ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

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手記

ASDと選択理論と『自分って○○な人だからぁ』│変化を受け入れる視点

2015-03-04 Category:手記
今まで、わが家の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者たちと暮らし、その特性に触れて逆に人間を知るということがよくありました。
例えば自分が人に謝罪をしている時、どれだけの『ごめんなさい』を使い分けていたか。どれだけ立場を踏まえて言葉を調整していたか。私はそれらを何となく行ってきていたので、言葉にしなおして再理解しようなど考えたこともありませんでした。
今回はこうした逆輸入の中でも、【自分のやり方・性格を変えられない】という人間の心理を、自分なりに理解しやすくなった事があったのでまとめてみたいと思います。

『自分って○○な人だからぁ』

たまに耳にする言葉ですが、こう言葉にされてしまうと、そこにイラッとしてしまうことがあります。ASD当事者の場合は『これはしてはいけない』『こうした方がいい』など、理由と共に言葉で伝えて、例え本人が納得しても実際に行動や言動に反映してくれない事があります。
わが家の場合は、特に娘がこの傾向が強く、どう砕いて説明してもイラストにしても、そこに従ってくれない事がよくありました。
どんなに本人に実害があろうと、なんとしても動かない。そんな彼女の言動を見ていて、『自分って○○な人だからぁ』と言ってしまう人の事を思い出したのがきっかけでした。
───これって同じことなんじゃないだろうか?
そして、娘の言動に頭を抱えている自分の事も、急に分かったような気がしました。おそらくこれも同じことなのだろうと。

選択理論

人が取る行動については心理学でも色々な考え方がありますが、今、上記の事を説明するのには選択理論が一番分かりやすいかもしれません。
選択理論は1965年に米国のウィリアム・グラッサー博士が提唱した心理学です。ものっすごく噛み砕いて、私の都合のいいように解釈すれば、だいたいこんな感じです(正しくはないです。ご興味のある方はぜひ調べてみてください)。
人は何かを受けてそれに合わせて行動しているのではなく、自分の中で選択をして行動している。例えば赤ちゃんが空腹を感じた時に泣きますが、そうすることで母親が来るという選択になり、やがては不安感を感じた時にも“泣く”事で、状況に自分の行動を選択していく事になります。
こうした行動は新生児期から始まり、様々な欲求や問題をそれぞれ本人が定めた【選択】で、状況に対応したり関わる人物をコントロールしようとします。そしてこの選択の方向性は、子供の頃に決めた事から、大人になってもそれほど大きくは変わっていかないのが特徴です。
お母さんを呼ぶために困らせる⇒
好きな子に意地悪して気を引く⇒
恋人を怒らせて気を引く⇒
難題を言い出してパートナーの注意を……
などなど
そこにある欲求に対して、相手を思い通りにコントロールすることで、その欲求を満たそうとしているわけです。例えそれが現実的に非合理的だとしても。そして、この【人をコントロールしようとする】ことこそが、社会的に起こる問題ではないかとされています。

自分のやり方・性格を変えられない

実際に自分が選択している事であると仮定すれば、なんらかの行動が出来ないといった消極的な行動も自らの選択です。また、【生まれ持った性格】といった、変えようのない目に見えない何かが支配しているのではなく、“そう選択したんだ”と観点を置くことで、なぜそう選択したのかが分かりやすくなります。
そしてそれは、思いの外、幼いころの自分が創りだした選択に過ぎないのかもしれないと言うこと。
そう考えると、今の自分の言動が手の付けられない何かではなく、“選択”を見直していけばいいことだと軽くなりそうです。実際に娘にこうした話を噛み砕いて説明してみました。
彼女は基本的に人との関わりは【人をコントロールしようとする】考えが強い事が分かり、また、その自分がしようとしているやり方(選択)を変えればいいだけだと理解した所、行動を見直す時の話の聞き方に、少しずつ変化が見られるようになりました。
おそらく彼女は是正を迫られた時、単純に自分がそうしていた事が理解できない不安感もあったのでしょうが、彼女は“選択”を変えることを通り越して、どこか自身の在り方や根本的な考え方を変えなくてはならないような不安を感じていたのではないかと。
もしかしたら、その選択をなぜ取っているのかが分からないから、余計に自分の中で自身の人物像に関わる大きな問題と錯覚しやすく、違う選択を試す態勢になれないのかもしれません。

自分の気持ちに気づくために

自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者の中には、“自分の気持ちに気が付かない”事が社会生活の中で思わぬ壁になっている方もいるようです。実際、わが家の当事者たちもそういった傾向があり、ただただ流されるままになったり、逆に硬直して強張ってしまうなどがよくありました。
ASDだけでなく、定型発達者にも言えることですが、いきなりこれに気づけと言って出来るものではありません。“今、自分はどう感じていたんだっけ?”と不安になるかもしれません。
気持ちに気づくヒント
自分はどんな選択を取ろうとした(取った)のか
それはどうしてその選択になったのか
何かをコントロールしようとしていなかったか
を当てはめて思い起こそうとすればヒントはかなり多くなります。
これは私が時折就寝時の静かな時間にやっていることですが、過去の嫌な失敗や不快に思ったこと、また自分が何故かムキになりかけた事などを思い浮かべ、上記の“気持ちに気づくヒント”に当てはめて考えてみたりしています。
こうしていると自分の心が揺れ動いた理由が分かったり、どう見せたかったのかなどの本音が、それまでは恥ずかしいことであったのに、急に大したことのない印象にまで落ち着く事があります。そして、一度理解できた問題はその後思い出しても、なんら心が揺れない様にもなったりします(解釈的には瞑想や禅でいうところの“受けて流す”に近いのかも)。
これらは劇的な変化を生み出すというより、少しずつ振れ幅が収まるようなジワジワ系なものだと思いますが、他の意見を受け入れやすくするには効果的かもしれません。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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