書いてある内容をちらっと
『0か100か』の思考
自閉症スペクトラム(アスペルガー)に多いとされる『0か100』かの思考。娘は0歳の終わり頃から始まり、この1歳から激化が進みます。
1歳頃の娘の『0か100か』は、おもに『希望や先入観とのズレ』に強く出ていました。
【こう遊ぶものと思っていた】
【こうしてくれるものと思っていた】
【こうしてくれるものと思っていた】
など、自分の中でふと想像したものが全てになり、それと異なると癇癪もしくはパニックを起こし、それ以上受け入れることができなくなります。
例えば大きな公園で遊ぼうとした時、一番最初に見たものがボール遊びしている人たちの姿で、【これからボールで遊ぶんだ】と思ってしまった場合、親にすべり台に連れて行かれると【思った遊びと違う】のでパニックを起こし、何が何でもボールでなければ納得しません。
そして実際には【ボールで遊びたい】とも違うので、いざボールを与えても興味が無かったりします。つまり欲求の向きが『妄想の再現』に向かっている状態。
1才児では会話でのコミュニケーションも難しいため、このパニックの理由や欲求の正体などが全く解りませんでした。また本人も【ボール】や【違う】などの単語も発せなくなるほど混乱しているため、彼女の考えを理解するヒントがどこにもないのです。
先入観自体、本人としては『楽しい』や『嬉しい』ことになるポジティブな発想が多いのですが、少しでもズレるとパニックになるため、結果的にネガティブな事になります。
脳の発達で『希望や先入観』が複雑に
この後も思考回路の発達に合わせて、この先入観はより複雑になります。
時には以前に読んだ絵本の『現実では起こりえない』ことまで、先入観として思いついてしまうため、私たちは『何も起きていないのになぜパニックをおこしているのだろう?』と頭を抱えることになります。
時には以前に読んだ絵本の『現実では起こりえない』ことまで、先入観として思いついてしまうため、私たちは『何も起きていないのになぜパニックをおこしているのだろう?』と頭を抱えることになります。
このパニックは自閉傾向のある人が苦手とされるポイントに偏るのではなく、娘独特な斜め上発想で頻発するため、傾向がつかめず対応も遅れました。
私たちが彼女の気持ちを理解できるようになるのは、ある程度冷静にはなせるようになる5歳の頃です。
特にパニックが頻発する休日
我が家は長男も娘も、親の存在への依存が強い傾向にあります。
もちろん『甘えたい』『だいすき』など、愛情や心の発達に必要な親子のコミュニケーションは大歓迎なのですが、娘の場合は『親に何かをしてもらう』『一緒にやる』や『何しても許してもらえる』などに強くこだわり過ぎてしまう傾向にあり、親といる限り『要望だらけ』の時間になることが多くなります。
この『要望』が直接、『希望や先入観』になるので、娘にとって休日はパニックが起きやすい時間になります。
日常化する傾向
こういったパニックが起きたり、失敗につながることがあると、『0か100か』で捉える娘には非常に印象的な出来事になります。
『正され嫌い』によって『怒られること』を意識するあまりに『とらわれ』、その『怒られる』行動をわざわざ無意識にとってしまう傾向のある娘。
この『希望や先入観』で起きたパニックも当然『とらわれ』の原因になり、彼女の中に刻み込まれることに。
結果的に【休日が来るとパニックを起こしてしまう自分を意識しすぎる】ようになります。休みの日が来ると親とのコミュニケーションを意識しすぎ、緊張状態が続くために、本人も家族も全くリラックス出来ないものとなってしまいました。そしてその構えは本人が納得しない限り解けませんし、月曜にはケロッとしてるといった具合に本人の捉え方次第になります。
これと同じように、一度の失敗でも彼女の中に強く残れば、その過去にとらわれてしまうために似た状況・環境がくると『脳内で再現(フラッシュバック)』されてしまいます。
こうなると激しい緊張が始まってしまい、他の声に一切耳を傾けなくなりますが、不思議と長時間になると自ら【失敗】して終わらせる流れを作ろうとします。
パニック頻発の休日を助長していた妻の行動
その頃の妻は『子どもの教育や叱り方がわからない』にとらわれていたために、本来であればタイミングよく『ダメ』や『いけない』『おしまい』など、子どもにとって『終わり』を知る機会となる拒絶をしませんでした。
なにか要望をぶつけられれば『う~ん、そうね~』と答えを先延ばしにして回避するため、子どもたちは『叶えられた』わけでも『拒絶された』わけもでもないので、延々と要望をぶつけ続けることになります。
これは『希望や先入観』を無駄に量産することに……。
彼らは私に対しては延々と要望をぶつけることはありません。『お父さんとだと終りがある』と理解していたからです。ただ、妻の方が直接子どもといる時間が長いため、グダグダになったところに私が現れると、子どもたちにとっては『気まずい』状況になります。
『希望や先入観』を量産しているタイミングで、『終わりがある』ジャッジマンの私が現れたわけですから、子どもたちにとっては大変です。長男は上手くごまかそうとしますが、娘の方は状況変化に対応できずパニックに。
解決の糸口として
父・母のバランスとして、よく言われるのは『叱り役・怖い役』と『優しい役・守る役』の役割分担を作れといいます。確かにそうなのですが、依存がある場合はあまり分けないほうが良いのかもしれません。
うちの場合、妻が引いてしまったことで、私のウエイトが大きくなり、バランスが崩れていた状態です。
うちの場合、妻が引いてしまったことで、私のウエイトが大きくなり、バランスが崩れていた状態です。
これは妻に『シンプルに言葉にする』ことを提案し、改善しつつあります。
具体的には
具体的には
・『良いか悪いか』『好きか嫌いか』『嬉しいか嫌か』の二択で発言。
・要望の波状攻撃にあった場合は内容を精査せず、『三回まで』などの回数で判断。
・何考えているのか解らなかったら直接本人に聞く。
・要望の波状攻撃にあった場合は内容を精査せず、『三回まで』などの回数で判断。
・何考えているのか解らなかったら直接本人に聞く。
この3点を短期集中で実践し、明らかな親子関係の改善がみられました。
【関連記事】⇒軽度ASD長男1歳まとめ
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中の人
夫。30代。
定型。フリーのデザイナー。
自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。
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