ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:手記

手記

寝ても寝ても寝足りない・慢性的な睡眠不足│寝付きの良いASの隠れ熟睡障害

2014-06-18 Category:手記
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者には、睡眠障害を抱えている方も多くいるようです。
わが家の長男と娘の幼い頃に共通していたのが、入眠障害と熟睡障害を中心とした睡眠障害でした。
そして、結構最近まで【寝付きのいいはずの妻も、実は熟睡障害だった】ことに私はおろか本人でさえ気が付いていませんでした。
現在、長男と娘は“寝たくない”という気持ちがない限りは入眠障害はなく、どちらかと言えば寝付きのいいほうです。妻も寝付きに関しては、横になって数分で眠りにつけるので、やや不眠気味な私は内心うらやましく思っていました。
しかし、長男には激しいうなされや夜驚症など、悪夢を見て意識のないまま暴れてしまうような、レム睡眠行動障害の様な眠りの浅さが見られました。そして寝付きがよく、ちょっとのことでは起きてしまうことのない妻も、実は眠りの質がよくなかったことが、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性を知っていくことで判明したのです。
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性として、睡眠障害を抱えている人の割合が高いことが言われていますが、我家の場合は治療などではなく、環境を調整していくことで対処していきました。
今回はそんな妻と長男の症状と、改善につなげた対策方法をまとめてみたいと思います。
※これはあくまでもわが家での対策の記録です。全ての自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)で、睡眠に関するお悩みを持たれている方に有効な手段かどうかは言えません。素人のチラシ裏の落書き的な、人ん家の日記感覚でお読みください。

長男の症状と原因

長男は新生児の頃から入眠障害が強く、1時間以内に眠れるようになったのは5歳の頃からでした。それまでは疲れが足りないのかと日中に運動させれば、今度は神経が張り詰めてしまうのか、目がらんらんとして寝付けないなど……。なかなか調整が利かない感覚がつきまといました。
まず、結論から言えば、彼の入眠障害の原因になっていたのは、【寝る】ということへの理解のなさでした。
『なぜ寝るのか』といった意図が弱く、実際は体は眠気を感じていても、意識として認知できず“寝るための意識”になれないことが原因だったようです。ただただ寝かされるといった気持ちであったため、親が目を離せばすぐに立ち上がり、遊んでしまうことが毎日のように続いていました。
目を閉じても“早く目を開けたいな~”となっているだけで、寝るという発想が全くと言っていいほどありませんでした。
最初に取った対策は、暗闇を極端に恐れる割に、明るいと余計に寝る気がなくなるようだったので、心を鬼にして常夜灯を消すことに。これは思いの外効果があり、泣きはしますがすぐに寝てくれるようにはなりました。
しかし、夜中に起きてしまった際に激しいパニックを起こし、家族を起こしてしまうので再考。今度は部屋の一部分の壁に向けて明かりを向けるようにライトを設置し、彼らに光を向けない間接照明の状態にすることに。これにより彼の寝付きと、夜中に起きてしまった場合の対策はとれたのですが、しばらくしてから激しいうなされや、夜驚症が目立つようになります。
この頃は彼にとっても、環境の変化に心が不安定になりがちな時期ではあったのですが、いかんせん幼いために投薬などはしたくありませんし、神経の昂ぶりが原因だったようなので、安静やリラックスさせるくらいしか手が浮かびませんでした。
意外と効果があったのが、照明の見直しとおまじないでした。

子どもたちへの対策

彼はあらゆる意味で“視覚優位”だったようです。寝ている間の明暗のバランス一つでも、まぶたを通して大きな視覚刺激になり、それが眠りを妨げていた様子が見られました。5歳の終わり頃くらいから、視覚刺激や雰囲気作りに反応が強いことが分かったので、そこを逆手に以下のように対策を取りました。

1:プラ版でお気に入りのキャラクターの小さなカードを作り、蛍光シールを貼ったお守りを作る

共に100円ショップで手に入るものです。これは子供用にお守りにしただけなので、もう少し大きかったり大人の場合は、目につく所に蛍光シールを貼るだけで良いと思います。
わが家の長男の場合は、雰囲気作り(主に厨二的な)に弱かったので、強そうな龍のキャラクターをプラバンでなぞって写し、そこに意味ありげに蛍光シールを複数貼り付けることで、彼の眠りの安全を守るシンボルとしました。
実際はほのかな光の安心感と、徐々に消えていくゆるやかさが、入眠するための心理作りちょうどいいと思ったのです。プラ版はダミーです。
彼は寝る時間が近づくと、それを持って『今日も守ってもらうんだから安心だもんね!』と、嬉しそうにベッドに入り、思惑通りに眠りへと誘われていったようです。朝はそれを専用の場所に安置(光を吸収させるだけ)してパワーを充電する日課になっていました。後に入眠時間が習慣付く頃には本人も自然と忘れていったので切り替えも楽でした。

2:照明を明かりセンサー付きのものに変更

入眠の安心感はおまじないが請け負ってくれたので、後は明かり調整です。夜中に暗闇にならず、明け方明るすぎずとなると、タイマー式かセンサー式が良いのではないかと考えました。
値段や子供用の寝室の部屋の広さを考慮し、うちでは廊下などで足元を照らすための、コンセントに挿しっぱなしのセンサーライトを採用しました。人感などではなく、部屋が暗くなると点灯し、明るくなると消灯するシンプルなタイプです。光源としては常夜灯よりも明るさや照らす範囲が狭く、入眠時の妨げになにくく、眠りの浅くなる明け方に勝手に消えるので重宝しています。現在使用から三年目、長寿命のLFDタイプなので今でも現役です。
入眠時の安定が採れたことと、深夜と明け方のもっとも眠りが浅くなる時間帯に、調度良い明るさに保たれることで深い眠りを安定させることに成功したようです。
夜のパニックや連日の悪夢、朝30分以上ぼんやりしてしまう寝起きの悪さは、この環境設定でクリアとなりました。

寝付きの良い妻の熟睡障害

布団に横になり、数分無言が続くと眠りについている。私からすると『傾けると目をつぶる人形』的に、なんらかの仕組みが働いているんじゃないかと思えるほど、彼女の寝付きは速かったのです。
しかし、それでスッキリしているのなら問題はありませんが、彼女の場合はお昼寝もしますし、夕方から眠気を訴えることもあります。もしかして【うつ】だったりするのではないかと思ったこともありましたが、そういった抑うつ症状は他に見られず、ただただ眠気に対して弱い体質なのだと思っていました。
そういう疑いを持ってから、寝ている妻の様子を見ていると、いくつかの特徴があることがわかってきたのです。
・物音などで覚醒することはないが、少しの音に小さく反応しているなどのリアクションが見られた
・レム睡眠と思われる時のいびきや寝返り、【うーん】と声をだすことが結構多い
・夜トイレに起きるのが日常化しつつあった
それらに加えて
・足元に高さをつけて置かないと足のむくみが起こりやすい
・寝ても寝ても寝足りないと感じていた
・嫌な夢を見ることが多く、夢で疲れることが多かった
などの証言を聞き出すことも出来ました。
状況から鑑みるに、自律神経由来の眠りの浅さや、脳内ホルモンの不安定な分泌による、睡眠の質の低さが疑われました。

妻の睡眠の質を向上させた対策

自律神経を安定させるには、充分な睡眠と適度な運動、バランスの良い食生活だと言われますが、何よりもまず妻の睡眠を向上させて、休息の密度を上げていく必要がありました。
妻の場合は就寝中、触覚と聴覚に敏感なようなので、まずは寝室からその要素をできる限り排除することを心がけました。

1:就寝時にノイズキャンセリングの耳栓をつける

ウレタン製の耳にねじ込むタイプを購入。就寝時にはそれを付けて寝てもらうようにしました。
完全に音を遮断することが目的ではなく、衣擦れや外の車の音などの、生活騒音をカットするのが狙いです。このタイプの耳栓は安価で普及している上に、使用回数に応じてだんだんとカット性能が落ちていくのが特徴です。この性能低下がバッチリでした。目覚まし時計の音や人の声などは必要な情報ですから。また、完全にカットしようとすると自分の脈拍や呼吸、血流の音を自覚してしまい逆効果でした。
彼女は雨の音、風の音、衣擦れの音に小さく反応していて、眠りが浅くなる原因になっていたようです。
時計なども極力音の出ないもので揃え、寝室の雑音を排除していきました。
妻の場合は効果が現れ、初日からトイレに起きることがなくなり、“凄くスッキリとまではいかないけど、ダルいとかもっと寝ていたいが減った”との実感があったようです。

2:エアコンや窓などからの風の向きを考える

寝具や寝間着の手触りはもちろんですが、エアコンの風や窓からの風が直接当たらないよう、布団の位置を設定。またエアコンの吹き出し口と窓の前にも、風をコントロールするように風除けを施すなどの工夫をしました。
意外と盲点だったのが、冬場の窓やドアからの位置関係で、温度差から風のような感覚があるようです。
結果的に妻の寝る場所は、網戸とドアから離れていて、エアコンの風が当たらず、やや壁とも離れている所に落ち着きました。

わが家のASD当事者に感じる“感覚”の許容量

“疲れ・眠気・空腹・体の違和感”などは、わが家の当事者3人には、その違いに気がつく前に“苦痛”に直結してしまうという特性があります。この認知のズレの原因は、感覚鈍麻などのASDの特性から来ていると思われますが、同時にそこに気を取られて頭がいっぱいになり他を感じる余裕がなくなることがあります。
こういった時はどんどんその“苦痛”に集中していき、潰れるまでとらわれてしまったり、世界の全てが苦痛であるかのような閉塞感にとらわれてしまったりもしています。
ぱっと見、フリーズしているように見えて、こういった苦痛に支配されていることがあるので、本人も周囲もその正体に気が付けないことがよくありました。
現在はこういった【感覚の許容量パンク】や【感覚から苦痛へのジャンプ】を抑えるために、苦痛が分かり次第その原因を次回から認知できるようにトレーニングを続けています。その中でも【睡眠トラブル】による感覚は、その1日を支配されてしまうことが多いので、かなり意識的に対策をしていきました。
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の当事者の中には、本人が『別に気にならないよー?』と言っていても、それは本人が認知していないだけで、地味にダメージを受けていることがあります。これは本人にそれを正しく知覚するための【これは~~の感覚だ】を教わったことがないために起きていたりします。
一度対策をとって、印象に残る感覚の改善があれば、その後は本人の実感としての認知になることがあるようです。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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