ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

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手記

否定的でふてくされた返事・提案とは違う物ばかり選ぶ

2014-05-18 Category:手記
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性のひとつに、『自分とは違う考えに否定的な反応をする』ことがあります。
例えば旅先の行き先変更に対して、文句ばかりを言いながら、結局楽しむ。これは単純に
急に予定変更されて、自分の思考した予定に戻したい・とどまりたいから否定的に指摘しようとしてしまう
反応で、実際本人はその時、そこまで否定的に捉えているわけでもなかったり、この思考回路で動いている自覚がなかったりします(本当に納得させると落ち着くことが多いので、変更の利点をしっかり説明しきれると良かったり)。
今回はそれが根本的にあると思われる、特徴的なわが家の娘の言動と、とった対応をまとめてみようと思います。

否定的な言動の例

例えば二種類のジュースがあることを知っていたとして、ひとつを娘に渡すと
え……あっちのが良かった……
と不満そうな顔をする。
これはどちらでも必ず否定から入ります。4歳くらいまでは、これすらパニックの引き金になっていました。最初から自分で選んだ場合は起きません。自分の考えそのままだからです。
(時折、途中で心変わりして、癇癪を起こすこともありましたが)
また、よくありがちなのが、思いついたことをすぐにやろうとして叶わなかったり、止められた時の絶望的な表情や癇癪泣き。
これは例えば食事中に
『一昨日食べた○○が食べたい』⇒『え? あの日に食べ切ったからないよ』⇒ギャワーン(号泣)
のパターンで起こることもあります。
そして地味に信頼関係が損なわれるのが、次のような『ふてくされた返答』です。
『そろそろご飯だから片付けてね』⇒『……はぁい(前後にため息)』
『出かけるよ、靴はいて』⇒『……はぁい(前後にため息)』
『寝る前にトイレいっておいて』⇒『……さっきいったけど(かならキツイ言い方)』
これらの返答は、例えば『DVD観たいなら片付けて(本人の観たいもの)』など、直接自分がやりたいと思っているもの以外、ほぼ全てに返されます。
ごはんはあまり好きではないので、毎回上記の例のような感じです。ただし、唯一好きなレトルトカレーの場合だけは例外。早く食べたいので進んで片付けたりします。
つまり、自発的に考えたことや、思いつき、目に入って心奪われたこと以外には全て否定的だったと言うことになります。

否定的な言動の弊害

周囲との摩擦はまだ幼いために、それほど起きていません。また、基本的に家庭外では『最初から諦めたように考えを譲る』ことが多かったり、考え違いに小さなパニックを起こして固まっているの状態なので、衝突は免れています。
しかし、これは大人になった場合にどうでしょうか?
いや、女の子の社会の場合、小学校高学年くらいの頃には軋轢が生まれるのではないかと思えます。
そして、そこまで本人の『我慢』がもたないのではないかと感じていました。実際、保育所でも社会的な行動が求められるようになると、疲弊したり気分を害していました。
自分の考えや表面的な思考に縛られるのは、実生活や社会では『すれ違いだらけ』になる危険性があると言うことでしょう。定型(いわゆるふつう)に比べ、我慢を意識する状況が非常に多くなってしまいます。
これをただ我慢する形では、いつまで耐性がもつかあまりにあやふやですし、もたなければ二次障害につながりかねません。

わが家での具体策

これは最初に目前にきた事実に対し、不安や葛藤があり、それに対して『0か100か』の両極的思考が関わってきていると考えました。
この『自分の思考とは違うもの』が現れた時に、本能的に防御しようとしてしまう反射は、なかなかに矯正できるものではありません。目に向かって飛んでくるものに対して、目をつぶらないように訓練するようなものです。
しかし、わが家の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者三人に共通しているのは、
それ自体を直せない場合は、認知や捉え方をズラす
ということでかなり回避できるという点です。
具体的には
『うっ』となりかけた時、すぐさま
【その考えもいいね】
【そんな考え方もあるのか】
と口に出して言い直してみること。
すでに否定的な言動をとってしまった後でも構いません。
提案自体には無理に従わなくても良いので、お約束的に、ただ言い直すことを繰り返します。
そのうち脳が先回りして、反射的に構えようとする時に、頭に関連した事が浮かぶようになります。
【その考えもいいね】
【そんな考え方もあるのか】
これが自分の中に用意されるだけで、いきなり『我慢』ととらえるより楽になったようです。反応は起きていますが、『重さ』の感じ方を調整できたということになります。
あくまで調整なので、苦手意識が強いものだったり、パニックにつながる関係の事実にはやはり戸惑いますが、それ以外の余計なことにまで葛藤する労力は軽減できたようです。
さらにこちらの提案の意図をイラストで説明すると、理解が速いことがよくありました。ASDの視覚優位が上手く作用していたのではないかと思われます。
認知してから行動に移るわけですから、その認知により結び付けられるよう、関連させれば良いということです。
現在、娘に少しずつ効果が見られてきています。
・突発的な気分の低下の減少
・提案に対して落ち着いた考察がみられるようになった
・決めつけや、限定的な言葉が自然と減少
……などが主なところです。
印象的には『多少やわらかくなったかな?』程度ですが、効果として大きかったのは、【環境に適応するための余裕が出た】ことだと思います。
現在はまだ幼いので、この程度でも非常にありがたいことです。更に社会性と合わせた発達をしていくことで、効果は大きく出てくるのではないかと期待しています。
一番効果が大きかったのは長男です。
やや薄くても似たような傾向のあった長男の場合、これによりリアクションや対応が柔らかくなり、かえって周囲からは『包容力がある優しいキャラ』として位置づけられているようです。
本人も冷静な状態であれば、ちょっとした違い程度なら【パズル感覚】で楽しむようになりました
この【パズル感覚】は、状況を理論的に考えるプロセスに近いため、時折驚くような代替案やアイデアにつながることがあります。
ちょっと前は少しの違いで緊張しすぎてお腹下してたのに……(泣)
まあ、目の前の違いに強く反応するのは、現実をしっかりと考える素質なのかもしれません。
ちなみに三十を過ぎた妻でも、これと似たような認知をズラしていく方法が、様々な面で効果を発揮できているので、大人のアスペルガーにも通用することが多いのかなと思います。
彼らを観察してきて思うことは、
定型はなだらかな上昇する曲線で成長するが、ASは踊り場が点在する階段状に突然成長する
ということ。
それは単純に思考時間が長く、納得の上で行動するからそう見えるだけなのかもしれません。
そして、年齢的に【~歳までには出来るようにならないと、その先での獲得は難しい】といった、成長の指針からも外れていて、後からも獲得できるものが多いということ。
これは結構うらやましい……。

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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