例えば出かける予定を考えていて、子どもが喜ぶであろう場所に決めた時
私『今週のお休みは~~に行こうか?』
娘『え……っ、~~? 私○○がいい』
(○○は、だいたい無理難題な場所。酷い時は架空の場所だったり)
(○○は、だいたい無理難題な場所。酷い時は架空の場所だったり)
例えば夕食を作っている時、さっきまで娘も“いい匂い~”とやっていたにもかかわらず
長男『いいにおい! 今夜はゴハンなに?』
私『ん? ~~だよー♪』
娘『ええっ? ~~? 私○○がよかった……』
(○○はまず予測不能、当たったことはない)
(○○はまず予測不能、当たったことはない)
例えば雨の休日に予定が潰れて、好きなDVDでも観てようかと提案すると……
長男『ぼく、~~が観たい!』
次男『あ、ぼくもー』
娘『ええっ!? ~~……? ○○がいい』
(提案が通らなければ癇癪を起こし、提案が通ってもこういう時ほど観ようとはしない)
(提案が通らなければ癇癪を起こし、提案が通ってもこういう時ほど観ようとはしない)
例えば人数分そろっているおやつ(~~)と、人数分そろっていないおやつ(○○)がある場合
私『~~だったらみんなで食べられるね。~~にしようか』
娘『ええっ? ~~? 私○○がよかった……』
(例え彼女の大好物であっても、この時は否定する)
(例え彼女の大好物であっても、この時は否定する)
複数の選択肢がある場合、彼女は他の答えを待ってその逆をとるため、必ず対立や波風が起きてしまう……。
■今だから分かること
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の当事者には、自分の予定と違う流れになろうとした時、その焦りや不安感から新しい提案に対して否定的な言動をとってしまうタイプの方がいます。
これはわが家の当事者3人の場合ですが、こういう時は悪意から否定しているわけではなく、否定して相手を凹まそうなどの意図もないことが多いです。彼らはこの時、【想定していたものと変わるのが不安なので、自分が納得している当初の案に戻らないものか】と考え、新しい案の欠点を見つけることでボツになるか、本当に安心できる案かどうか打診していたりします。
では今回の娘のケースはどうであるかというと、根本的な心理は同じで、反射的な受け答えであったと思われます。
今回列挙したケースの共通点は、“~~と○○のどちらも知っていて好きだが、今それらのどちらかを得ることは、考えていなかった”ということです。
上の“雨の日のDVD”を例にあげると、好きなDVDを観られるという彼女にとっての喜ばしい状況なのですが、それまで“DVDを観る”とは夢にも思っていなかったため焦り、まず否定から入る姿勢になっていたわけです。だからこの時、どんなに好きなDVDであったとしても、彼女は最初に上げられた案には【まず否定】しておき、それの対案として同程度好きな他のDVDを挙げています。
だから思い通りの選択になったとしても、それまでが目的だったので、それを楽しむ気はそれほどありません。
ある意味で満足してしまっているのです。
ある意味で満足してしまっているのです。
遊びに行く場所やゴハンのメニューに関しても同様で、自分の発想になかったものが予定されることに、ふと心に波風を立たせ、とりあえず同程度となる対案を立てた状態といえます。
しかし、なぜ自分が【まず否定】したのか、なぜ【同程度の対案】を出したのかは、本人はまったくもって認識していないでしょう。本能に近い条件反射で彼女はこの一連の行動をとっています。
自分の中にぼんやりと答えが出ていながら、その理由が見えない状況の場合、彼女は【今思っている答えが全て】と認識し思考を放棄してしまうのです。そして、その時に自分の答えと違っているものは、全力で否定に回ってしまいます。
自分の中にぼんやりと答えが出ていながら、その理由が見えない状況の場合、彼女は【今思っている答えが全て】と認識し思考を放棄してしまうのです。そして、その時に自分の答えと違っているものは、全力で否定に回ってしまいます。
4歳の頃まではこうなった場合、少しでも自分の選択が通らない雰囲気を感じると、激しい癇癪を起こしたり感情的に不安定になっていました。彼女との会話にはキャッチボールがなく、常に【0か100か】、【イエスかノーか】の極論で、沿わなければ許されないといった張り詰めたものがありました。
5歳になり、多少の【気持ち】や【意味合い】をもたせた会話が可能になって、ようやくここでの誤解に波紋を投げかけることが出来たのです。
【今、これをしようと思ってなかったから、焦ったんでしょ?】
【そっちを選んだからって、こっちが悪いわけじゃないのはわかってるかな?】
【今回これが出来ないからって、二度とできなくなるわけじゃないよ?】
【そっちを選んだからって、こっちが悪いわけじゃないのはわかってるかな?】
【今回これが出来ないからって、二度とできなくなるわけじゃないよ?】
いきなり彼女の行動に対して、真っ直ぐに向かおうとしてもそれは意地になるだけでした。
わが家の場合は、こういった彼女が反射的に逆を選んでいる時は、その焦りの元に疑問を投げかけ、二極論に嵌り込む状況にちょっと立ち止まるスキを作ることで対処していきました。
わが家の場合は、こういった彼女が反射的に逆を選んでいる時は、その焦りの元に疑問を投げかけ、二極論に嵌り込む状況にちょっと立ち止まるスキを作ることで対処していきました。
単純に違う答えを言って、大人の反応を楽しもうとしている時もありますので、どう対処するかはその時の様子を見ながらになります。
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夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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