書いてある内容をちらっと
パートナーや子どもから、急に不機嫌な態度や、含みのある嫌味などをぶつけられる。これは意外とどこの家庭でも、その大小はあれど、よく起きているのではないでしょうか?
一般的な家庭でも、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の当事者と定型の作る家庭でも。支えあう関係にある人間関係には起こりがちだと思います。
わが家の自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)当事者3人にあった特徴のひとつに、『昨日は楽しく話したのに今日は無視・無口』や『どうせ〜だしね』などの嫌味とも取れるような『捨て台詞』がありました。
これ、当時は本当にカチンと来たりしていましたが、今は大分なくなりました。今回はこうなる理由と対策をまとめてみたいと思います。
ちなみに過去、こういったタイプの定型の友人にも通用したので、意外と用途は広いかもです。
ちなみに過去、こういったタイプの定型の友人にも通用したので、意外と用途は広いかもです。
無口になる理由
これは単純に他への『不満』を前面に出している時と、自分の『思考にとらわれている』時とがあるようです。
前者は自分の考えの通りに、相手がピンポイントで動かないと起きることがあります。
後者は自分の中の気持ちや考えに気が行き、相手にメモリを割り振れない時に起こりやすいように感じます。
今回対策を取るべきは前者でしょう。それにより見分けやすくもなります。
後者は自分の中の気持ちや考えに気が行き、相手にメモリを割り振れない時に起こりやすいように感じます。
今回対策を取るべきは前者でしょう。それにより見分けやすくもなります。
わが家の場合、天然系な妻(受動型とかで厳密に分けられないので、こう表現しておきます)と、現在の長男には攻撃的な含みはみられません。
しかし、何にでも『違う』と否定形の多かった頃の息子と、5歳中頃までの娘には攻撃的な含みも合わせて、頻繁にみられる行動でした。
特徴としては
・本人の思考と現実のわずかなズレにも不快感を表す
・相手は分かっていて当然と考えている
・自分に明確な答えがないが、対象となる相手はできると思っている
・無口になるが、溜息や舌打ち、音を立てるなどのチック様表現が強まる
・チック様表現はあまり自覚がない
・前日に機嫌が良いなどのギャップ
・こうしている時に一気に相手が感情的に反撃に出ると、訴えるだけの目的なのでたじろぐが、逆効果になる
・相手は分かっていて当然と考えている
・自分に明確な答えがないが、対象となる相手はできると思っている
・無口になるが、溜息や舌打ち、音を立てるなどのチック様表現が強まる
・チック様表現はあまり自覚がない
・前日に機嫌が良いなどのギャップ
・こうしている時に一気に相手が感情的に反撃に出ると、訴えるだけの目的なのでたじろぐが、逆効果になる
などの側面があります。
ポイントは人との距離感と依存でした。
ポイントは人との距離感と依存でした。
含みのある捨て台詞
わが家の場合、だいたいその理由は上記のような本人の不機嫌なポイントに『気づかせるためのヒント』を出そうとしていたようです。
つまり『不快にさせる』のが目的なのではなく、『自分の思考とズレている』ことのアピールが主です。
これは無口や無視が始まる前にみられることもありますし、予告的に告げておいて一方的に文句を叩きつけるための準備としている場合もあります。
起きているズレの正体
まず言えることは、相手には何かしらの現実への不満があるが、それを伝えたり起こらない様に提案する努力は出来ていないということ。単純にこちらとの関係に依存している状態です。
もちろん恋人同士や夫婦関係・親子関係には、ある程度の依存関係があることで、一定のバランス感覚が保てるのは確かです。しかし、だからといって攻撃的な態度に出るのは、冷静に考えても健全な関係ではないので『おかしい』と明確にするべきではないでしょうか?
と、言うより相手との思考や気持ちの境界線が依存のために曖昧になり、この努力の必要性に気が及んでいないことが多いと思われます。これは特に依存が強い場合(親子関係、夫婦関係)に多く、時には攻撃的な行動につながることもあります(たいていは物や自傷に向かうが)。
私はこれは一般の定型発達(ふつう)も自閉症スペクトラムも発達障害も関係なく起こっている依存関係だと考えています。
また、依存関係が根源なので、疲労や病気などの肉体的ネガティブ刺激がある場合と、不安などのストレス状態にあると余計になりやすい傾向にあるように思われます。
ちなみに前日に機嫌が良いなどのギャップがあるのは、距離感を縮めたと言う感覚があり、余計に依存を意識したためだとも考えられます。
わが家のとった対策
よくある啓発本的なマニュアルなどでは、包み込んで支えてあげましょう的な事があったりしますが、これは包む側も包まれる側もそう言った素質があると思います。うちは双方ともに無理だと判断したので、早々にお互いの距離の境界線を引くことにしました。
なるべく早い段階で相手の態度を指摘した上で、しっかりとした口調かつ余裕たっぷりで、次のように伝えました。
対子ども
『父さんは父さんでお前をよく知ってるが、頭の中までは神様じゃないから、むっつり怒ってても分からねぇわ』
対大人
『いやいや、そう言うのは付き合いの長さとか関係の深さじゃなくて、伝え合う努力の積み重ねの上で初めてできる名人芸なんすわ』
で、
『言わなくちゃ分からないが、言ってくれるなら出来る限り協力はする』
と言った将来の安心材料を必ず伝えました。ここをどれだけ真実味を持たせられるかで反応が違います。
『言わなくちゃ分からないが、言ってくれるなら出来る限り協力はする』
と言った将来の安心材料を必ず伝えました。ここをどれだけ真実味を持たせられるかで反応が違います。
同時に忘れてはならないのは、
『でも、出来る限りの協力はするけど、お互い人間だから出来ないこともあるのは理解してくれないと困る』
と、依存関係に小さなクサビを刺して置くことです。
普段の小さなやりとりから、自立した距離感を多くしておくと、後に対話がしやすくなりました。一回で効き目がなくても、少しずつ効いていくタイプもいますので、距離の置きようがない関係の場合は、ハッキリと告げていくことで効果がみられたこともあります。
『でも、出来る限りの協力はするけど、お互い人間だから出来ないこともあるのは理解してくれないと困る』
と、依存関係に小さなクサビを刺して置くことです。
普段の小さなやりとりから、自立した距離感を多くしておくと、後に対話がしやすくなりました。一回で効き目がなくても、少しずつ効いていくタイプもいますので、距離の置きようがない関係の場合は、ハッキリと告げていくことで効果がみられたこともあります。
もし、相手がその時理不尽に感情的になるようなら、その依存感覚のズレが大きい証拠かもしれません。これで中途半端に『あ、ごめんね』と引くと前例として盾にされるので、踏み切る覚悟も必要なのが重要なポイントです。どういった自立関係が持ちたいかをイメージしてブレを起こさないのもミソ。
こういった依存関係で一番難しいのは、職場の上下関係だったりしますが、こちらが多数の場合は『聞き上手』になると依存から逃れるケースもあります。茶坊主やスネ夫的手法ですが(苦笑)
『拒絶やきっぱり断る』などのイメージで行くと、こちらも関係相当な勇気が必要になりますが、『お互いの境界線を引いて協力出来る線をはっきりさせるのであれば、お互い無駄なスレ違いなく協力できる』というイメージがあると言葉にまとめやすいかもしれません。
【関連記事】⇒アスペルガーでACな母の弱点【小さな不安の支配】
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中の人
夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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