最近耳にするのが『自分の伴侶を発達障害やアスペルガーだと信じこむ人が増えている』ということ。同時に自分の子どもに同様な疑いが浮かぶ人も増えているとか。
神経質すぎる?
果たしてこれは悪いことなのでしょうか?
果たしてこれは悪いことなのでしょうか?
いや、あながち間違いではないのかもしれない。
わが家は当事者の妻と子ども2人に違和感を覚えつつ、その中で必死にお互いのズレを埋めようともがいているうちに診断が下りました。
その間に編み出していた打開策が、思いのほか本道からズレていなかったことに、安心したような納得したような。
その間に編み出していた打開策が、思いのほか本道からズレていなかったことに、安心したような納得したような。
そして、診断がくだされた時、私はショックでも悲しみでも不安でもなく、まるで血液検査で初めて彼らの血液型を聞かされるような心境でした。
『ああ、やっぱりね。そんな感じだったもん』
という。
どちらかと言えば『俺が追い詰めたのではなかった』という安堵感がありました。(自分のしつけが厳しかったのではないかと責め続けたりしていた)
事態が軽かったからじゃないか?
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身はその間もストレス症状で全身の免疫が下がり、大腸炎で入院、再発、全身蕁麻疹で狂ったように掻きむしり、不整脈と脂汗で夜中に目が冷める毎日、うつ症状からの『自殺願望』など、まあ、フルコースをいただきました。
決して軽いものではなかった。
ではなぜ私が診断に際し、平静だったのかといえば、幼い頃からなんとなく持っていた持論のおかげと言えるかもしれません。
『人間は数種類の方向性で性格が違って、どこか似たような体系別がある』
例えば第一印象が『ああ、こういう人か……』と判別がつくと、ぼんやりとしたカテゴリーがあって、その後の付き合いもどこか大小あれどそう言った関係になっていく感じ。
そして、その中には発達障害の人たちも、精神障害のある人達も、その時のコンディションで行動に差はあれどどこかぼんやりとしたカテゴリーで分けつつもつながっている感覚もありました。
2013年より『自閉症スペクトラム』という言葉が、基準の変化に合わせて主流になり、アスペルガー症候群などいくつかの言葉が表から消えました。しかし、私にとって『自閉症スペクトラム(自閉症の連続体)』という言葉に、違和感がありませんでした。
なぜなら、私にとっては定型とされる人にも『アスペルガー症候群』様な気質のある人もいて、『ADHD』様な気質のある人もいて、ハッキリと垣根を分かつものではなかったからです。
それは、もともと私は妻や長男、娘の3人の当事者と家族になる前から、彼らを知っていたことと同じだったとも言えます。
だから私は彼らに『疑い』をもった時、慌てるよりも不安がるよりも先に、『さあ、どうやってお互いの折り合いを付けていこうか』としか考えられなかったわけです。われながら文章にしてみるとニュータイプだなぁと思いもしますが……。
簡単にいうならば、私には元から『人間スペクトラム』な考えがあり、『自閉症スペクトラム』はその中のカテゴリーの一部だったということです。
もちろん、そこにハンディキャップや認知の大きな違いがあったりもするわけですが、『折り合いをつけていく』ということになんら違いはないわけです。折りすぎず、折られすぎず。
さて、冒頭の投げかけへの答えです。
こんな私なので言えることなのですが、
こんな私なので言えることなのですが、
『その疑いは“間違い”じゃない』
ということになります。
人間、まず相手がどんな人であるかを理解して、相手を選んだりつきあい方を考えます。
その時にただただ批判的な構え方を持っていれば、うまくいく付き合いも上手く行きません。それは実社会でならどこでも同じこと。
自分の人生の伴侶や子どもともなれば、真剣にそこを受け止めようと構えますし、苦しみや悲しみから入ることもあるでしょう。そしてそれはやがて、お互いの折り合いのもとに馴染んでいくものです。
結果的にそういった事を乗り越えて『幸せな家族』になるのは、発達障害も定型発達も変わりありません。むしろ柔軟で方向性があいまいになりがちな定型の方が、それ故に折り合いが難しくて、激しくこじれてしまうこともありますし。
だからまず、疑ったっていい。
でも、そこでお互いの折り合いを考えていかなければ、それはいつまでも疑っているだけってことにはなりますが……。
最初に大きなショックから入る人も、決して『相手を色眼鏡で見ている人』と避難されるべきではないのではないでしょうか?
なぜなら、大切な相手だと思っているからこそ、大きなショックを持って理解する糸口を探し始めているわけですから。ただただショックなら逃げています。
なぜなら、大切な相手だと思っているからこそ、大きなショックを持って理解する糸口を探し始めているわけですから。ただただショックなら逃げています。
わが家が快方に流れだしたのは、お互いがASDというよりも、自分の特性を理解し始めた時からです。『疑い』は『疑問』であり、『理解』していくための入口ではないでしょうか?
まあ、勝手に決めつけて病的に騒ぐのは考えものですが……。
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夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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