つまり、自問自答する時に浮かんだ言葉が、そのまま自分へのオープンクエスチョンになってしまっている状態です。
こういう時は本当になぜフリーズしているのか、周りはもちろん、本人でさえ分からなくなることがあります。そしてわが家の場合はこれが意外に多く起こっていました。
状況を見ずに“言葉”にとらわれる
基本的に一話題、一テーマが鉄則であり、的確に指示できていることがポイントです。
例えば妻が何かに困っていて、自分で【分からない時は、人に相談しよう】と思い浮かべた時、彼女はそこから以下のように考える可能性があります。
“助けてもらうほどのこと?”
“これはちょっと頑張れば自分で分かることだよね?”
“相談なんかしたら、凄く迷惑なんじゃ……?”
“できないって事にされるんじゃ……?”
セルフオープンクエスチョンの特徴
もうひとつは“いくつかの意味合いのある別の言葉を、一つの表現にまとめようとする”という性質。
このふたつが明確にすべき言葉の意味合いを、曖昧な感覚のままなんとなく使い続けてしまっているように思えるのです。
ABA的メモメモ法
ただの言い間違いやズレが、そのまま状況判断に用いられることがあるということです。
2・漢字の読み間違いの様な言葉を訂正されても何度も使う
3・場にそぐわない大仰な言葉選びや丁寧語
4・ネガティブな言葉に対して極端な程度を設定する
5・余裕が無い時は言葉を受け取るネガティブさが極端に強い
6・機嫌がいい時は言葉を受け取るポジティブさが極端に強い
【4】の場合は全てにおいて『嫌だ』『苦手』『最低』などの言葉で片付けてしまう事が多いので、その際に実際どれくらい嫌なのか・苦手なのか・よくないと思うことなのかを確認していきます。
それを本人も分かりやすい言葉でレベル分けにしていくことで、言い換えてくれることもあれば、こっちが聞き出す足がかりになることがあります(何がどうしても耐え切れない・我慢はできるくらい・うーんって思うくらい・言ってみたかっただけ・意味はない……など)。できればその時に、『横隔膜がグッと押された感じ』など、感情による体感覚も聞いておけるとさらに掴みやすくなります。
気になるパターンというのは、使い方のズレと問題とが絡んだ状態ですから、全ての言葉を精査するような膨大なデータにはならないはずです。
ここに注意を払うことで指示ミスを防いだり、本人に“そういうところがあるよ”と指摘してあげるだけでも、視界が拓けることがあるようです。
具体的なアプローチと対策
子どもの行事や仕事の日程に関して抱え込みオーバーワーク状態
自分が失敗したことを認め、助けを求める・自力を諦めること
自己評価を下げるような意味合いに感じていた
対策:
日程や抱えている事を伝えることは『報告』
そう言った時に知恵やヒントなどの手がかりを借りることが『相談』
自力を諦めるとか失敗の尻拭いは『助けて』
と、相談に内包されていた彼女の意味合いをほぐして、とるべき行動を一つに絞った。
保育所のイベントの手伝いに遅れて参加し、何をしようか考えすぎてフリーズ
自分も他の人達のように『何か』を見つけて動かなきゃいけない
『手伝わない』のは悪
対策:
そこにあるものから選ぶ、有を数えてから選択する視点を持つ
『何か手伝います』は混沌とした交渉を生む危険性があるので怖いが、
出来そうな物を見つけて、『あ、それ手伝います』は二~三択しか生まない。
なぜ彼らがそう思ったのかが分かった時点で、多くのことは対策が取れることがあります。
幼児の場合は、ある程度の発達を待つ必要があるので、時間がかかりやすくなります。幼児の場合は社会性を求められる5歳以降から通用する点があるかもしれません。
【とった行動ひとつひとつの、本人にとっての“意味合い”を記録していき、それを条件ごとにまとめて、基準を作成】
この“補正をかけていく”部分などが非常に難しくなるため、優れた専門家や臨床心理士さんの手によって行われる必要があるとも言われています。
また、厳密にこの方法論に乗っ取らなくても、“とった行動ひとつひとつの、本人にとっての“意味合い”を記録していく”過程だけでも、支える家族として大きな成果につながることがあると思われます。
当事者本人の苦痛や認知を理解することが、最も基礎的な快方へのアプローチになることが多く、家族側も“進んでいる”というポジティブな心理を保てるためです。
【関連記事】⇒その他の具体策
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中の人
夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。