ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

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手記

些細な事でいっぱいいっぱいになる・余裕が無い│ASDソーシャルスキル

2015-02-27 Category:手記
【家庭や職場で何かに追い立てられている】
【家事や仕事ですぐに疲れ果てる】
【行動する前にパニックで動けない】
わが家の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者たちの中でも、妻と娘によく見られたケースです。知らず知らずのうち、もしくは何らかのきっかけから余裕を失い、硬直・フリーズ・癇癪など情緒に響きやすくなる事がありました。
大抵の場合、本人は『どうして、いっぱいいっぱいなのか?』という理由が分からなかったり、そういう状態に追い込まれている事自体に無自覚であったりします。
特に妻の場合はこの傾向が強く、30代半ば位まで理由もなく疲れきったり、すぐに思考停止していくたび、ひとり静かに大きく自己評価を低下させていたようです。

処理しきれない問題

感覚過敏や感覚鈍麻、体調不良や気分低下などと関係がなく、また、これと言って大きな問題がない様に見えているのに、切迫感や強迫観念にも似た追い詰められ方をしている。こういう時に彼らに起こりがちだったのが、『愚痴りベタ』に陥っている状態が多かった様に思います。
例えば、新しく作業の要領を説明されている時などに、『できるだろうか?』とか『あ、めんどくさそう』などの不安や反感情は誰でもが持つものです。これがわが家のASD当事者の場合、次の様な処理をする特徴がありました。
・不安を感じたが、自分の中だけで解決しようとする
・『愚痴・相談をするほどでもない』と自分の不安度を見誤る

・とにかく進めて、物事を減らしてから考えようとしてハングアップ

未解決・未処理の問題や不安があり、それに対するストレスを受けながらも、それをどうするかの選択が抱える以外に持っていない状態です。

愚痴る自分を肯定する

突発的なショックからの劇的な反応ではないので、『わからない・ふあん・困った』をやや探ろうとできる状態であると見込めます。
わが家で妻や娘に試してもらっていた方法は、『わからない・ふあん・困った』と多少の因果関係がつかめるタイプの不安に襲われた時、それを愚痴って誰かの共感を得ることでした。
ここで言うところの【愚痴る】とは、不安を誰かにぶつけてストレス解消するのではなく、胸や頭の中で曖昧な状態で不安を増殖し続ける状態を、言葉にして現実に音として出現させることです。自分以外の誰かが共感したり、理解を示すのを確認することで、まず不安を抱えていいることを肯定されたことにするのが目的です。
いきなり【不安を感じる⇒愚痴る】は難しいので、練習し始めの様子を大まかにすると……
娘の場合
彼女がこうした状態になりやすい状況を見越して、症状が軽い段階で『今さ、君は何か胸がモヤットしたような、自分がキューっと小さくなったような感覚になってない?』など、本人が感じていそうな体感覚を示唆。
共感するようであれば『ああ、それって今何か分からなくて不安なんじゃないの?』と、その原因を提示。『そういう時は【~~がわかんない】とか【うまくできるかなぁ】とか愚痴って、近くの人に言うと楽になるよ』など、現状・原因・対策を明確に伝えた。

※現状からハッキリさせたのは、現状の異変に起こしている動揺を明確にすることで、不安感を低減できることが多いから

妻の場合
フリーズに至った段階で、『わからない・ふあん・困った』などの原因となった物事や、その前後に関わっていそうな未解決・未処理のスケジュールなどを書き出す。どの段階から自分が不安を感じていたのかを明確にし、さらに同じようなパターンに陥った時の事を合わせて思い出して比較してもらう。

パターンが分かったら、『わからない・ふあん・困った』を感じた段階で本人に明言してもらったり、慣れるまではこちらから『愚痴っとく?』など補助をした

と、まずは自分がどう不安を感じ、それによってどんな感覚を得ていたかを認識してもらい、対処には【言葉にして世に出す】事を関連付けてもらいました。
ちなみにこうした流れの中で、特に大きかったのは、『愚痴ってもいいんだ』と気づけた時だったそうです。

自主練

一人の場合や職場・公共の場などで練習する場合は、なるべく落ち着いている状態で、人間観察を一定期間意図的にするといいかもしれません。他の誰かの【不快でない愚痴のこぼし方】を耳に出来ればよいかと。
例えば
『あー、そういうの緊張する』
『これ、苦手なんですわ』

『ええー、上手くできるかなぁ』

など。
出来れば表情やイントネーション、そして関係性にも注目できるようなら、それも観察しておいて下さい。これは真似をするためではなく、一般的にはどのように“できない自分を肯定しているか”を具体的に見るためです。難しそうな人間観察も、特定の目的意識があると結構はかどるものです。
一般的に愚痴る・弱音を吐くことは、言葉を相当重くしない限りは【断固否定・断絶】などの強い意味合いにならず、むしろ物事や問題を軽くするために、ニュアンスを変えながら日常的に使われている事が分かるかと思います。

ポイント

不安を感じた場合の流れを、ふだんから簡単にまとめておくのもおすすめです。
例えば
1:不安を感じたらすぐに近くの誰かに愚痴ってみる
⇒なるべく大人や上司ではなく、当り障りのない人がベスト。できれば問題定義してきた当事者以外が良いが、その限りではない
2:不安が解消しない・共感を得られない
⇒大人や上司、もしくは問題定義してきた当事者に、『わからない・ふあん・困った』の旨をそのまま伝える

番外:悪い人・怖い人相手なら逃げて良し
⇒逃げるべき、自分を守るべき正当な状況も一応押さえる

などなど。
不安に思うこと・愚痴をこぼすこと。これらへの肯定感を持つだけでも、選択の幅は自然と広がることもあるようです。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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