※こちらはあくまで我が家のケースですので、全ての自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)に当てはまるとは限りませんし、この文章の内容と一致していたからといってASDであることにはなりません。
あくまで個人的な話です。
あくまで個人的な話です。
文字への興味
娘の療育を行っている小児科医の先生とLD(Learning disability:学習障害)の話になった時のこと。
【3歳の頃、文字に対して興味があるかがポインかも】
字が書ける書けない、読める読めないではなく、【文字】という概念に興味を持ち、そこに触れようとするかしないか。
それが小学校低学年時代での基礎的な学習意欲や、自主性などの姿勢に現れやすいとのことでした。
それが小学校低学年時代での基礎的な学習意欲や、自主性などの姿勢に現れやすいとのことでした。
その後、一番下の定型(ふつう)の次男も3歳後半になり『ああ、確かに子供ってこうだったなぁ』と思う変化が見られ、同時に上ふたりとの違いがあったので、【文字への興味と学習意欲】の観点からまとめてみたいと思います。
長男(軽度アスペルガー)の場合
彼が明らかな『文字への興味』を見せたのは5歳終わり頃。
それまでは大好きな恐竜図鑑などを見ていても、イラストが最大関心事で、読みたがる感じは見られず。教えようとしても興味がないのか聞こうとはしませんでした。
そんな時、保育所のおともだちが文字を書くようになり、手紙ブーム到来。
突如文字を書けるようになりたいとやる気を出し、その途端に驚異的な速度で成長、小学校入学前にはこれくらい書けるといいかな~っと言うレベルを一ヶ月かからずにクリア。
そのあたりから車内から見える看板などを読み上げたり、絵本を自分で読む事に意欲的になりました。
そのあたりから車内から見える看板などを読み上げたり、絵本を自分で読む事に意欲的になりました。
長男のひらがな特訓の様子はこちらから
⇒5歳:字の読み書きの始まり│あるべき所へ興味を促すLD対策
⇒5歳:字の読み書きの始まり│あるべき所へ興味を促すLD対策
その後、小学校入学から1年生の後半まではややLDの気がありました。勉強に対して集中力が持てず、気になった他のものを探しに行ってしまったり、手をヒラヒラや貧乏揺すりが激しくなり中断する事が頻発。
学校でも集中出来ずに、授業が始まるとボーっとし続けてしまったり、酷い時は歩き出してしまうなどの報告がありました。
学校でも集中出来ずに、授業が始まるとボーっとし続けてしまったり、酷い時は歩き出してしまうなどの報告がありました。
対応
⇒厳しい時は厳しく、まずは10分間座っていられる事を目指しました。
集中できるかどうかが彼にとっては大きな鍵であり、さらに目的意識がないと非常にもろくなる性質があったので、『授業とは先生の話を聞いて覚えること』や『この勉強はなんのためにやっているか』を強調して教えました。
集中できるかどうかが彼にとっては大きな鍵であり、さらに目的意識がないと非常にもろくなる性質があったので、『授業とは先生の話を聞いて覚えること』や『この勉強はなんのためにやっているか』を強調して教えました。
例えば国語であれば『恐竜博士になるにはまず、この国語ができないとなれない。言葉や文章を正確にみんなに伝わるように使いこなせないといけないから』、
算数であれば『恐竜博士になるには、算数も必要。時代を調べるにはいろんな計算も必要だから。算数はその一番最初の“歩き方”みたいなもの』など。
さらに算数を極めると先に“数学”があって、それを知ると宇宙の先までわかる。などの『今が先につながっている』ことをはっきりと伝えました。
1年生の後半からは自主的に集中できるようになり、放っておいても下校したらまず宿題、それから遊びに行くなどが出来るように。
算数は文章問題などにやや苦手が見られましたが、国語力の上昇に合わせて解決。九九などもほとんど自力でクリアーしました。次の難関は分数か?
彼の鍵は『興味と必然性の理解』でした。
娘(アスペルガー症候群)
3歳になっても文字に興味はなく、全ての文字は母親に読んでもらうものと思っていたようです(他の大人はもちろん父親も対象外だった)。
つまり、自分で読むものとの意識がなかった。
つまり、自分で読むものとの意識がなかった。
4歳から療育に通うようになり、私が小児科医の先生と冒頭のLDの話をした後、それとなく試してみるがやはり文字に興味なし。
対応
⇒形から入りやすい彼女には、2歳児用の知育ドリルを購入。まずは物の名前を正確に覚えさせることからスタート。
というのも、想像以上に自分語や自分法則で言葉を覚えていたので、まずはその修正と正解の浸透からでした(救急車・消防車・パトカーの違いが理解できない、さんざん聞いていた桃太郎の話が理解できていないなど)。
簡単に言うと本人の【思い込み】が邪魔をして、そのまま情報を聞き入れることが出来ず、思いついた途端に話を聞いていない状態です。
時には、
『ももたろう⇒もも⇒ピンク⇒お姫様の話!』
など、謎の連想ゲームで先入観が作られ、それ以上の情報を遮断していたりもしました……。
言葉をそのまま覚えることに慣れたところで、文字の書き方からスタート。声を出しながらひらがなドリルを何度も何度も。
保育所で疲れ、人といることにアレルギーを見せたら自室でドリル。などなど、とにかく文字に触れる練習を行いました。
保育所で疲れ、人といることにアレルギーを見せたら自室でドリル。などなど、とにかく文字に触れる練習を行いました。
決まった形を同じ順番でなぞることに快感があったらしく、思いの外本人には響いたようでした。
彼女も驚異的な記憶力を見せ、3~4ヶ月後にはおともだちに手紙を書くようになりました(まだ他の子に比べると早かったのか、ポカンとされたとか)。
その後、おやつのわけかたなどで『お兄ちゃんと次男ちゃんと私がいて、チョコが6個だから2個ずつ!』など数の概念が突如芽生え(その前日まで指折り数えもあやふやだった)、急いで計算ドリルを与えてみたところ、簡単にルール(式)説明を聞いただけで、スラスラと1年生の計算ドリルを解きました。
しかし、数字の書き方を矯正されたことから興味が無くなり、現在は再燃待ちです(正直あせりもないんですが)。
現在は5歳で私の愛読漫画『よつばと!』にはまり、ひらがな・カタカナは正確に、ルビのおかげで段々と漢字も読めるようになりつつあります。
現在は5歳で私の愛読漫画『よつばと!』にはまり、ひらがな・カタカナは正確に、ルビのおかげで段々と漢字も読めるようになりつつあります。
次男(定型:ふつう)
小児科医の先生の言うとおり、すでに文字への興味があり、お店の看板や商品名などを読めなくても『これは~~』と、あたまの中で一致する名称を唱えたりしています。
言葉なども上ふたりにくらべ、1~2回、言い直させると覚えるので、ほぼ修正に苦労なし。長男と同じく突如難しい言い回しの大人言葉を交えたりもするが、あくまで言葉遊びで通常の会話もOK。
基本を教えると後は聞きながらも、間違えながらも自分から進んでいこうとする姿が見え、今までの分、手のかからなさに逆に怖くなったりします。
対応
⇒特になし。三人兄弟の末っ子の場合、兄姉の行動から学習などへの興味を持ったりするので(私もそうでした)、本人の興味にまかせています。
2歳時に姉の様子を見てドリルをやりたがりましたが、すでに兄の図鑑や漫画、絵本をいじり倒している彼には2~3歳児用ドリルは適切ではありませんでした。
三人の違いまとめ
長男は興味と不安感が鍵で、その問題の存在意義を教えると安心して集中します。家での助け舟が小学校でも花開いたらしく、成長ぶりは担任も驚いていました(それまで集中できないとボーっとして反応がなかったとか)。
娘はこれから小学校準備になりますが、知能指数は高く、学習意欲も概念が入れば動き出します。『~~ができるようになると、大人のやってる~~ができるようになる』などの現在との連続性にも響きやすい面が見られます。
次男。上ふたりの様に概念の壁や波があったり、集中できる瞬間が狭いなどの制約はなく、打てば響く感じですが、その分、子供らしい通常の集中力なので分かりやすく限界があります。
年齢相応なので、本人の興味に合わせることで問題ない様子です。
年齢相応なので、本人の興味に合わせることで問題ない様子です。
上ふたりは他の学習以外でも言えることですが、なだらかな曲線や上昇で成長するというより、一定の知識や情報が蓄積され、突如概念が頭に浸透した瞬間に発達する感じです。
それまでには非常に時間がかかったり、パニックになったりしますが、概念の壁を超えると劇的な成長を遂げてくれます。
【関連記事】⇒定型次男との違い
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中の人
夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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