ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:手記

手記

アスペルガー娘の両極思考が生む周囲のダブルバインド

2014-04-02 Category:手記
わが家の娘の両極思考は教科書通りな状態だったと言えます。
両極思考とは正解と不正解をばっさりと2つに分けて、
現実も白黒で捉える『0か100か』の考え方です。
そしてそんな彼女にとってダブルバインド(二重結束)は、
非常に相性の悪いことだったようです。

ダブルバインド(二重結束)とは?

ダブルバインドとは簡単にいえば建前と本音の矛盾です。
分かりやすい例としては
昨日『仕事で疲れているんだから家事はしなくていいよ』
今日『ちょっと、見てないで手伝ってよ』
昨日『(お土産とか)気を使わないで旅行楽しんできてね』
今日『えっ、お土産買ってきてくれなかったの!?』
などの簡単な矛盾がありますが、子育てでも起きることがあって、
昨日『一緒に遊ぶと楽しいね♪』
今日『少しはひとりで遊びなさい!』
昨日『◯◯ちゃんはいつもいい子でお利口さんだね』
今日『どうしてあんたはいつもいうこと聞かないの!』
と言った『親』としての教育上・子育て上の建前と本音です。
だいたいの子はそれでもな~んとなく、
前後や過去のやりとりで判断するので、
ぼんやりと親の言うことも分かった感じになります。
これは親が悪いのではなく、そこら中にあふれている構造で、社会で生きていく生物である以上必ず起こる矛盾とも言えます。(言いたいことばっかり言ってたら喧嘩になりますから)

両極思考とダブルバインド

わが家のアスペルガーな娘の場合、『0か100か』の両極思考があるため、ここが非常に混乱するポイントでもあります。
上記の建前の通りにしないと『間違い』ととらえ、
そうしたのに相手の本音で『間違い』と言われるわけです。
定型発達者はこの建前を経験的に整理ができていて理解ができています。
こういった混乱は定型発達者も繰り返していくことで、建前を理解していきますが、両極思考がある場合は混乱の度合いが強く、大きな不安につながります。
逆に『これをしたら叱られる』はずなのにやっても怒られないケースがあれば、混乱してしまうこともあります。
うちの娘の場合は『教えられる』『注意される』『叱られる』に垣根がなく、真顔で指摘されれば『怒られている・否定されている』と捉えていました。
そのため以前に『教えられた』ことも『叱られる』はずなのに叱られないので混乱を起こし、それを怒られるまで続けようとしたりしました(特に2~4歳の期間)。
また、娘は『優しい人=ニコニコ・怒らない』『怖い人=無表情・怒る』と完全に分けているところがあり、『優しい人に叱られた』となると、それはもう彼女にとっては激しい混乱になります。
それが彼女が自ら作り出す『ダブルバインド』にもなることがあります。
優しい人はニコニコしていなくてはならない。
怖い人はブスっとしていて怒っていなければならない。
優しい人に遊んでほしいと四六時中迫ったら『しつこい』と言われた。
真顔だったので『怒っている』はず。『怖い人』だ。
しばらく経ったら『怖い人』がニコニコしながら、
『遊ぼうか』と言ってきた。『優しい人』だ。
でも遊んだら『しつこい』と怒る『怖い人』になるはずだ。
一切叱ろうとしないしタイミングよく褒めることをしない母親、
対して注意したり叱ったりしながら、褒める時は褒める父親。
私はふつうの『父親』のつもりでしたが、『人との距離感』や『両極思考の矛盾』を理解できていない彼女には【得体のしれない存在】だったのかもしれません。
対比する対象となるはずの母親が、怒らず褒めずの一定の距離を保ち続けていたのですからなおさらです。

わが家での対応策

もちろん親もある程度は意識的に言葉に矛盾を生まないようにしましたが、それに関しては社会でもありふれた状況なので、あまり神経質にはしませんでした。
そしてまず、本人の一定の成長が必要でした。
会話でのやり取りで気持ちを表現出来るようになることと、パニック時に少し立ち止まれる耐性がつくのを待つ必要がありました。
それまではもう手の施しようはありませんでした。
本人の両極思考で生まれるパニックに自家中毒のようにあえぐ姿を見守るしかなかったのです。
会話が成立し、気持ちを交えたコミュニケーションが可能になった4歳から、意識的に『~~なこともある』と曖昧なケースの指摘を多く含ませていきました。
本人がなんとなくでも理解できたところで、『優しいけど怒ると怖い人』や『怖そうだけど優しい人』などが出てくる絵本を元に教えていきました。
当時の娘の場合はふつうに絵本読み聞かせ中に『あれなに! これなに!』が多く、気になってしまうのであくまでイラストを説明するつもりで『優しいけど怒ると怖い人』や『怖そうだけど優しい人』を説明しました。
(※読み聞かせしてくれるものと思い込んでいてパニックしてしまうのを防ぐため、最初にその旨を伝えておくこともミソ)
時には自分でイラストを描いてしまったほうが速い時もあります。
まあ、私の話をまともに聞いてくれるようになるまで4年かかったわけですが……。
さらに妻も私も注意や叱る役を担い、どちらかへの役割分担の偏りを撤廃しました。『いつもにこにこ優しいお母さん』『優しいけど強くて怖いお父さん』などの役割分担は娘にとって混乱の種でしかありませんでしたので……。
現在の娘は、以前に比べればだいぶ理解できるようになってきましたし、妻も意識的に注意や叱るようになっているのでかなり安定しています。
それでも、混乱は時折生まれているので、本人の中に事例をなるべく多く正確に残るように解説してあげる必要はあります。

『ごめんなさい』が言えない理由

A『どうしてこうしたのか言いなさい!怒らないから!』
B『かくかくしかじか』
A『ふざけるんじゃない!』
これもよくあることじゃないでしょうか?
結局怒るんじゃんと心のなかで突っ込んだものです。
身に覚えのある方は結構いると思います。
特にトラウマにもなっていない人が大半ではないでしょうか?
しかし、うちの妻の場合はこれがトラウマでした。
なぜだか素直に謝れなかったり、怒られることを恐れて『謝る』状況を極端に避けようとしていました。そのせいか、物事を判断することが非常に困難になってしまうことが多かったようです。
同様な方は自身の経験に、親や立場が上の人物からのダブルバインドがなかったかを、ぼんやり思い出してみるのも良いかもしれません。
ちなみにこの文章を見なおしている時に、妻が暇そうだったので読んでもらった所、冒頭の例文の『お土産』のケースで変な声を出していました。目からウロコだったようだ……。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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