけておきます。呑みの席ではその人のグループを狙いましょう。
仲間を作る

⇒“私、飲みの席だとボーっとしやすいんです。そう言う時、ちょっと話しかけてもらえると助かるんですよ”と、特定の人に軽いノリで伝えておくことで、離人状態になった時に復帰のきっかけをもらう。場合によっては会話のきっかけにもなる。

そんなASD当事者を誘う時の配慮

まず、自由意志なので断られるのも当然として、さらっと行きましょう。
来て欲しい明確な意図

⇒『~~さんの話が聞きたいんですよ』とか『こういう席の方が~~の話しやすいですから』など、その人に参加する目的意識を持たせる。できれば『私、~~さんと』などの“誰が来て欲しいと思っているか”を明確にしておく事で“会話相手のより所”を用意する。
帰りたくなった時の逃げ場案内

⇒『来てみてつまらなかったら夕飯代わりに…』とか『~時くらいまでだったら大丈夫ですか』など、本人が嫌になり始めた時の立ち位置や、線を先に作っておくと気楽になるかもです。
一人にさせない

⇒ずっとべったりではなく、適度に様子を見て“困惑”がない程度に話しかけましょう。3~4人程度の輪になった頃合いなどに、まず声をかけ、グループでの話題『今~~について話してたんですけど、~~さんはどう思います?』と振ってみたり。

まとめ

呑みの席は変化が激しいのが特徴なので、その時々【どうしていればいいか】と不安にならず、【立ち位置】と【いる理由】に完璧主義にならないよう、予め立ち位置などを確認しておくと良い様です。また、意思統一しておくために、簡単な目標やターゲット(誰と)意識があると良いかもしれません。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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