ASDでACの妻と
アスペルガーのこども2人を持つ
定型夫の研究帳を公開します。

Category:アスペルガーな娘

1歳:叱られた後の歩けないフリ

2014-03-23 Category:アスペルガーな娘
1歳9ヶ月の頃のある日、娘を叱り、おしりを叩いた。
その後、立たなくなった。叩きすぎたのかと、もの凄く不安になり、申し訳無さと後悔に打ちのめされた。でも、おしりはなんともなっていない。
『まさか股関節脱臼?』
足を仰向けで折りたたませても、いびつな感じも形跡もない。と言うより、本人に痛そうな表情が見えない。
『いたくてあるけない』
というのでどこが痛いのか聞いても、毎回指差す場所が変わる。手を取ると立ち上がり、足を引きずりながら歩くが、手を取らないと立つことも出来ない。
原因不明。
心理的なものかと叱った自分を責めた。
1週間が経過したある日、ほかの病院の待合室で彼女の好みのおもちゃを発見。
【走って】取りに行った
彼女は好みのおもちゃを手にとって上機嫌。診察室までスキップ混じりに歩いて移動した。
先生に
『歩け……なかったんです。さっきまで』
と言うしかなかった。
『この歳で1週間も歩けないふりを出来るのは筋金入りの気の強さだね』とお墨付きをいただいた。
家に帰り、リビングにつくと再び寝転がりだした
『いたくてあるけない』
生まれて来て三十数年、あれほどの剣幕で人を怒鳴ったのは初めてかもしれない。娘はその後も歩けないふりを通そうとしたが、鬼の形相で命令し、歩かせた。知らない人が見れば、まさに鬼だったと思う。
10分後、父の本気が理解できたのか、すんなり歩き出した。
■今だから分かること
心因性の……とか、優しさに飢えて……とか、その時はぐるぐるしました。最初は確かに痛かったのかもしれませんが、父親が叱るのをやめ、心配そうに抱き上げたのがくせになったのだと思います。
ちなみに妻の前では引き続き歩けないをやろうとしていましたが……。
これを皮切りにあらゆる面で、
こうすればやらずにすむ
こうすれば怒られない

などの見え見えな回避策を、露骨にやろうとする時期がこの後続きます。

その露骨さが他所の人からは笑い話になるのですが、悪戯を止めさせようとしたり、ルールを教えようとしている当時は何度頭を抱えたことか……。【悪い一休さん】と化した娘は難易度が高かったです。
この出来事がきっかけで、娘の思い込みや強情な態度には、強く立ち向かわないと通用しないことを知りました。自分の想いと違うことを『優しい言葉』で伝えても理解してくれるようになるのは5歳越えての話です。

【関連記事】⇒頑固で手がつけられない

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  • 夫。30代。
    定型。フリーのデザイナー。
    自宅で仕事をするかたわら、家事・DIY・訪問営業撃退に勤しむ。 本人は定型だが、何かしら発達障害との縁が深い。
    心労と過労で3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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