ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

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手記

アスペルガーの子どもと旅行や遠出する時の対策│悪パターン化の阻止

2014-05-04 Category:手記
わが家の場合、上ふたりだけでなく、妻も自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の特性があるため、遠出や旅行には非常に神経質になることがあります。
今回はわが家で起こりがちな遠出での問題と対策をまとめたいとおもいます。

何日も前から伝えておくべき時と
当日まで黙っておくべきパターン

旅行などのお泊りになる場合に起こる問題としては
⇒いつもの生活パターンとの変化への戸惑い
⇒『お泊り』の概念の薄さからくる『いつかえるの?』の連発
⇒怯えからの硬直
⇒疲れからくる『怒らせ⇒寝かされる』の再現
⇒不安からくる不機嫌と否定的態度
⇒突発的な興味関心のズレによる癇癪や憤り
⇒無意味な兄弟でのケンカ
通常、遠出をする時にはざっとこれらの問題が起こります。
しかし、予定とスケジュールはもちろん、そこへ行く『目的と意図』をしっかり伝えておくことで、場合によってはほぼふつうの遠出を完成させられるようにはなりました(長男誕生より7年かかりましたが……)。
基本的にはこの『早め早めからの通知』が対処となりますが、場合によってはこれが裏目に出ることもあります。そういった場合は当日、現地に着くまで教えないほうが安定したりします。
わが家の場合、この『当日まで秘密パターン』は娘がなることが多く、その目安としては以下のとおりです。
⇒本人の興味が強すぎて、気持ち的に刺激が強すぎる時
(当日まで気持ちを抑えることができず、通常生活が荒れる)
⇒苦手なイベントや環境変化が起こる前後
(通常生活からのストレスに耐え切れず、お出かけすら重荷になる)
⇒激しい自信喪失があったりなどの沈みがちな時
(環境変化と同じく、あらゆる事がパニックの理由になりかねない)
などです。
何かしらの刺激が長引いている状態は避けたほうが良いということになります。この『当日まで秘密パターン』の場合は、本当に『ひ・み・つ~』とはぐらかしながら連れて行くことで上機嫌になるか、低い反応程度に収まることが多く、比較的余裕につながることがあります。
成長度合いやその時の気分により、早めから想定しておくに越したことはありません。

意外な盲点:車内でのパターン

自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の子ども(人)の場合、同じパターンを好むことがありますが、その中でも『気が付かないうちに同じパターンに入る』という特性を持つ方もいるようです。
ええ、うちの当事者三人です。
彼らには決まった失敗パターンが幾つかあり、だいたい『こういう時って、いつもこうなっちゃうんだよなー』などと困った自体にハマった場合、冷静に初動からの行動パターンを思い返すと、『そうなるように持って行っている』ことがよくあります。
例えばわが家一番のハマりパターンをあげますと、
1:車内で上ふたりの子ども会話が『勝ち負け』に偏った内容になる
2:だんだんとその『勝ち負け』が『意地悪なやりとり』に発展
3:お互いだけでなく、色々なことに対して『悪態』をつくようになる
4:完全に自分の『不快なきもち』と入れ替わり不機嫌になる
5:目的地についても思い込みから気分が沈み、楽しめなくなる
6:疲れと合わさり阿鼻叫喚……
7:帰りの頃に正気に戻り、後悔に沈み込む
8:最悪数日~数週間沈む引き金になりかねない
実はこのパターンは『1』の段階で止められないと、ほぼ確実に『5』までまっしぐらとなり、そこの場所との相性で盛り返せるか落ち込むかが決まります(回復成功率10~20%程度です)。
これはわが家のハマりパターンですが、形を変えて他の当事者のお子様がおられる家庭にもあるかもしれません。『おかしいパターン』がある時はぜひ、初動から観察してみてください。

おかしいパターンを止めるには

わが家の場合、要因構成として、
プライドが高く『注意・是正』をマイナスに捉える傾向が強い娘。
止どころがわからないまま、ひょうきんな地のためにブースターになりがちな長男。
火がつけばどこまでも騒ぎたい年頃、三歳児の定型次男。
この三人への声がけの徹底が絶対条件になります。
A『声は“3”の声』
B『勝負やクイズはしない』
C『誰もえらくない』
Aの“3”とは、わが家での声のボリュームの指針です。小声(ありさんのこえ)が“1”、真面目なところや静かなお店での声が“2”、やや静か~通常が“3”、元気よくお返事“4”、広い所で自由に騒ぐ“5”、耳から血が出る“6”となります。
どうしても声の調整が理解しにくかった娘のために敷いたラインですが、定型次男にも伝わりやすいのでレギュラーになりました。
Aは騒ぎすぎからくる、よけいなテンションのブレを抑えるため、環境整備の目的で声がけしています。
Bはわが家独自のパターンの一つで、意味なく兄弟での競い合いが始まり、意地悪なクイズや答えのない問題を出しあい、聞いていても不快な小競り合いに短時間で発展します。
CはBの根本的なポイントのような気がします。どこかわが家の上ふたりは『お出かけ=超特別』があり、『超特別=お父さんお母さんの気を引けばもっといいこと』という図式があります。どうしてもそのせいで競い合いになるようですが、結果が伴わないため焦りを感じたり……。
ふつうだと『やっても無駄なんだからしなきゃいいのに』と思いますが、彼らのは『同じパターン』として染み付いてしまっているので、我に返る瞬間がないのです。
最初から『誰もえらくない』とよじ登る場所がないと分かれば、立ち止まることが出来ます。説明の簡略を続けた結果こうなりました。

盲点なのは妻(軽度アスペルガー症候群)

子どもへの声掛けはもちろん、その後も振れ幅が大きくなりかけたら、すぐにでも再度声がけをして止める必要があります。
しかし、妻の場合はなかなか彼らの会話の変化に気がつけません。
私に指摘されたり促されると、今度は焦りが始まり妻がフリーズを起こしたりします。助手席でこれなので、これが彼女の運転中だった場合は非常に危険なことになります……(微震)
子供達の調子がある程度良い時でも、フォロー役が私に偏ると、依存の強い彼らは段々と私の言葉に重く反応してしまい、雰囲気がどんどん悪くなってしまいます。
こういった事を起こさないためにも、なるべく普段から『パターン』が見えた場合は、彼らに自覚できるようなるべく分かりやすく指摘し、それがどうなっているかを何度でもわかるまで伝えています。
無駄の多い認知行動療法といったところでしょうか?
彼らは自分たちのその時の考えや、気持ち、体の感覚の変化を思い返し、自覚できると認知に繋がりやすいように思います。
正直な話、私は彼らのこういったパターンを前もって指摘した際の、『わかってる』は一切信用していません。
彼らの場合、『知識』と『実感を伴った理解(認知)』とは大きな距離があることがあるからです。
めでたいGW中になぜこんな記事を書いているのか?
ええ、本日この負けパターンに見事に陥り、苦い酒を飲むはめになったからですよ……(クダ)

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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