よく自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群/高機能自閉症)の子育て本にある、
『本人には悪気はありません』
これ、2~5歳までのイヤイヤ期の峠から、『他人と自分との境界がわからない』ために『どうして私の思った通りにしてくれない』で癇癪などの、普通に会話もできない丸三年間は全く理解なんか出来ませんでした。
彼女本人がある程度発達していき、他人と自分の違いや『0か100か』で全ては判断できないことを理解したころ、その思考方法を直接聞いて実感しました……。
なるほど、悪気はなかったんだなぁと今ならわかります。
もちろん彼女も人間ですから、全てにおいて『悪気はない』なんてことはないでしょう。なにかしらの計算もよくしていますし、わかった上で打算的な行動をすることもあります。
そして、悪気はなくても
『人がぎょっとしたり、地味~に気にさせる感じの言動』
を普段の生活でも多数起こしていて、周囲と時折本人もが困惑していることが多い。
『人がぎょっとしたり、地味~に気にさせる感じの言動』
を普段の生活でも多数起こしていて、周囲と時折本人もが困惑していることが多い。
そういう場合の親の対処ですが、療育の現場によって考え方や方針は異なるようです。
本人のスペクトラムの指向性によっても違うのでしょうが、私の場合は『それは嫌われる危険性がある』と率直に指摘しています。
本人のスペクトラムの指向性によっても違うのでしょうが、私の場合は『それは嫌われる危険性がある』と率直に指摘しています。
『否定的な言葉は悲観的に捉えやすいので避ける』など様々な先人の積み上げて来られた知恵がありますが、これらは受け手側の解釈によって方針が変わります。私の場合は言い方を変えて『それはあなたの望む反応をもらえる方法ではない』などと否定ではなく結果論の修正を提案しています。
うちの娘の場合、根本的にそういった言動を取る時の発想は
『教えてあげようとした』
『純粋にそう思った』
『間違ってるとおもった』
『喜ぶとおもった』
『純粋にそう思った』
『間違ってるとおもった』
『喜ぶとおもった』
など、他への自分なりの配慮で起こることが多く、結果的に周囲と溝を作ってしまったりしていました。
本人にとって悪気はなくとも、定型脳で成り立つ社会では通用しないことが多いからです。
定型の次男は『こういう系のことはダメなことがあるよ』と言うだけで『ああ、じゃあこんな感じのことはやめておこう』とジャンル分けで勝手に理解していってくれます。
しかし自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の上ふたりの場合、ジャンル分けが苦手。
同じ伝え方では混乱したり、次に同じような場面に立った時、前回の失敗にとらわれて同じ行動をなぞるように再現してしまったりします。
同じ伝え方では混乱したり、次に同じような場面に立った時、前回の失敗にとらわれて同じ行動をなぞるように再現してしまったりします。
『それ前にも言ったよね?』っていう、もっとも彼らふたりが混乱する状態です。
(=失敗したろ?なオープンクエスチョンでもある)
(=失敗したろ?なオープンクエスチョンでもある)
今まで長男から娘と一緒に試行錯誤した結果、一番座りがよかったのはなるべく多くの『正解と不正解のケース』を覚えてもらう様にすること。
色の並びを増やすことでグラデーションをなめらかにする感じといいましょうか。
もう、がんがん喋って教えていきます。本人が困惑していなくても、隣で現象を文章にして再度伝えたりします。認知の仕方にズレが生まれやすいのなら、認識が作られる前に解説してしまおうという方法です。
ポイントはあくまで『解説』。
説教ではなくて『解説』。
説教ではなくて『解説』。
解説者がつまらない番組は観たくないですよね?
だから興味引くような方向から『解説』。
だから興味引くような方向から『解説』。
1現状確認
例:おお~っとA選手、ボールキープ!
『それって◯◯ってことだよね?』
『その◯◯、~~と思ってる?』
『その◯◯、~~と思ってる?』
2軽い共感
例:A選手、~~には定評がありますからね
『ああ、~~なふうにしたいよね~』
『~~か、いいねぇ』
『あー、わかる気がする』
『~~か、いいねぇ』
『あー、わかる気がする』
3問題定義
例:しかし、ボール持ち過ぎじゃありませんか?
『でも、それだと相手は◯◯って思うかもしれないねー』
『そうすると~~までに時間がなくなっちゃうかもねー』
『そうすると~~までに時間がなくなっちゃうかもねー』
4解決口上
例:B選手がサイド上がってきましたよ、これはチャンス!
『なら、こうしたほうが伝わるかもね』
『こっちの方が~~の分、いっぱいできるんじゃね?』
『こっちの方が~~の分、いっぱいできるんじゃね?』
一定量が蓄積されてくると、行動に自信が見られるようになることがあります。迷っていない感じ。
失敗を責められてパニックすることも、現実とのギャップを理解できないまますすむわけでもなく、否定もされない。その上で着地点を示されれば安心に変わりやすい傾向がありました。
失敗を責められてパニックすることも、現実とのギャップを理解できないまますすむわけでもなく、否定もされない。その上で着地点を示されれば安心に変わりやすい傾向がありました。
そして余裕があるときには本人の自覚なく、勝手にジャンル分けした行動が取れています。
その状況をまた解説してあげたり。とにかく状況を言葉やイラストなどの現実の現象として再現してあげます。
そこで今までのケースとつながると、ジャンルだてた思考法に近い、記憶群のまとまりができることがあるようです。
んん~、SSTというか、他人への認知行動療法と言うか……。
年齢によって段々と求められることは変わってくるでしょう。
しかし、基本的な事はそう多いものでもないような気がします。
しかし、基本的な事はそう多いものでもないような気がします。
彼らがさらに発達してきた時、今度はズレを見つけるための思考法を、様子見ながらみつけて行ければいいかなぁと今は考えてます。
【関連記事】⇒愛着と依存を軽くした方法
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中の人
夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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