お菓子には貪欲だが、食事になるとあからさまに興味がなくなる娘。2~3歳ごろから食が細く、対策に決定打もとれないまま5歳になってしまった。
その中で編み出したのは、『少なく小さく盛りつけ作戦』
これはつわり中の妻に評判の良かった、【食べることを強要されている感じがない出され方】をさらに子供用にアレンジしたもの。
また、気が散りやすい物が目に入らないように、娘の座る位置を工夫。それは置物や消したテレビ画面(暗い画面に自分が映るから)はもちろん、最も依存が大きい私は目線に入らない隣の席、正面は最も依存の少ない次男を配置など考慮。
するといつもの倍近くの量を食べられるように!
……が、数分後。
娘『痛い、お腹が痛い、あああーっ!』
とベル◯らばりの劇的なアクションでうつぶせになって苦しがりだす娘。目はどっぷりパニック色。でもやっぱり体は真っ直ぐになっている(通常、腹痛の場合は本能的に体を丸める)。
私『ねえ、それってお腹が痛いんじゃなくて、お腹が一杯なんじゃない?』
娘『……お?』
娘の
【お前は一体なにを言っているんだ?】
といった顔。
……久しぶりに来たね、この鳥肌が立つような、開拓し甲斐のある広大な野原は!
ようし父さん、存分に認知と言う名のクワをふるっちゃうぞ!
ようし父さん、存分に認知と言う名のクワをふるっちゃうぞ!
■今だから分かること
自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の方には、偏食や食事への関心が薄いという特性を持ったタイプがあります。娘は偏食と言うよりは、先入観での阻害や、興味関心の薄さが目立つタイプで、食べる時は食べますがそれは年に通算2~3週間程度でした。
この時、さらに食事に対して消極的であった理由が分かったのです。
それは【満腹感を腹痛と勘違いしていた】ということ。
たぶん、もっと幼いころにそれが起きていて、お腹の違和感を理解できないまま【不安】として処理してしまい、なんとなく潜在的に食に対して消極的だったのではないかと思われます。
それは【満腹感を腹痛と勘違いしていた】ということ。
たぶん、もっと幼いころにそれが起きていて、お腹の違和感を理解できないまま【不安】として処理してしまい、なんとなく潜在的に食に対して消極的だったのではないかと思われます。
実はこれは3歳くらいの頃にも何度か起きていて、その時はパニックからの癇癪泣きで手が付けられず、話が通用しなかったために進められていない案件でした。
5歳になり、多少会話が成り立つようになった彼女は、この【それがお腹いっぱいって感覚なんだよ】をようやく聞き取ることができました。『ああ、なるほど』という顔、その直後にはすっくと立ち上がり、おもちゃを取りにいける展開の早さにたじろぎました。
満腹感の取り違いに不安を感じていただけのようです。
もしかしたらうつ伏せになったのは、飛び出しそうになるお腹を押さえつけていたりして……。
もしかしたらうつ伏せになったのは、飛び出しそうになるお腹を押さえつけていたりして……。
それ以後、彼女は興味を奪われないか、大きな先入観や食感への違和感を持たなければ、ほぼ一般的なカロリー摂取が日常的に摂れるようになりました。
ちなみに『少なく小さく盛りつけ作戦』は、おかずの品目を少なく、盛り付けも普通料の2~3分の1に抑え、楽に完食もしくはおかわりを誘発させるのが目的です。そうすることで義務感や強要などの重圧を軽減し、達成感で満たす効果がのぞめます。
その際はよくある『お子様用小分けプレート』などではなく、小鉢型の小さな深皿で個別に出すのがお薦めです。気がそぞろになりがちなわが家の子どもの場合は、プレートでは食べにくくて集中力が途切れやすく、結局お箸でも困ったらすくうようにしておかずを取れる形状の方が難易度が低くなりました。
※ここに来るまでにも食の概念を敷くために取った方法がありますので、よろしければ下記の過去記事をどうぞ。
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中の人
夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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