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Category:アスペルガーな娘

5歳:否定的な言葉や注意が嫌い・自分にではなくても反応│アスペな娘の対策

2014-07-13 Category:アスペルガーな娘
例えば注意するときでも、『ダメでしょ!(否定的な言葉)』から入ると、パニックやフリーズを起こして耳に入らず。
『どうしてできないの!』という言葉には【どうしてだろう……】と、そこに思考がループしてしまい話が聞けなくなってしまう。(否定的な言葉に困惑、“どうして”に字義通り反応)
これらは自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の、特徴と言える部分の一つでもあるが、娘の場合は自分に向けられたものでなくても影響されてしまう。
例えば次男が危ない事をしていた時、『ああ、それは危ないからダメ』と注意した場合、次男本人は『はーい』、しかし、同室にいた娘は顔面蒼白。
すでにパニック状態なので、『ああ、君に言ったんじゃないよ』と言っても、
娘『えっ! ……言ったんじゃない、私に言ったんじゃない』
と言葉の意味を反芻しようとして混乱していく。
うかつに注意もできない。
一度、こちらからのコミュニケーションに関する【言葉の組み立て】を見直す必要が出てきた。

■今だから分かること

まず、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特徴として、【両極思考(0か100か、白か黒か)】と【字義通りに受け取る(えりを正せ=えりを正すなど)】性質があります。
特に否定的な言葉に関しては、両極思考で敏感に反応してしまい、その言葉にとらわれてしまうことがあります。
さらに【字義通りに受け取る】性質が、言葉からこちらの意図せぬ否定的なものを感じ取ってしまい、動揺してしまうことも。
【正される・訂正される・注意される・アドバイス】なども全て【否定】と捉えていた娘の場合、もう何に反応しているのかも分からず、自分の行動を止められた瞬間にフリーズを起こすことがほとんどでした。
つまり、成長していくために必要な話が、彼女の認知のズレによりことごとくブロックされてきたことになります。
(機嫌が良かったり、たまたま否定を感じなければ、すぐ憶えられる)
自分に対する言葉でなくても反応してしまう背景としては、まず考えられるのは
否定的な言葉に敏感に反応し過ぎ、前後や対象も超えて、その言葉に支配されている】という過敏な反応。
また、人に対しての意識が強く、常に自分の行動が及ぼす相手への影響を考えていたので、人が言葉を発すると全てが自分に対する言葉に感じてしまう距離感の問題。

さらにはそこまで人に敏感でありながら、言葉を耳にした時に相手を見るほどの余裕が残っておらず、自分に視線が向いていないことに気が付けない状態。

などが大きな原因だったと思われます。
冒頭の次男への注意の例でも、『ああ、君に言ったんじゃないよ』にどういった反応をしていたのかといえば、ただでさえ直前の否定的な言葉に反応して混乱しているところに、【君に言ったんじゃない=対象不明】という捉え方になり、余計に混乱の一途をたどったのではないかと思われます。
今回のメインではありませんが、こういった場合は
ああ、次男に言ってるの。君にではないよ
で、敏感な反応を回避することが出来ます。要は“対象”“意図”をハッキリ伝えることです。
これなら最初の【誰に?】の取り違いから、本人がさかのぼって修正できるからです。

注意時に取った対策

【○○だからダメ!】⇒【○○だから☆☆にしようか】
など、否定言葉を言い換えていく事に専念した時期もありましたが、彼女の場合はそこに【訂正された】と読み取れるようになってしまい、効果が薄れていきました。
これは【正される・訂正される・注意される・アドバイス】が全て否定とされてしまう、自分の自己評価に関わる両極思考から来ています。
ここで一度わが家は詰みました。
攻略した方法は意外にもあっさりで、
【君を否定するわけでも、ダメだって言ってるわけでもない。もっと良くなる方法を教えるから聞いてくれる?】

を毎回宣言してから説明するだけでした。

悪意から逆らっているのではなく、思い込んだり囚われて行動をとっているわけで、本人にあるのは【手段の選択のミス】だという本質に気がついたのがきっかけでした。
つまり、本人も分かりきっているであろう、
否定しているのは、今のやり方なだけ
あなたの能力や性格、人間性を否定していない
といった事を、改めて宣言するのです。
善悪などに敏感な両極思考は、言い換えれば自分の責任に真摯すぎるという事でもあります。
普段は頭で分かっていることでも、瞬間的に否定を感じて動揺してしまえば、自力で落ち着くのはちょっと難しくなるでしょう。
そういった場合、言葉で【ダメ】から【~~にしようか】と代替案を出す方向に言い換えたとしても、【人の言葉の否定的な部分を敏感に取り違えてしまう性質】はずっと変えられないことになってしまいます。
で、あるならば、例え自分の手段や想いを変える様な、否定的な言葉だったとしても、自分自身が否定されたと思わなければ敏感な反応は起きにくくなるのではないかと考えたのです。
わが家の場合では、この方法がかなり効果を発揮していて、娘だけでなくイヤイヤ期の次男がグズった時にも穏やかに話を聞かせられるようになりました。
もっと驚いたのは妻にまで変化が見られたことです。これを繰り返していくうちに、訂正や注意などの言葉に対して、必要以上に【自分自身への否定】と感じずに、リラックスして聞いてくれるようになりました。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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