長男
おともだちと遊んでいて、同じ遊びを続けていたのに突然『やめてよー』と泣き出す。
デパートの帰りの駐車場で、『あれが欲しかった……』と泣き出す。
積み上げた布団でダイナミックな遊び中、もう終わろうかというタイミングで『こわかったぁー』と泣き出す。もうわかりきっていると思っていた事を、『本当は全然わかっていなかったが、尋ねなかった』と後になって分かることも。
なぜ、いつもタイミングが遅れるのか。
■今だから分かること
3歳までの『思ったことを言う』から一転、今度は『気持ちを言えない』状態になりました。
これは大きく2つに分けられます。
これは大きく2つに分けられます。
【その時の自分の気持ちに気がつかず、後で分かった】
【これを言っていいのか、悪いのか判断に迷って言い難かった】
【これを言っていいのか、悪いのか判断に迷って言い難かった】
です。
前者は2週間以上たってから言い出すこともあります。後者は比較的速いのですが、その迷いを『恐怖心』と勘違いし、余計に気持ちを言いにくい体制にハマり込んでしまったりします。また単純に断られることが『拒絶』と感じてしまい、辛かったようです。
これは自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)にある特性の1つ、『0か100か』の思考に関連するかもしれません。『いいよ』『だめ』それら両極で判断するわけですが、彼にとっては『受けとめてくれた』か『拒絶・拒否』などのオーバーな意味合いになっていたものと思われます。
当時、彼には『人を傷つけたり、嫌な気持ちにさせないのなら、気持ちをちゃんと言いなさい』と伝えましたが、この『嫌な気持ちにさせない』が理解できなかったらしく、この問題につまづきました(この分からないことも言えない)。
【自分の気持ちに気がつく】のは、まだ無理だと判断し、この時は【言っていいのかの判断】についてトレーニングしました。いつまでも親が気づいてあげていてもアレですので。
画用紙にイラストを書きながら、
まずはお店でのおねだりの仕方についてのケーススタディ。
まずはお店でのおねだりの仕方についてのケーススタディ。
『お店ではすぐに買ってはもらえないかも知れないけど、
言わないと絶対に買ってもらえることはない』
言わないと絶対に買ってもらえることはない』
『その時、断られたとしても、それは間違いや拒絶じゃなくて、
買う用意が整っていなかっただけ』
買う用意が整っていなかっただけ』
『だから泣いて叫んでも買ってもらえないが、
伝えておけば用意ができた時に買ってもらえるかもしれない』
伝えておけば用意ができた時に買ってもらえるかもしれない』
『買ってもらえればもうけもの。
買ってもらえなくても相談を入れたことになる』
買ってもらえなくても相談を入れたことになる』
『この相談は、守ってもらえないこともあるけど、
言ってみるだけゼロじゃない』
などを説明。
彼はこの【相談】の概念で、買ってもらえなかった時のショックが、恐怖にならなくなったようです。
『言わないと気がすまない』⇒『言えない』⇒『相談してみる』に進化。
この後から、おもちゃ売り場付近などで、ちょろちょろっと耳打ちをしてきたりするようになりました。
『言わないと気がすまない』⇒『言えない』⇒『相談してみる』に進化。
この後から、おもちゃ売り場付近などで、ちょろちょろっと耳打ちをしてきたりするようになりました。
また、これの理解に合わせて、遊びに混ぜて欲しい時の『いれて』を説明。
この『いれて』はかなり幼い時に伝えてありましたが、彼にとっては『受けとめてくれた』か『拒絶・拒否』のどちらかにとらえられていたので、『きみの参加の用意ができていないこともある。それは遊びの準備や人数かもしれないし、きみが小さいからかもしれない。無理して怪我したりしないように止めてくれたのかもね』と、お店でのケーススタディでのキーワードを共通させて説明しました。
この『いれて』はかなり幼い時に伝えてありましたが、彼にとっては『受けとめてくれた』か『拒絶・拒否』のどちらかにとらえられていたので、『きみの参加の用意ができていないこともある。それは遊びの準備や人数かもしれないし、きみが小さいからかもしれない。無理して怪我したりしないように止めてくれたのかもね』と、お店でのケーススタディでのキーワードを共通させて説明しました。
『入れてくれたらもうけもの。入れてもらえなくても相談を入れたことになる』
また、
『嫌だとことわるのも、お友達との仲良しをやめることじゃない。
安心して断って、後で違う遊びで遊べばいい』
また、
『嫌だとことわるのも、お友達との仲良しをやめることじゃない。
安心して断って、後で違う遊びで遊べばいい』
この理解が出来たことで5歳以降の社会性が非常にスムーズに行きました。
特に5歳からは【子供同士の遊びで社会性をつけていく】時期になりますので、
このケーススタディは時期的にはバッチリでした。
特に5歳からは【子供同士の遊びで社会性をつけていく】時期になりますので、
このケーススタディは時期的にはバッチリでした。
ある意味、早めに問題化したことが好機となった良い例だと思います。
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中の人
夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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